第414話「魔王たちとの和解」
魔王や魔族との和解じゃ。
魔王と魔族の長とルナとゲールが作戦会議をしている間、ワシとジーナと皆は魔王や魔族とお喋りするのじゃ。
小さな子供や赤ちゃんもいて、いよいよ背負っているものの大きさを知るのじゃった。
ザアメは魔族の中で人気者なのじゃ。逃げ出してきたのが嘘みたいじゃ。
あの魔王たちとの戦いがそうさせたのかもしれんのじゃ。
「ザアメ、これからは俺たちと共に戦わないか?」
ザアメを誘ってくる鮫の魔王たちがいて、戸惑うザアメじゃ。受け入れられたことは嬉しそうなのじゃが、ワシらから離れることが寂しいようじゃ。
「コン様、いいかな?」
「それを決めるのはザアメじゃ。ワシはザアメが選んで決めた道なら喜んで応援するわい」
ザアメは頷いてワシらとハグするのじゃ。ハフは寂しそうにザアメと握手するのじゃ。
「私、きっとスイートマジィタゲットして繋ぐからね」
ザアメがそう言うと笑顔になるハフじゃ。暫くしてレーゴナの父と母も来るのじゃ。
「レーゴナの世話をして頂きありがとうございます」
頭を下げる二人に、手を振るテンカとアオじゃ。
「本当によくできた娘様で、私たちの方が助けられてるくらいです」
「可愛らしくてこちらまで笑顔になってしまうんですよ」
らしくもなく丁寧語で話す二人に笑うのじゃ。他の魔王や魔族とも話すのじゃが、一番人気はハフじゃった。
「これがスイートマジィタ……面白そうだ」
「何とか作り方を教えてもらわないとな」
魔王や魔族も新しいものに敏感なようじゃ。交互に借りて遊んだりしているようじゃった。
「コン様も遊ぼう!」
結局ワシも巻き込まれてゴッドファイトを遊ばされるのじゃ。
子供たちはすぐに吸収してワシをボコボコにするのじゃ。
「コン様弱いー!」
「クソゲーじゃあああああああ!」
魔王と魔族の料理も運ばれてくるのじゃ。ワシとジーナは食べられないのじゃが、皆はよく食べて眠るのじゃ。
「最近ほとんどぐっすり眠れてないようじゃったし助かったのじゃ」
最後の戦いを前に休めていなければ困るのじゃ。緊張感も少し和らいだ気がするわい。
そうこうしているうちに、作戦会議が終わり食事に参加するルナたちじゃ。ワシとジーナも食べさせて貰うのじゃ。チューはテンカに聞くのじゃ。
「敵がどこにいるか調べはつきましたか?」
「いや、わからないな。チューはわかっているんじゃない?」
「それがわからないんです。どれだけ調べても出てこなくて。逃げてデス大陸の外に行ったんでしょうか?」
チューの調べではデス大陸の外周では未だに邪神と、神達が戦っているそうじゃ。じゃが肝心のダイダラ達が見つからないそうなのじゃ。
「モグラかのう?」
ワシが呟くと、皆ハッとするのじゃ。前に降参させたモグラの邪神は逆らわないじゃろうが、他にもモグラの邪神はいるはずじゃ。
「そヤツらが合わせて潜っているなら見つからないのじゃ」
「厄介ですね……」
敵の邪神は残り少ないそうなのじゃ。一度は素直に追い出されたとはいえ、完全に魔王たちがこちら側になったと知れば、襲ってくるじゃろう。
「誰彼構わず襲ってくるかもしれんのじゃ。皆、気を引き締めようなのじゃ」
「コン様とジーナは少し休んでいてください。力を使ってしまいましたから、全快にしていた方がいいです」
「そうじゃな、おいでジーナ」
スライムのベッドで二人寝るワシらじゃ。
目を瞑って暫く寝たと思った時じゃった。不意に音が鳴った気がして起き上がったのじゃ。
ジーナを起こさないようにしてルナの方を見るのじゃ。ルナも眠ってしまっていたようじゃ。疲れていたんじゃな。
「起きたんですか? コン様」
「ゲールは偉いのう。ルナと違って……うごあっ!」
「私も起きてますよ? コン様?」
股間蹴り上げられたのじゃ。さすがにやり過ぎじゃろ。
「どうしたんですか? コン様?」
「音が聞こえた気がしたんじゃ。不快な音がのう」
ワシは辺りを見渡すのじゃ。何も変化はないように見えるのじゃが、やはり何か音が聞こえてくるのじゃ。
「これは……下じゃな!」
ワシはいつかの時に地面にすり抜けて落ちていったように地面をすり抜けるのじゃ。
「なっ!? 見つかっただと!?」
モグラの邪神に掴まって地中にいる邪神たちじゃ。
「ここではワシは戦えんのう。どれ、地面の上に引っ張りだそうかのう?」
モグラの邪神の手を掴み、地中から地面へと飛び出すワシじゃ。
「敵襲じゃ! 皆、起きろよのう!」
皆慌てて起き上がるのじゃ。邪神たちは芋が引っ張られたように次々にあがってくるのじゃった。
「危なかったですね。もう少しで奇襲されるところでした」
邪神から離れたワシにルナが寄ってきて言うのじゃ。
「これはライア様で一気に斬った方がいいかのう?」
ワシがそう言った時じゃった。
『俺は最終戦まで温存したほうがいいだろう』
ライア様はそう語るのじゃ。確かにダイダラ戦で負けてしまっては元も子もないからのう。
「じゃが魔王たちには荷が重いぞい。ワシとジーナが戦う他ないじゃろう」
「コン様、二人の回復手段はゲールと考えてます。存分に暴れてください」
何か策があるようじゃ、ならばワシとジーナの出番じゃな。
「ジーナ、行くぞい!」
「よーし、任せて!」
ワシらは邪神たちと戦うのじゃった。
邪神たちはもう残り少ないのじゃ。
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