第394話「アラシ様VS蛇の邪神」
アラシ様の活躍からじゃ!
アラシ様は二丁拳銃を構えたのじゃ。蛇の邪神はもう必殺技がバレているのでアラシ様に接近して攻撃しようとして来るのじゃ。
アラシ様は的確に距離を取って銃を撃ち続けるのじゃ。対策に目を瞑っているはずなのに、移動も射撃もスムーズじゃ。
「くそ! なんで目を瞑っているのにこんな正確に射撃できるんだ!」
蛇の邪神は焦って逃げようとするのじゃが、アラシ様は回り込んでこちら側へと追い込むのじゃ。
射撃が当たらないようにと躱す蛇の邪神は、必死に大鎌で防ぐのじゃが、埒が明かないようじゃ。
「どうした? マサムネにさっきした問答をお前にしてやろう。降参してもいいんだぞ? でなければここで死ぬか?」
アラシ様の射撃は正確に蛇の邪神を捉えるのじゃ。蛇の邪神は大鎌を振り回しながら走り出したのじゃ。
「ええい! これで死んでしまうならヤケになってやる! どけどけぇ!」
流石に一気に詰められると弱いアラシ様じゃ。一点集中して撃つものの、上手く当てられず逃げられてしまうのじゃ。
とはいえ、蛇の邪神も無傷ではすまないのじゃ。
「ぜぇぜぇ、ちくしょう。ハメたつもりがハメられた。交代してくれ」
一旦チェンジするようじゃ。大分追い込めたのではないかのう?
「元よりあの犬は俺が追い詰める役だったんだ。任せておけ」
今度は狼の邪神じゃ。彼は少しずつ近づいてきて様子を伺うのじゃ。
「もう目を使えるな。だがマズイな」
アラシ様は冷や汗をかいているようじゃ。それだけ相手が悪いということじゃ。
「俺はリーダーだ。これがどういう事かわかるか? 俺はあいつらの中で一番強い。お前が強いからこそ俺が当てられる予定だったんだからな」
狼の邪神は沢山の黒主を実体化させ、アラシ様を襲うのじゃ。
「くそ! ドッグラン!」
アラシ様は駆け回り狼の黒主を潰していくのじゃが、苦戦を強いられるのじゃ。
更に狼の邪神も必殺技を使い追い詰めてくるのじゃ。
「ククク、ギガントパレード! 巨大な狼の群れに潰れろ」
アラシ様を本気で殺しに来ておるのじゃ。パワー負けしているアラシ様ではやられてしまうのじゃ。
「すまん! 俺はここまでだ! ジーナちゃんに任せる!」
アラシ様は尻尾を巻いて逃げるのじゃ。それを逃がすまいと追い込もうとする狼の邪神じゃったが、逃げ足も速いアラシ様じゃった。
すかさず手を出したジーナとタッチで交代するのじゃ。
「よーし、頑張ろう」
ジーナが出た瞬間、周囲の歓声が上がったのじゃ。皆の期待に応えれるかじゃな。
「ジーナなら大丈夫です」
いつの間にかルナが後ろにいて見守っていたのじゃ。ワシはジーナに声を届けるのじゃ。
「ジーナなら大丈夫じゃ! 思う存分戦うのじゃ!」
「うん!」
ジーナは手を挙げてワシらに応えるのじゃ。
「負ける用意はいいの?」
「ふぅ……十段階相手にどこまでできるか、やらせてもらおうか」
先程のアラシ様との対戦のように実体化した狼の黒主を巨大化させ群れで囲う邪神じゃ。
それに対してジーナは白主を展開するのじゃ。
「まさかそれだけで対抗するのか?」
狼の邪神は怪訝に思うのじゃが、ジーナは笑顔で言うのじゃ。
「実体化してるって事は本物と一緒なんでしょ?」
ジーナが白主を当てていくと狼の黒主たちは頭を柔らかくされて大人しくなってしまうのじゃ。
「こ、こんな事が……」
「参ったしないなら、狐依パンチ当てに行くよ?」
ジリジリ詰め寄るジーナじゃ。狼の邪神はこれ以上は無理じゃと思ったんじゃろう。
アラシ様を追い詰めるために大きくこちら側へ来ていたのを逃げていき、狸の邪神とタッチするのじゃ。
その際、ワザと追いかけられるように逃げた狼の邪神じゃ。何か策でもあるのじゃろうか?
まさかとは思うのじゃが、狸の邪神にはジーナを倒す秘策があるのじゃろうか?
「あまり深追いするでないぞい、ジーナ!」
「大丈夫だよ、負けない!」
ジーナもマサムネ様と同じように頭に血が上ってしまっているようじゃ。
楽しんでいるのはいい事なのじゃが、これがただの勝負ではない事を忘れてはいけないのじゃ。
ワシらが目指すのは全勝じゃ。たとえ傷を負っても負けてはならんのじゃ。
「油断をするでないわい! ジーナ! どんな事が起きるのかはわからんのじゃぞ!」
「大丈夫だよ、コン様。私は油断はしてないよ」
言葉とは裏腹に前に行き過ぎのジーナじゃ。狸の邪神は表情が見えないようにしているのじゃが、ワシにはわかったのじゃ。
奴は笑っておるのじゃ。
「ジーナ! 気をつけるのじゃ!」
ワシが叫ぶのにジーナは大丈夫としか答えないのじゃ。余裕綽々としているのじゃが、やはりあの狸の邪神には自信があるように見えるのじゃ。
「ゲール!」
「駄目ですね。完全に場の雰囲気に酔ってます。相手を沈めてやろうとしか考えてません」
ああ、全くもうじゃ! ジーナよ、お主そんなキャラではなかったじゃろう?
これでは完全に相手の思う壷じゃ。相手は狸じゃ、恐らく……搦手でくるじゃろう。
「狐の癖に素直な子だなぁ。化かしやすくて助かるよ」
「強がり言っても、手加減しないよ?」
ジーナの理解力のなさに爆笑した狸の邪神はいよいよ手の内を晒そうとするのじゃった。
ジーナは分かっておらんのじゃ。今の状態こそが油断している状態じゃとはのう。
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




