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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
外大陸、西側編

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第506話「皆を味方につける」

味方を増やすことで得られる利益じゃ。



「でもですよ? 味方につけたところでお金が貰えるわけじゃないですよ? むしろ、あちらが上手くデッドシャドウを狩れば取り分は下がりますよ」

 ゲールが現実的なことを言うのじゃ。

「皆を味方につければ取り分は上がっていくよ」

 まさかとは思うがのう。

「全員の首輪を外すつもりかのう?」

「そう!」

 ジーナはとんでもない事を言い出したのじゃ。

「それ私たちがお金をあげるということではないですよね?」

「もちろん違うよ、彼らにはデッドシャドウ狩りに専念してもらって、私たちは一位もとるんだよ」

 二位以降の順位の報酬はそんなに変わらないのじゃ。じゃから一位を取るのに必死なのじゃ。

 逆に言えばデッドシャドウを狩るためにだけ動けば金は稼げるということじゃ。制限時間はあるのでどれだけ稼げるかはわからんのじゃが、稼ごうと思えば稼げるかもしれんのう。


 とはいえ、彼らを説得するのは困難じゃし、そもそもその方法で首輪を外すまでに至るなら最初から皆しておるじゃろう。じゃがそれではダメじゃと言うことじゃ。

 それを言うとジーナは悪い顔をして笑うのじゃ。

「ふふふ、だから裏技を使うんだよ」

 ジーナから話されたのはとんでもない話じゃった。

 ワシらは早速、今日最下位じゃった神に会いに行くのじゃ。

「なんだ? 何か用か?」

「お主で試したいことがあるのじゃ。話に付き合ってくれないかのう?」


 ワシとジーナが説明をしているとその犬の神はとても乗り気になるのじゃ。

「そんな方法が……だけど、あいつらに殺さないかな?」

「では確認を取りに行こうなのじゃ」

「え?」

 皆は呆けてしまうのじゃ。ワシはドッグルの家に着いてからベルを鳴らすのじゃ。

「どうした?」

「実はのう……」

 ワシがドッグルに話すのを冷や冷やしていたジーナじゃが、ドッグルは笑ったのじゃ。

「そんなことが可能なら是非お願いしたい」

 ジーナはワシに頷いて、犬の神にウインクしたのじゃ。


「お主の実力でいけるかのう?」

「死んだらそれまでさ。流石に巫女は置いていく。いいな? アルン」

「私も行きますマメ様」

「ダメだ。危険すぎる」

「アルンさん、大丈夫だよ。私がついてるから」

 それを聞いて皆驚くのじゃ。

「ジーナ、そこまでするんですか?」

 ルナが聞くとジーナは笑うのじゃ。

「自分で提案しておいて、あとは放ったらかしなんて誠意がないよ。私は行くよ。コン様がゴールしないといけないから行けないのはわかってるよ」

「なら僕も行きますよ」

「あ、あの、禰宜さんが行くなら当然私も……」

「アルンは駄目だって。この二人は次元が違う。ジーナさん、ゲールさん、よろしく頼むよ」

 犬依マメ様はジーナとゲールに託すのじゃ。こうして作戦がスタートしたのじゃった。


 翌日、マメ様達の隣につくのじゃ。ジーナを見るとやる気に燃えておったわい。

「マメ様をよろしくお願いします」

 アルンさんは控えつつ、ワシらに頭を下げるのじゃ。

「任せて! コン様はいつも通り行ってね」

「ジーナが心配だけどゲールに任せるね。ご飯は作っておいたから」

 アカミがゲールにご飯を渡すのじゃ。

「ありがとう、アカミ。しっかりデッドシャドウを倒してきます!」

 ゲールは人間じゃからな、余裕を持って動いておいた方がいいじゃろう。

 ご飯も片手で食べられるものらしく、アカミは手軽に食べられるように作ったそうじゃ。


「では行こうなのじゃ。油断するなよのう?」

「うん!」

 こうしてスタートの音が鳴り、ワシらは一斉にスタートするのじゃ。

 勿論妨害なんてどうでもよいのじゃ、ある地点まで行くことが大切じゃ。

 森が繁る中、ワシらは森の中へと踏み出すのじゃ。

「気をつけるんじゃぞ」

 ワシはジーナとゲールを抱きしめて言うのじゃ。

「コン様、任せてね!」

 ジーナ達を森の中に置いて、ワシらはビリから一位へと躍り出るのじゃ。

「どうした? 仲間割れか?」

 他の神がからかってくるのじゃが、無視じゃ。ワシらはゴールして他の神も着々とゴールするのじゃ。


「おい、あいつら帰ってこねぇぞ? どうしたんだ、お前ら?」

 鳥の神が心配してくるのでワシは笑うのじゃ。

「なーに、残業じゃよ」

「は? まさか……」

「これより村の出入口を閉める。まぁ神なら通れるだろうがな」

 ドッグルが扉を閉めたのじゃ。他の神は大慌てじゃ。

「お前らどういう事だ? 死ぬ気か?」

「夜のデッドシャドウの脅威を知らないのか?」

 次々に質問してくるのじゃが、ワシらは無視するのじゃ。

「答えろよ、お前ら!」

「わからないものに、答えられるわけないじゃろう?」

 ワシらは換金して貯金に充てるのじゃ。勿論返す分もあるのじゃがのう。生活費などに割り当てる分を計算しながら、ルナは空を見上げるのじゃ。

「ジーナとゲールは大丈夫でしょうか?」

「伊達に十段階目になってはおらんじゃろう」


 ジーナはともかくゲールは心配じゃ。そしてマメ様の実力もどれ程のものか気になるのじゃ。

 ……生きて帰ってくるんじゃぞ。

必ず生きて帰ってくるんじゃぞ。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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