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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
外大陸、サイレ街、魔神編

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第483話「夜の戦線」

ユニコと対峙するのじゃ。



 エルディスの話では、夜番の神達の前にユニコが現れたそうじゃ。

 今現在追われて逃げているという報告を受けたそうじゃ。街には中々逃げ切れないそうなのじゃ。

 まるで遊んでいる、そう受け取れる状況だそうじゃ、ワシらは立ち上がってそこに案内してもらうように言うのじゃ。

「わかった、急ごう」

「エルディス様、お待ちください! 彼らの経験ではまだ……」

 ワシはエルラナの頭を撫でて言うのじゃ。

「これも経験じゃし、いつまでも成長を待っていては好転せんのじゃ。大丈夫じゃ、ワシらは死なんわい」


 エルラナは渋々頷いて、ワシの手を握るのじゃ。

「きっと帰ってきてください」

 ワシは握り返し、抱きしめるのじゃ。

「急ぐぞ! また魔神災害が起きては敵わない」

 エルディスの後を追って、ワシらはトーチを受け取り走るのじゃ。

「今回は俺が指揮するよ。安心してくれ、君たちを無駄に死なせたりしない」

 指揮はエルディスじゃ。指揮官としての自信もあるようじゃ。

 ワシらはすぐに影の丘に向かい、平原へと降りていくのじゃ。アカミとハフは置いてきたのじゃ、二人は足でまといにしかならんからのう。


 平原に降りるとトーチが逃げているのが見えるのじゃ。ワシらはそれを目印に向かうのじゃ。

 神達は白い馬と黒い馬に追われているのじゃ。後ろには馬の神がおるのじゃ。

「おかしいぞい! 白主を出しているのじゃ」

「あれがあの魔神の特徴だ。ある時から白主も出せるようになって、交渉に応じれるようになったんだ」

 じゃが神を堕とすのだけは止めないと言うのじゃ。神になにか恨みがあるのか、デッドシャドウを殺して回る奴らの足止めにするつもりか分からないのじゃ。

 とにかく止めないといけないのじゃ。ワシはテンカの鳥に乗って、アオのカジキ鮫に乗ったジーナと共に、突撃するのじゃ。


 刀の波の刃を飛ばすと受け止められるのじゃ。そしてこちらに気づいたユニコはニヤリと笑うのじゃ。

「お前が光魔の神か」

 何故知っているのかはわからんのじゃが、とにかくこちらに注意が向いたのは好機じゃ。

「エルディスは彼らを逃がすのじゃ! ワシがメインで戦うわい! ジーナ、援護しておくれ!」

「うん!」

「気をつけろ! 奴は強いぞ」

 ワシは端から全力で行くのじゃ。光と光を纏いデッドシャドウを寄せ付けないのじゃ。

「ほう! 凄いな、お前は」

 ユニコは爆笑しながらこちらにやって来るのじゃ。一瞬で魔を増やし斬りつけるワシに奴は槍で突いてくるのじゃ。


 後のことはジーナに任せることにしてワシは全力で振るのじゃ。それを全力で受け止めたユニコじゃ。

「嘘じゃろ!」

「ふふふふふふ、合格だよ。名前を教えろ、俺は馬依ユニコ」

「知っておるわい。狐依コンじゃ」

「コン様、俺と組まないか?」

 不思議なことを言うもんじゃ。そんなの受け入れられるわけないじゃろ。

「ほら、影が来るぞ、光を纏え。お前はこちら側ではないんだろう?」

「……要件はなんじゃ? 長くはもたん、さっさと言うのじゃ」

 ジーナもワシの後ろについて光を纏い、聞くのじゃ。

「そいつは?」

「ワシの大切な仲間じゃ。傷つけるならたとえ死んでも殺しに行くぞい?」

「いいだろう。俺の目的は……鳥依スザク様にも倒せない呪神を殺すことだ」

 ユニコは鳥依サザイという鳥の神のことを話すのじゃ。鳥の王らしく、かなり凶悪な呪神となったそうじゃ。スザク様ですら倒すのが困難な鳥の神だそうで、そいつを殺すために魔神を増やして駒を増やしていたそうじゃ。

 尤も、上手くはいかなかったそうじゃが、デッドシャドウを大切に扱ったのは、魔神を成長させるためのようじゃ。

 街を壊さない約束をしているのに、デッドシャドウを大切にするのは何かおかしいと思ったんじゃが、街が困るほどには手を出さなかったのはそういう理由からだそうじゃ。


「お主は戦ったことがあるのかのう?」

「ある。当然勝てなかった。だが負けもしなかった。つまり二人以上なら勝てる。俺と同等の力を持つお前なら適任だ」

「わかった、私もついて行っていいならいいよ」

「ジーナ?」

 何故かジーナが了承するのじゃ。

「代わりに命の泉に行くのを手伝えないかな?」

 ワシは驚くのじゃ。ジーナすっかり交渉が上手くなって偉いのじゃ!

「誰か体を欠損しているよな、そりゃあそうか。俺も命の泉には用がある。そして、サザイがいるのがまさにそこだ。お前らと俺の目的は一致している」


 まさかユニコの目的も命の泉じゃとはのう。それならば話は早いわい。

「乗ったのじゃ。じゃがお主の事じゃ、誰にも話してないのう? つまりこの話はエルフ達には内緒の方がいいのう?」

「ははは! 気遣い助かる。話されても困らないが話さない方が助かるよ」

 ワシとジーナは頷いて心に念を込めるのじゃ。

(わかりました。私とゲールもまだエルディスさんには伝えてません。なんと言えば良いかだけユニコさんに聞いてください)

「ユニコよ、ワシの巫女がエルフたちにはなんと伝えたらいいか教えて欲しいと言ってるのじゃ」

「交渉は成立したとだけ伝えら良いさ。あとは任せた。ではな!」

 走り去るユニコを見送り、ワシらは纏ったまま鳥とカジキ鮫に乗るのじゃ。

 トーチに戻り、ワシらは神力切れを起こしたのじゃ。ルナとゲールに背負われて、ワシとジーナはテンカとアオの鳥とカジキ鮫に乗り、エルディスと助けられた神達と共に街に帰るのじゃった。

交渉成立じゃ!


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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