履歴書一行目 ②
自伝を書いていこうと思っています。
よんでいただけたらうれしいです
尚、素人なもので。
新卒で入った会社も、それからはミスの連発で毎日が苦痛だったが、それでもくじけず会社には足を運んでいた。いつも目にするのは現金、手形、小切手。そう銀行に勤めていた俺の前にはいつも金の山。よく横領して警察の御用になるニュースをよくみるが、気持ちがわかる反面、大量にあるお札をみていると、それが、オモチャのお札のように見えてくる
それでいて中で働いている支店長をはじめ、その他の行員もまたロボットに。
金持ちの人間に群がり、金を持たない人間には見向きもしない、こじきロボットである。
オモチャのお札を、こじきロボットが一寸のミスもなくカウントする。そうみると滑稽な様である。
俺のデスクの隣には、すさまじい勢いでお札を扇形に広げカウントする先輩社員が。後藤である。
そいつは鈴木さんと違い、仏の鈴木なら鬼の後藤である。
いつもそいつに俺はせかされ仕事をしている・・。
「中須さん、終わりました?」
「まだっす。」
「はやくこっちに回してくれないと、こっちも遅くなるの。」
嫌味タラタラにせかされる。
俺は昔鍛えたファミコンの連射並に電卓をたたきまくり、同時のそいつの頭もたたきまくりたかったが、電卓だけにしておいた。
そいつはいつもポーカーフェイスで仕事しているものの自分の顧客がくると、空腹な犬が舌とよだれをだすような笑顔で名刺をばらまく・・。
俺も口では、
「後藤さん(隣のデスクのむかつく先輩社員)のような人になるように頑張ります。」
とはいってはいるが、正直なりたくないし、尊敬もしていない、むしろ嫌い。
後ろからは薄くなりつつある髪をオールバックで隠そうとしている副支店長が、
「お前も、はやく後藤(むかつく先輩社員)のようになってほしいんだが・・。」
「はい、頑張ります。」
俺は言葉とは裏腹に
『はははははは~~~ならん、ならんよ。つうか辞めてぇ~~~。』
と後ろ向きの気持ちで初社会人の初めての夏を迎えようとしていた。
自伝を書いていこうと思っています。
よんでいただけたらうれしいです
尚、素人なもので。