第488話「影の沼」
サイレ街からハカ村まで駆けるのじゃ。
サイレ町からハカの村まで行くためには、三つ飛ばした場所を通らねばならんのじゃ。
まずはリワオの町じゃ。サイレ街からリワオの町に行くためには影の沼を通らないといけないのじゃ。ここがかなり難関らしく、沼から飛び出してくるナマズの影が脅威のようじゃ。
勿論鳥の影もいるのじゃ。鳥の影はトーチで何とかなるのじゃが、ナマズの影はトーチにぶつかって来て消えていくそうじゃ。
つまりトーチが小さくなるのじゃ。トーチを買い直すのは経費で落ちるから何とかなるのじゃが、とにかく危険なようじゃ。
「沢山おるのかのう?」
「ええ、勿論よ」
これは思ったより大変そうじゃ。更に沼に落ちないようにしないといけないそうじゃ。
落ちたら一貫の終わりじゃ。助からないそうじゃ。ワシらはより気持ちを引き締めるのじゃ。
「デッドミラーはいる?」
「いないわ、影の森だけよ」
ハフが心配そうに聞くと、笑顔でエルフィーナは答えてくれるのじゃ。
トーチを補充して、ワシらは影の沼を駆け抜けるのじゃ。
影の蛇はいるそうなので、そこも気をつけるのじゃ。
とはいえ、影の蛇はそんなにいないので、ジーナの直感に頼るのじゃ。
「くるよ!」
ジーナが纏って影の蛇を祓うのじゃ。そうやって進んでいくと沼から影のナマズが飛び出してくるのじゃ。
トーチにぶつかり灯りが減っていくのじゃ。
「走れ皆よのう! 行くぞい!」
ワシらは駆け抜けるのじゃ。
うねる様な道を駆け抜けていくと町が見えてくるのじゃ。
ワシらも速くなったものじゃな。
「トーチは換金して新しいものに替えるわよ」
リワオ町に着くと早速次の町への準備が始まるのじゃ。
次の町はゴイサ町じゃ。リワオ町からゴイサ町に行くためには影の洞窟を通るそうじゃ。ここはトーチがあれば問題ないそうじゃが、入り組んでいるので、迷うそうじゃ。
また影のコウモリがいるそうなので、どんどんぶつかって来て灯りが減るそうじゃ。
弱い影のようじゃが数がいるのでかなりヤバいようじゃ。
ジーナがいてくれると危険は減るそうなのでジーナに任せるのじゃ。
影の洞窟へ行くと、より暗く犬型のデッドシャドウもいるのじゃ。
トーチをもって駆け抜けると、案の定影のコウモリが飛んでくるのじゃ。
「狐依パンチ!」
ジーナが纏ってパンチで弾き飛ばすと消えていくのじゃ。
「いつもは別途でお金を払って光光の神を雇うんだけど、助かるわ。勿論皆にもちゃんと報酬は払うわよ?」
ワシらとしても勉強になるので助かるのじゃ。エルフィーナは周りがしっかり見えてるので何をしてはいけないかなどしっかり教えてくれるのじゃ。
予備のトーチも念の為持っているらしく、ワシらのトーチも買ってくれているので助かるのじゃ。
これでお金にも修行にもなるのなら万々歳じゃ。
「今は手ぶらで走ってるけど帰りは荷物あるの忘れないでね」
食べ物などに影がつくと引っ張られるそうじゃ。リヤカーいっぱいに荷物を持つのでかなり大変なようじゃ。
まぁワシらは分体や魔物に持たせているので関係ないのじゃが、買ったものを落とさず走るのも大変なそうじゃ。
「神経使いそうだね」
「ハフは特に気をつけてくださいね」
「もー……大丈夫だよ」
そんなやり取りがあって影の洞窟を抜けた後、エルフィーナが聞いてくるのじゃ。
「次戻ってもう一回来る時、マップがどうなっているか教えようか?」
ルナは頭を下げてお願いするのじゃ。
「エルフィーナさん、ありがとうございます。よろしくお願いします」
ゴイサ町について、一息入れるのじゃ。
「本当は一気に駆け抜けるんだよ? 食糧問題は深刻だからね」
「エルフィーナの他には食糧調達をしている人はおらんのかのう?」
「勿論いるよ、でも私が一番早いかな」
エルフィーナはかなりの実力者じゃ。だからこそ、選ばれているのかもしれんのう。
外大陸ではほとんど作物が作られないのじゃ。影の土地が広く使える敷地が少ないのもあるそうじゃ。
確かにあの範囲で農作物や畜産物を作るのは無理じゃ。
魚も影じゃ、食べられないのじゃ。ちなみにゴイサ町から、次のボチ村に行くためには影の河川を通るそうじゃ。
そこに魚が生息していればまだ希望はあったかもしれんが、この南の外大陸では影主体のため難しいようじゃ。
影の河川に挟まれた道を行くそうじゃが、影の魚がトビウオのように飛んでくるそうじゃ。
直線的なためこれらは避けるしかないそうじゃ。影の暴走のような状態にはならないものの、これも引っ張られて川に落ちたらまず生存は不可能だそうじゃ。
まぁトーチで通るだけなら問題ないそうじゃが、どうやって倒していくんじゃろうと思うのじゃ。
すると道具があるらしく、釣るようにトーチに影を当てて殺していくそうじゃ。
ここで躓く人は少ないそうじゃ。問題はボチ村からハカ村にある、傾斜のある影の坂にあるそうじゃ。そこを通り越したらハカ村にたどりつくそうじゃ。
ボチ村に着いたワシらは影の坂に挑むのじゃった。
影の沼、影の洞窟、影の河川を通り、次は影の坂じゃ。
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




