表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
tear  作者: 常盤金成
5/9

第五章 アイスと冬の空

「なぁ、アイス食うか?。」

晃はアイスを梨花の方へ尽きだした。

「え、もう冬だし、いらないよ。」

「あ、そ。」

梨花が断るのは、当然だと思っていたように、梨花が言い終わった時には晃はもうアイスの蓋を開けていた。

「そう言えばこないだアイツらに逢った。こないだっつっても四日前だけどな。」

「ん?アイツらって?」

「徹と絵里だよ。」

晃、梨花、徹、絵里の四人は中学からの仲で今年でもう六年だ。

「相変わらず元気そうだった。」

「そう、良かった。」

梨花は空を見上げる。

あの頃は、クラブの帰りに四人で、よく遊びに行ったものだった。

今は、忙しくてそんな暇がない。

高校に入ればクラブはやらなかかったが、勉強の時間を取るとどうしても遊ぶことが少なくなる。

口から漏れる吐息はもう真っ白で改めて冬の寒さを思い知った。


「う〜、寒っ。」

「アイスなんか食べるからでしょ。」

「アイスはいつ食っても上手いじゃん、しゃーねーよ。」

晃はいつだって自分の好みは曲げないタイプだった。

そこに惹かれたので梨花は反論できない。

「まあ、いいけど」

「ところでさ」

「ん?」

「あそこにある黒い物ってなんだと思う?」

「え?」

晃が指さした方向には確かに黒い物があった。

「ちょい、俺行ってくるゎ」

そう言って晃は走り出した。

「ちょ、待って、私も、行く。」

梨花は、あと追って

走ったが、もう晃は、黒い物体の目の前にいた。


「これ、穴だ。」

晃が、息を切らしてたどり着いた梨花に言った。

「そう。」

梨花は見た、黒くて奥が深そうな穴を。

真っ暗で向こうが見えない。

「俺、入ってみる。」

「え、危ないよ。」


しかし晃は入ってしまった。

梨花も入ろうか躊躇し始めた時に、穴が小さくなっていく。

梨花は焦って中に入った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ