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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
タツイ王国の王都へ編

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第90話「魔物使い」

姫様大はしゃぎじゃ!



 高級宿を貸切にして大層な結界を張る騎士団たちじゃ。そして、結界の中で魔物たちを出すのじゃ。

 スライムとシーフで芸をするグーシャ、魔鳥達を遊ばせるテンカ、魔犬の頭を撫でるジーザスじゃ。


 それぞれの魔物達に目を輝かせて、触ってもよいか聞いてくる姫様じゃ。騎士たちは止めたのじゃが、姫様は止まらんかったのじゃ。

 まずスライムから、触れてプニッとした感触を味わった姫様は思いっきり抱きついたのじゃ。


「スライム一匹、家に欲しいです!」

「ごめん……支配から外れると危険な魔物に戻ってしまうから」

 グーシャが姫様に謝るのじゃ。姫様は残念そうにスライムから離れてシーフに近寄ったのじゃ。


 グーシャは何を思ったのか、シーフにお姫様をお姫様抱っこさせたのじゃ。手で押え顔を赤らめるお姫様じゃ。

 騎士たちが慌てて寄ってくるのじゃが、止める姫様じゃ。

「大丈夫です皆さん! 降ろして貰えますか? グーシャさん」


 グーシャは頷いてゆっくり降ろすのじゃ。降りた姫様の肩に魔鳥が乗るのじゃ。キョロキョロ見回す魔鳥に笑顔になる姫様じゃった。

 念の為に広いスペースを取った騎士団だったのじゃが、逆手にとったテンカは大きな魔鳥を出して姫様を乗せるのじゃ。


「しっかり掴まって、姫様」

 バッサバッサと飛び上がった大きな魔鳥は姫様を乗せて飛び回るのじゃ。

「凄いです! 飛んでます!」

 騎士団がもはやパニックになっとるのじゃが、テンカと姫様は楽しそうなのじゃ。


 そして降り立ち、楽しめた姫様はジーザスの元に寄ったのじゃ。魔犬は小型犬から大型犬まで色々あるのじゃ。

 そのどれもが素直で従順じゃ。姫様は魔犬の頭を撫でながら言ったのじゃ。

「可愛いですね。魔物だなんて思えないです」


「姫様、これらは魔物なのです。普通の動物でも危険なものと安全なものがいます。それと同じように、制御できる魔物がいるだけです」

 騎士団長が認識を間違わないように注意するのじゃ。

 姫様は騎士団長に頷いて、ワシらに頭を下げるのじゃ。


「この度は魔物に触れさせて頂きありがとうございます。私も貴重な体験をしました。このまま城を目指されるのであればまたお会いしましょう。

 魔物使いの皆様に不遇な王都である事は悲しいので私の代で変えてみせます!」


 ちゃっかり毛や羽根や体液を採取していた姫様はそれらを元に、魔物使いに使役されている魔物の違いを見つけてみせると意気込んだのじゃった。

 ワシらは魔物を引っ込めた後、このまま高級宿で一泊させてもらい、体を休めたのじゃった。


 姫様と別れた後、荷物持ちのスライム以外の魔物をなしで北東地区のギルドに向かうと、人だかりができておったのじゃ。

 それは喧嘩じゃった。止めんでよいのかと思っておると護衛の騎士の人が話すのじゃ。


「またあの二人か」

「よくあるんですか?」

 ルナが尋ねると呆れるように言うのじゃ。

「あの二人はこの国最強と呼ばれる二人だ。ただどちらの力も拮抗しているから、どちらの方が強いかで喧嘩するんだ。最早名物になってるよ」


 二人に近づいて話を聞いてみるとこんな事を言っとるのじゃ。

「俺の方が破壊力がある。お前のは小癪な技の応酬だ!」

「お前のはただ威力があるだけだ。当たらなければどうということはない!」


 こんな感じで、ずっと平行線で話しておるのじゃ。聞いていて呆れてくるのじゃ。

 どちらも強そうな力を持っておるのじゃが、それを讃え合うわけでもなく、貶し合っておるのじゃ。

 そんな事では高みにはいけんわい。確かにこの国一番かもしれんが、この国ではじゃろう?


 自分の方が強いという慢心は、時に油断となり敗北へと繋がるのじゃ。それを知らしめねばならんのじゃ。

「もう……わかりましたよ。私また休憩もらいますよ?」

 ワシの姿を見させられるようにしてもらったワシは二人に言うのじゃ!


「お主ら喧嘩はやめい! お主らよりワシの方が強い! 文句があるならワシを倒してみよ!」

 二人がワシの方を見て睨むのじゃ。そしてワシに向かって吠えるのじゃ。

「なんだと? じゃあやってやろうじゃん!」

「先にあいつを倒した方が勝ちってことでいいよな?」


 二人の矛先がワシの方に向いたのじゃ。ワシは黒主を四匹出して大きな蛇に変化させ、二人を拘束しようとするのじゃ。

「神か! 戦ったことはないがこの程度!」

(痛いぜ! こんちくしょう!)

 黒コンは切りつけられ痛がるのじゃ。二匹の黒コンがやられたのじゃ。


「ではこれはどうじゃ?」

 ワシは黒コンを大きな動く植物に変えたのじゃ。(つる)を伸ばし拘束を試みるのじゃ。

 切られつつも高速で伸びる蔓に苦戦する二人に、一気に近づいて狐依パンチをお見舞いするのじゃ!


「ぐはっ!?」

「なっ!?」

 二人はトルネイドさんのように神力を受け流すことが出来んから、これで十分のはずじゃ。

 膝から崩れた二人は肩で息をしておったのじゃ。

「これでも加減をしたのじゃが、その程度かのう?」


「参った。神様には勝てないな」

「井の中の蛙大海を知らず、か。痛いな」

 わかっておるんじゃな? なら仲良くしなさいなのじゃ。

 ワシは拍手の後、ルナに礼を言うのじゃ。

「黒コンも顕現させてくれてありがとうなのじゃ」


「わかってたならいいですよ。実質二対二だったわけですからね」

 そうじゃ、ワシと黒コンを見えるようにしてくれてないと反則なのじゃ。

 見えない攻撃でなら、いくらでも勝てるからのう。

 じゃから見えるようにして正々堂々勝つ必要があったのじゃ。


 ワシは反省した男二人の頭を撫でてやり、姿がみえなくなったのじゃ。

 騎士に支えられたルナは項垂れながら依頼を探して、見つけた依頼をワシに見せたのじゃ。

 ワシはそれを承諾して、後は全員で宿に向かうのじゃった。

喧嘩を止めたワシじゃった。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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