第六章 この町で
絵里が、この街に来てから何日か経つ。
だが、カプスは、あまり自分のことを多くは語ろうとしなかった。
「ちょっと散歩してくる。」
そして彼女は、カプスの家を出る。
カプスの家があるこの建物は、45階建て。
そしてカプスの家は、ちょうど半分当たりの22階。
絵里は歩いているうち、この街についていろいろ知っていった。
この街は高層住宅が多い。
この街にいる人はカプスも含めみんな足が弱い事を知った。
彼らは皆、電動車いすで移動している。
それから、この街は大きさの割りに人口が低い。
そして、人口が低い割にはあまり見かけない人や初めて見る人が多い。
ある日、カプスは、少し難しい顔をして、
「君に来て欲しいところがあるんだけど・・・。」
絵里は、深く悩まずついていくことにした。
でも何処に行く気なんだろう。
今聞いても彼は、きっと答えてはくれないだろう。
絵里は黙っておくことにした。
「ここだ。」
彼が、そう言う。
そこは、この町には不似合いな建物だった。
なにか、懐かしくさせる物がある。
この町で、初めて見る一軒家だ。
ドアを開ける。
そこには、建物の中には白い髭をあごに蓄えた老人が一人。
「ずっと、待っていたよ。」
彼は言う。
そして、
「―――――――ということなんだが。」
彼は言った。
愕然としている絵里に付け加えていった、
「彼らは体が弱りどうすることもできない。」と。
―――そして絵里は・・・。
絵里に老人が話したこととは?
〜to be continue〜