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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
デス大陸改めボーン大陸のその後編

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第456話「ボーン大陸のその後《三人称一元視点》」

ワシのいない間に進展している世界じゃ。



 アーシェが統治を始めてしばらくの時間が経った。今頃コン様はどんな冒険を続けているのだろうかと思う。外大陸について行きたかった反面、今こうやって故郷のために活動していることに喜びを感じていた。

 いつも争いは絶えないが、次第に怒声より笑い声の方が多くなっていくことが嬉しかった。

 不満をあげる声は最初は多かったが、皆も体制を変えたかったのだ。

 世界を変えたいという思いは誰しもが持っていて、その機会を失いたくないという思いも感じられた。

 結果として多くの人がボーン大陸の政治に関わり興味を持ち、争いながらも良い方向へ向かおうと議論ができた。

 保守的な意見も多く見られたし、改革をあげる声も沢山あった。それらを纏めることは困難を極めたが、偏りすぎることなくバランスを保つことで、誰もに利益のある場所作りに向けて、アーシェは動いた。

 他の大陸のために動くのではなく、まずボーン大陸の平和を目指した。

 自分たちが平和でないのに他のことに気を回すのは間違っているという考えからだ。

 他国の利益を優先して自国の利益を蔑ろにした結果、滅びた国もあったという、ある神様たちの助言も大きかった。

 まずは自分たちが幸せになる。それから他を幸せにする。自分たちの犠牲の上に他人の幸せがあってはいけない。

 より住みやすい大陸へと変え、他の大陸にも大きな影響を与えた。

 他の大陸でも魔王や魔族が受け入れられ始めた報告を聞いて、アーシェは喜んだ。

 後やるべきことは、ボーン大陸の食料問題だ。基本的に外から運ばれたものを食べている人間たちに、ボーン大陸の食べ物を食べて欲しいアーシェ。

 とは言ってもボーン大陸の食べ物自体が受け入れられる物にならなければ、ただの押しつけだ。

 野菜や果物などの栽培も始めようと、レーゴナ達に土を耕してもらい、神の指導の元で肥料を作ったり工夫を始める。

 この種が育つ頃には、人々の笑顔も咲き乱れるだろうと予想して顔がにやけるアーシェは、次の案件に向かった。

 水上神力リニアと魔道飛行船の運行の相談だ。どちらも課題は大きい。

 こちらに一時的に来た犬依ドッグ様と、鳥依ポッポー様に話を聞きながら、どうすれば実現可能かを考える。

 そしてギルドの設立、魔法ネットワークの活用に鳥依ブルー様も訪れている。

 建物が多くなっていく中で、ボーン大陸は自然も多くある大陸にしたいという思いから、荒野もやがて緑が溢れる予定だ。

 自然に精霊の使いの鳥たちも集まってきた。アーシェは雷の加護も持っている。

 そういう意味ではコン様の元へ行かなかった事を後悔したが、恐らく彼らもまた何とかしていくだろうから、心配するだけ余計なお世話だ。

 アーシェは今、輸入した紅茶を飲みながら、犬と猫に囲まれている自分が幸せだと感じていた。

 ノックの音がしてルーザが入ってくる。

「良い報せを二つ持ってきた」

 一つはギルドができて、冒険者たちが賑わっているという事。

 もう一つは、風の精霊シルフ様の加護で、魔道飛行船のテスト運行が始まるということ。

「どちらも試験的だが、上手く行けば大きく変わる。最後に一つ、ドッグ様から提案だ」

 それは今後二十年程度掛けてでも、水上神力リニアの運行が可能なように工事を進めたいという提案だった。

 実際海に橋を建てようとしたら莫大な時間がかかるのは目に見えている。それでも、もし実現したら大きな進歩になる。

 ドラゴンが運べる荷物ですら限度がある。海を隔てているため、大きな荷物は船でしか運べない。

 海の魔王が護衛に当たっているとはいえ、量が限られてる上に時間がかかりすぎる。

 手段は多い方がいい。色んな可能性に目を向けるべきだ。

 アーシェはブルー様の開発した音声発信魔道具で、各地のギルドに音声を届けて、技術発展のための協力を仰ぐ。

 魔道具の用途は多岐に渡る。様々な魔道具が人々の役に立っている。

 それを知ったからこそルーザはウードに魔道具を作るための鉱石を採らせに行っていたのだから。

 今後は沢山の技術がなだれ込んでくる。ボーン大陸で生まれる技術もあるだろう。

 死んでいた大陸、デス大陸が真の意味でボーン大陸へと生まれ変わる時、内大陸が発展する大きな一歩になるだろうと誰もが思う。


「コン様……もし、いつかここへ帰られた時、胸を張って迎えられるようにしておきますからね」

 窓の外に向かって祈るように呟くアーシェの肩をルーザが叩く。

「いつでも帰ってきていいように、早く進歩させていかないとな」

 アーシェは頷き、会議に臨む。ボーン大陸の未来は明るい。導いてくれた神様たちに報いるためにも、新たな出発を続けていきたいと願うアーシェ。


 一方で、内大陸ではボーン大陸に負けないようにと対抗心を燃やして、神達が動いていた。

 主導する人間が少ない中、各地の神様たちはどうしたら悪夢を繰り返さないでいられるかを悩んでいるのだった。

次は内大陸の話じゃ。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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