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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
上位の神との邂逅と、ジーザスとの出会い編

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第63話「説得」

説得成功じゃ。



 ワシはアロワちゃんに孤児院に帰るように言い、ジーザスと共に宿に向かったのじゃ。

 部屋に入るとジーザスは泣き出したのじゃ。

「ううう……どうして……」

 傷心のジーザスじゃ。ワシらはとりあえずジーザスに名乗ったのじゃ。


 そして今後について話し合う前に、まだ誰かを殺したいと思うかを聞いたのじゃ。

「みんなみんな、僕を捨てていく……! 僕が何をしたって言うのさ!」

「ワシはお主を見捨てんのじゃ。じゃがお主がそういう精神では神にできんようじゃ。このままじゃとお主は魔王のままじゃ」


 白主と黒主が納得出来ねば神にはできんようじゃ。心を入れ替えねばならんのじゃ。

 テンカの時はすんなり行ったのに、やはりポッポー様とワシでは違うのじゃろうかのう?

 ワシはジーザスを説得するのじゃ。


「お主の心を清めたいのじゃ。まずワシの話を聞いてほしいのじゃ」

 ワシは優しさとは相手に向けるもので、相手に要求するものではない事を話すのじゃ。

 また相手に優しくしたからといって必ず帰ってくるものでもないということを言って聞かせるのじゃ。


「そんな人達に優しくできない!」

「確かにそんな人達に優しくあるのは難しいかもしれんのじゃ。じゃがどんな人にも優しく丁寧に接し適応する人は、必ず良い人達に囲まれるようになるのじゃ。それには忍耐が必要じゃ」


 ワシは人を甘やかせと言うてるわけではないのじゃ。ただ悪く当たらずに自分と相手の距離を正確に保つことじゃ。

 捨てられたと言うておるジーザスじゃが、そんな人達なんか相手にする必要ないじゃろ?


 本当の意味でわかってくれる人達を見つけ、その人達と共に学び、また困っている人のために動くことで、分かち合う仲間を増やすのじゃ。

 じっとワシの話を聞いとったジーザスは涙を拭き、ワシを見とったのじゃ。

「あなたが僕を導いてくれるの?」


 ワシはジーザスに近づき抱きしめたのじゃ。小さな体には悲しみが詰まっておったのう。

 抱きしめ返してきたジーザスの頭を撫で、今度こそ白コンと黒コンを入れたのじゃ。

 ジーザスの体が光り輝き魔犬の神となったのじゃった。


「これでお主もワシの仲間じゃ」

「本当? 捨てたりしない?」

「お主が一緒にいたい限りおればよい。ルナとグーシャとテンカとも仲良くしておくれよのう」


 三人の女子はジーザスに近寄ってジーザスと握手したのじゃ。

「あ、ありがとう……! よろしくお願いします!」

 ジーザスは頭を下げたのじゃ。


「魔犬をコントロールするために練習するのじゃぞ」

 ジーザスは頷いて魔犬を出したのじゃ。その時じゃった。


「キャー!」

 悲鳴が下の階から上がったのじゃ。ワシらは下へ降りてみるとエントランスに人が倒れておったのじゃ。

「どうしたのでしょうか?」

 ルナが宿の店主に尋ねると何やら喧嘩があったらしいのじゃ。


 倒れている人を刺した犯人は逃走したようじゃが、とにかく助けるのじゃ。

「うう……財布を盗られた……」

 それは大変じゃ! すぐにでも犯人を追わねばならん。じゃがどうしたら良いのじゃ?


「僕の魔犬で追えないかな?」

 財布を盗まれたなら、この人の匂いを追えばいけるかもしれんのじゃ!

 ジーザスは魔犬に匂いを嗅がせるのじゃ。すると魔犬は走り出したのじゃ。


「ワシとルナとでジーザスと魔犬を追うのじゃ! グーシャとテンカはこの人をみていておくれよのう」

 ワシとルナは魔犬を追いかけたジーザスを追うのじゃ。


 そしてある家で魔犬が止まっておったのじゃ。ワシはルナとジーザスに待つように言い中にすり抜けて行ったのじゃ。

 中では血塗れの人が蹲(うずくま)っておったのじゃ。


 ワシはその男の頭を撫でてやり頭を柔らかくするのじゃ。犯してしまった罪は償わねばならぬ。謝れば良いわけではないのじゃが、謝らねばもっと悪い方向に行くのじゃ。

(どうですか? コン様)


 ルナが念話で話しかけてくるのじゃ。ワシは男の様子を見るのじゃが、頭をあげないのじゃ。じゃがすすり泣く声が聞こえてきて、ついには号泣しだしたのじゃ。

「俺はどうしたらいいんだ……!」


 男にはワシが見えとらんし、声を聞こえんからどうにもできん。

(ここからでも神力を使って一時的に見えるようにできるかもしれません。やってみますか?)

 それは本当か? なら試してみて欲しいのじゃ!


「俺は……俺は……ん? だ、誰だお前!?」

 どうやらワシが見えるようになったらしいのう。上手くいったのじゃ。

「ワシは狐の神じゃ。お主を導くのじゃ! 罪を認め謝罪しに共に行くなら、悪いようにはせんぞい」


「神様……? 本当に? 俺は許されるのか?」

「当然罪は償うのじゃぞ? 認めるかのう? 認めんのかのう? 時間はないぞい」

「み、認める! 認めるよ! どうしたらいい?」

「外におる二人の少年少女に付いていき事件のあった場所に盗品を持って行くのじゃ。よいな?」


 男は頷いて外に出るとぐったりして魔犬に乗ったルナとジーザスが男を連れて宿に向かったのじゃ。

 そして事件現場に行き男に謝罪させ、ルナの力で再び人に見えるようにしてもらったワシは、人々に説明したのじゃ。


「まぁ、神様が許すのなら……」

「罪は償ってもらわなきゃだけどねぇ」

 集まった人々に何とか納得してもらったのじゃ。兵が男を連れていく時、ワシはあまり乱暴にしないでやってくれと言ったのじゃ。


 そして解決したワシらは拍手をされたのじゃ。ここでルナの神力が切れたのじゃった。

「人助けって凄くいい気持ちになるね」

 ジーザスは初めての人の役に立った事に嬉しそうに喜んでおったのじゃった。

人を助けると心が温かくなるのじゃよ。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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