第397話「小休止」
休憩すら許されないのかのう?
ワシらは一旦休むことにしたのじゃ。かなり力を使ってしまったのじゃ。
特にマサムネ様とアラシ様はかなり消耗しておるのじゃ。無理もないわい、相手は同格だったんじゃからのう。
ワシは二人に下がるように言ったのじゃが、そこは二人もそれなりの強さを持ってやってきたのじゃから、まだ付いてくると言い張るのじゃ。
「皆を守るのも大変じゃから、今日の食事は質素にいくのじゃ。伝えていっておくれよのう」
ルナとゲールが協力して皆に伝えていくのじゃ。皆も理解してくれているようで、ほとんどの人は静かに食事を摂ってくれるのじゃ。
じゃが、大っぴらに広げたい人も中にはおるのじゃ。ワシが強大じゃからこそ、従った人も中にはおるのじゃからのう。
そういう人たちが文句を言うのじゃ。
「俺たちは弱い神に付いてきたわけではない!」
そうやって言い張る人達はちょっと極端じゃ。ワシらは負けたわけではなく、休憩も必要なだけなんじゃからのう。
じゃが頭の固まった人たちにはわからんのじゃ。自分たちの主張だけが正しいと考えてしまっておるようじゃ。
ワシはジーナと共に白主で説得しようとしたのじゃ。
「コン様ちょっと待って。折角だからリングを使おうよ」
テンカが提案してくるのじゃ。まさかワシに粛清しろと言うつもりかのう?
「そうですね、懲らしめましょうか」
「ちょっと待つのじゃ。言うておるのは魔王たちじゃ。流石にそれはまずいのじゃ」
「だからですよ。ハフ?」
ビクリとするハフじゃ。どうやらスイートマジィタをしていたようじゃ。
「あなたがずっとゲームをしていたのは知ってます! あなたも協力しなさい!」
どうやらハフはずっと遊んでいたようじゃ
。それは流石にどうなんじゃろう? ワシが顔をしかめていると、言い訳始めるハフじゃ。
「だってどうせコン様勝つと思ってたし……」
ふむ、ルナの言いたい事はわかってきたのじゃ。
「元魔王の下位の神と、魔王たちの対戦をしましょう」
それには魔王たちは笑い転げるのじゃ。
「魔王同士なら、ドラゴンの魔王様にも仕えていた事のある俺たちが負けるはずがない! いくら下位の神とはいえ、負ける気はしないぞ?」
なめられたものじゃが、ワシは流石に苦言を呈するのじゃ。
「下位の神の皆は、ワシの神力が通じておるじゃろ。白主を使うなら確実に下位の神の方が有利じゃろう」
それを聞いて途端に魔王たちは青ざめるのじゃ。ワシの力の一部があるなら、こちらに有利すぎるわい。
「では白主の使用は禁止で。ただし武器の使用は認めさせてもらいますよ」
ルナの提案に悩む魔王たちじゃが、渋々了承するのじゃ。
「一対一形式では魔物の相性が出てしまうでしょうから、二対二形式でどうでしょうか?」
ゲールも話し合いに参加するのじゃ。
「タッチで交代ではなく、総当たり戦方式で勝者の多い方の勝ちにしませんか?
もし僕ら側が敗北数が多ければ、文句のある人達は僕たちの指揮権を得ればいいでしょう。コン様にはこうして欲しいなど好きに言える権利です」
負けたらかなり苦しそうじゃが大丈夫じゃろうか。
「しょうがないなぁ、私がリーダーとして戦ってあげるよ」
ハフが立ち上がるのをゲンコツでしばくルナじゃ。
「じゃあ、わちとアーシェ様が大将でしゅね」
レーゴナがゴーレムに乗った時じゃった。
「レーゴナ様とアーシェ様は反則だろう?」
魔王側の人達がしきりに言うのじゃ。
「わ、わちもコン様サイドでしゅよ?」
「レーゴナ様、ここは私たちは大人しく従いましょう」
ワシは悩みながら選出するのじゃ。アカミとテンカ、ハフとチュー、ザアメとアオの三チームを選ぶのじゃ。
「妥当なところですね」
「ちょっと待つでしゅ、チューで大丈夫でしゅか?」
レーゴナが心配そうに言うのじゃ。
「流石にこちらが不利になってきておるのじゃ。チャチャとコーネを味方に加えさせておくれ」
それぞれのチームに常にチャチャとコーネを加えさせて戦うことを提案するのじゃ。
「そんな程度なら構わないぜ。五勝以上したら勝ちでいいな?」
「皆、それでいい?」
ルナが確認するのじゃ。皆は頷くのじゃ。
「勝敗条件は参ったと言うか、審判が勝敗は決まったと判断したらです。公正にするために、私たちからは私が。あなた達からはあなた達の信頼のおける審判を選んでください」
「わかった。俺たちからはこちらのシン爺さんを選ぶよ。不正が嫌いで有名だからな」
シン爺さんは立ち上がりこちらに来て、ワシと握手するのじゃ。
「若いもんがすみません。ですが大人しくさせるには丁度良いでしょう。しっかりそちら側も見張るのでよろしく」
ワシは年寄りの苦労を垣間見ながら、相手チームの選出を見守るのじゃ。
そうして相手も三チーム揃ったところで、まずはアカミとテンカが手を振りながらリングに上がったのじゃ。
二人もこの旅で強くなったのじゃ。ワシは安心して見守れそうじゃと思ったのじゃ。
こうして広いリングを使った魔王対決が始まろうとしているのじゃった。
魔王対決が始まるのじゃ!
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