第八章 再会
「目が覚めた?」
「・・・ん?」
「あなた達も来ちゃったんだ。」
「きちゃった?」
「ここのこと。」
晃は回想した。
『そうか、俺は・・・。』
晃と梨花が目を覚ましてから三日がたった。
晃と絵里は、つい最近逢ったが、絵里が梨花と会うのは約三ヶ月ぶりのことだろう。
絵里にある一つの不安がよぎった。
『私たちって偶然・・・?』
「ってかよぉ、」朝飯を食べ終わった晃が口を開いた。
「なんで俺らここに来たんだろうな。」
「・・・さぁ?」絵里は答えた。
(そう言えば・・・)
「・・・!」
「晃、どうしたの?」
「徹は?」
「・・・。」絵里は・・・うなだれた。
「・・・絵里?」
「・・・こっち来てないだけじゃない?」
「・・・。」
何分間かの沈黙の後
晃は口を開いた。
「絵里はここに来てから、どのくらいなの?」
「3週間くらいかな?」やや、首をもたげ絵里が言った。
「へぇ、そんなにここにいるんだ。」
晃は、女の会話が始まったので、立ち去ることにした。
だが晃は、大切なことを見落としていた。
そんなことを晃は知るよしもなかった。
この家は、五部屋ありキッチンの横に、リビング。そこから通じる廊下の途中にトイレ。
それを抜ければ、風呂のある区画にたどり着く。
五部屋の一部屋を、カプスの部屋、絵里の部屋(かつてここは接客用の部屋になっていたようだ)、あと書斎と図書館みたいな部屋、そして、何もないがらんとした部屋。
晃は、図書館みたいな部屋を渡された(最も、本を何もない部屋に移してだが)。
梨花は絵里と同じ部屋を使うことにした。
カプスの家は広いのかと思ったが、この街の人は大体そのくらいの家の大きさのようだ。
ゆっくりと、晃は自分のベットに体を投げ入れる。
(今日は絵里にまずいことしちまったなぁ・・・。)
彼は外の空気を吸うために立ち上がった。
何もない部屋に入りきらなかった、本棚が一つ残してある。
そのため普段本を読まない彼の、本当の部屋よりも立派な部屋づくりのようだった。
ベランダもあり、晃はこの部屋が気に入っている。
(少し、本とやらを読んでみるかな)
晃はつい、読みふけった。
(なかなか本という物は面白い。)
彼は五冊目に到達したところで、一つの変な物を見つけてしまった。