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初恋は実らない  作者: 柏原ゆら
*Second Love*
16/18

#16

「はい、完成っ」


私達は約一時間かけて、肉と野菜炒めを作った。にしても……。


「……作りすぎ」


そう。一人分の量にしては作りすぎてしまったのだ。

う~ん、どうしよう……。病人の岳に全部食べさせるわけにはいかないし……。


「……あっ、じゃあ、私も一緒に食べるよ!」


そう言うと、岳と未来ちゃんは「えっ?」と聞き返した。


「予備のお箸あるよね?」

「ま、まあ……」


私はお箸があると思われる引き出しを引き、箸を一膳取り出した。すると、未来ちゃんが口を開いた。


「わっ、私も食べてく!」


そう言うので、私はもう一膳お箸を取り出した。そして、私達は岳の家で夕飯を食べる事になったのだ。

食べ始めて数分で、未来ちゃんが「あっ、そういえばね……」と岳に話をふった。この話は長く続き、私は夕飯を食べ終えてしまった。それでも、岳と未来ちゃんの会話は続いた。

私は食器を洗おうと、席を立った。すると、後ろから岳がついてきた。


「食器洗いくらい、俺がやるよ」

「いや、いいよ!岳は病人なんだから、安静にしてて?」

「いや、作ってもらったんだし、洗い物は俺が……」


「いいって!」といくら言っても、岳は引き下がろうとしない。そんな時、岳がバランスを崩しふらついた。


「わっ……」


慌てて岳を支える。けど、私が小さいのか岳が大きいのか、上手く支えきれずに二人一緒に床に崩れ落ちた。

重い……って事より、岳が近い!吐息がめっちゃ近くで聞こえるし、つらそうな顔が近くに見える。ど、どうしようこの体勢!!事情知らない人には誤解されそう……。


「が、岳、おも……」

「星川君!希帆ちゃん!大丈夫っ!?」


しばらくすると、未来ちゃんが助けに来てくれた。未来ちゃんの手も借りて、岳をベッドに寝かした。


「……星川君、大丈夫かなぁ……」


隣で未来ちゃんが呟く。


「……未来ちゃん、そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?」


私は、時計を見て言った。でも、未来ちゃんは「で、でも……」と岳を見ながら言う。


「大丈夫だよ。私がここにいるから。家隣だし」

「じゃあ……よろしくね」


そう言って、未来ちゃんは帰った。岳の部屋は、私と岳だけになった。

私はベッドの横にしゃがんで、岳の頭を撫でながら囁いた。


「珍しいね、岳が風邪ひくなんて。岳が学校来てくれないと、私朝一人になっちゃうんだよ?お昼だって、柚ちゃんがカレシさんと食べると一人だし、帰りも一人だし。皆も心配してたよ?未来ちゃんだって、来てくれたし」


私は、布団から出ていた岳の右手を握った。


「……岳がいないとつまらないなぁ……」

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