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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
デス大陸攻略編、邪神と魔王

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第391話「ウードの活躍」

ウードは上手くやったのじゃ。



 飽きもせずワシらは歩いているのじゃ。もう荒野に入っているというのに、敵は魔物ばかりに逆戻りじゃ。

 それが何故なのかはすぐに分かったのじゃ。小さな青いドラゴンに乗った人々がこちらに目掛けてやって来るのじゃ。

「この辺にいるんじゃないかと思ったよ。お待たせ」


 ウードはどうやら上手くやったようじゃ。その笑顔を見るとワシは頭を撫でてやるのじゃ。

「他の場所の場所にも送ったのかのう?」

「うん。連絡はする必要ないと思うよ。僕がドラゴンで伝えられるからね」

 チューを見ると、そちらにも情報が入ったようで笑顔で強く頷くのじゃ。

「これで僕の役割は一旦終わりだね」

「一旦とはどういう事じゃ?」


 ワシは疑問に思ったのじゃ。ウードはよくやってくれたからこれだけで十分じゃと。じゃが、ウードは苦笑いするのじゃ。

「コン様が負けたら、僕は皆を逃がさなきゃいけないから」

「コン様は負けないよ!」

 ジーナ強く反論するのに、ワシは落ち着かせてウードに言うのじゃ。

「その時は任せるのじゃ」

「コン様!」


 ジーナは涙目で訴えてくるのじゃが、ウードの気持ちはとてもわかるし、嬉しいのじゃ。

「ウードのおかげでワシは後の事を気にすることなく戦える、そういう事じゃろ?」

 にっこり笑うウードに、ワシは内心思うのじゃ。そういう問題は、これでは解決しないのじゃが、今は納得しておこうとのう。

 ルナを見ると目を瞑ってただ祈っておるのじゃ。


 多くの人を連れての旅が続くのじゃ。横から殴りに来るような輩はいくらでも駆けつけて倒すつもりでいるので、すぐにエスオーエスを伝えるように言うてあるのじゃ。

「どのくらいウードについてきたのじゃ?」

「七割くらいだよ。逃げる時に殺されてしまった人達が沢山いて大成功とはいかなかったんだ。ちなみにそれ以外は敵側だね」


 ここまでやっても敵として居座る魔王たちがいるとはのう。まぁ殆どはドラゴンの魔王なんじゃろうが、それでも他の魔王たちも残るものはいたそうじゃ。

 それだけルーザの信頼が厚いか、あちら側の戦力の内の、ワシらに見えてない部分が深すぎるかじゃな。


 おまけに犠牲になってしまった魔王たちもいるようじゃ。ちょっと焦りすぎたかもしれんのう。

 ワシがちょっと落ち込んでいるのを汲み取ったようで、ウードは慌てて言うのじゃ。

「どの道逃げる気はしてた皆だから、死んだのはほぼ逃がすために戦った人たちなんだ。特に子供たちは救えているから、コン様が落ち込むことなんてないんだよ」

 ワシは励ましてくれたウードの頭を再度撫で、礼を言うのじゃ。


「それだけでも救われるのじゃ。後ろを振り返ってばかりいても仕方ないのじゃ。前を、未来を見ようなのじゃ」

「それでこそ、コン様です。そろそろ八段階目を超える敵が現れてもおかしくありません。もう魔王は殆ど敵として来なくても、邪神達はいるはずです。慎重に進みましょう」


 魔物はいくらいでもいるから肉には困らないし、水にも困らないからのう。

 キャンプするのも慣れてきたあたりで、ある神達と再会するのじゃ。

「コン様か」

「随分賑やかな行列ですね」

 マサムネ様とアラシ様じゃった。ワシらは勢いよくハグしたのじゃ。

「お主ら、もしかして十段階目になったのかのう?」

 すると顔を見合せた二人の神は、大笑いしたのじゃった。


「そんなわけないだろう? そんな暇をお前さんたちは与えてくれなかったんじゃないか」

「流石に時間が足りませんでしたよ」

「そうか……すまんのじゃ」

 ワシが申し訳なさそうに謝ると、バシバシと二人の神が、ワシの頭をシバきながら笑うのじゃ。

「お前が勝ったら帰ってしっかり十段階目になるから、ちゃんと守ってくれよ?」

「ある程度のサポートはできますからご安心を」


 全く、マサムネ様とアラシ様らしい励まし方じゃ。ワシらは笑いあって酒を呑むのじゃ。

「あまり呑みすぎないでくださいね」

 ルナが注意するのじゃが時すでに遅しじゃ。マサムネ様は出来上がって演説しておるのじゃ。

「やれやれ、本物だったらアレくらいでは酔わないよ」

 アラシ様は物思いに耽りながら遠くを見ているのじゃ。


「コン様は終わったら何かしたい目的とかあるんで?」

「ワシは外大陸に行こうと思っているのじゃ」

 それを聞いてアラシ様は目を細めるのじゃ。

「あそこは確かに魅力ある地だと聞いているよ。ただ、力なき者は直ぐに逃げ帰る地だともね。コン様なら行けるのかもね」

 知っているのかを問おうとすると口を手で防がれたのじゃ。


「ただの商人に聞いた、伝えられた話なだけでマサムネには伝えてないんだ。彼なら必ず行こうとするからね。流石に十段階目になる前に行きたいと言われるのは困るよ」

 国の事もあるしね、と軽くウインクして内緒にして欲しいと小声で言ってるアラシ様に頷くのじゃ。

 ワシもデス大陸の事がなければ行こうとしたかもしれんし、マサムネ様のことを笑える立場にないので、アラシ様の気持ちもわかるのじゃ。


 強くなったら一緒に、とも言える関係でもないので、ただワシは情報提供に感謝して、今自分の立っている状況を全て終わらせる事に集中しようと思ったのじゃった。

外大陸の話はちょこちょこ考えに浮かぶのじゃが、今はデス大陸の事に集中しようなのじゃ。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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