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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
デス大陸攻略編

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第380話「魔物との戦い」

サイクロプスと戦うワシじゃ。



 サイクロプスと言えば巨体に一つ目というのが定番じゃ。その名の通り、ゴーレムのような巨体に一つの目しか持っていない魔物、それがサイクロプスじゃった。

 それは目が一つしかない代わりに……耳が良い、というよりは気配に敏感な魔物じゃった。

 そして攻撃は大振りじゃが、デカい分当たればキツそうじゃ。ワシらは一体倒してみて、そうおもうのじゃった。


「サイクロプスはある意味司令官なので、他の魔物も少しずつ厄介になっていくでしょう」

 魔物も馬鹿なものばかりではないので、少しずつ学習していくそうなのじゃ。特にデス大陸中ではのう。

 サイクロプスは感覚共有という特殊能力を持っているそうじゃ。それは死んだ後にも仲間に共有することで、こちらの行動を学習して、より強くなって襲ってくるという事じゃった。


 サイクロプス自体は一体ずついる集まりなんじゃが、行動パターンがどんどんワシらの動きを学習してくるので、かなり戦い辛くなるのじゃ。

 とはいえやはり魔物じゃ、限界はあるのじゃ。ワシらが本気を出したら負けることはないのじゃ。


「サイクロプスの魔王はいないのかのう?」

「当然います。とはいえ、前線には百パーセント出てこないと思いますので、今は考えなくていいです」

 キメラも、ハイエナライオンも魔王はいるそうなのじゃ。ただ、今のところ他の大陸にはいない魔王だそうなので、デス大陸にしかいない魔物なのだそうじゃ。


「魔王も含め、魔物は色んな進化を遂げて生まれてきます。時代に沿って違うということです」

『俺の時代はドラゴンの炎を使いこなす魔族の魔王なんていなかった。そういうことだ』

 ライア様はアーシェの事を言っておるようじゃ。時代が進むにつれて進化してきておるのじゃな。


「全部まとめてかかってこられたら流石にまずいのじゃが、それもないのじゃ」

「魔物達にも相性やテリトリーがあります。そういうのも魔王はわかっているんです。何故なら魔王達自身にそういう相性があるからです。

 だから結局、全部まとめて一遍にかかって来るということはなくて、そもそもできないんです」

 それはデス大陸の弱点じゃよのう。しっかりそこを突いていきたいわい。


 サイクロプス達を退けながら周りを進む中、ある魔族達に出会ったのじゃ。

「私たちを殺しますか?」

 第一声がそれじゃった。ワシは首を横に振り、生きる道を示すのじゃ。

 彼らは生きる気力を失った人たちじゃった。今まで散々こき使われてきたのに、上の者たちは中央に集まるという名目で逃げ、「お前たちも死にたくなければ来い」と言われた人達じゃ。


 生きる希望がギリギリだったのに、そんな仕打ちをされては気力を失うのも無理ないのじゃ。

「生きていいのじゃよ。もう少しだけ辛抱しておくれ」

 ワシがそう言うと涙を流す者も少なくなかったのじゃ。ワシは本当の意味で彼らの希望になりたいと思ったのじゃった。


 魔族たちを後ろに加え、ワシらはまだ巡るのじゃ。残っている者達は絶望を背負っていて、ワシの背に加わる事で希望を見出した者もいたのじゃ。

 残ってないもの達はどうやら中央のドラゴンの魔王の拠点に集まっているようだと言うのが情報じゃった。


「ここからもうドラゴンの魔王達の拠点へ行った方が早い気もするのじゃが、ワシも流石に学習してきたわい。相手の出方を見ながらしらみ潰しに行くしかないのじゃな」

「そうですね。邪神もまだ少ししか見ていないわけですし」

 対戦はまだ先とは言うものの、もうそろそろ潰して回りたいと思うワシじゃ。


 どう出てくるかがわからないとドンドン不安になるからのう。勝ちは確定しているなんて、考えたってこの世に絶対はないのじゃからワシだって怖いんじゃ。

 早く来てくれ、早く倒させてくれ、そう焦る気持ちが募るんじゃ。


 それも敵の思う壷なのかもしれんがのう。ワシはスっとそつなく倒してきたので、こう焦らされるとキツイわい。

 まだ逃げてない人達がいるのが救いじゃった。まだ救っている間は心を保てるのじゃ。

 誰かを救うことがこんなにも自分の心を救うものなのじゃとは思いもせんかったわい。


 もしかすると、前の世界の政治家なんかは、こんな思いで藁に縋りながらやっていたのかもしれんと思うのじゃった。

 兎にも角にも、地道な戦いは続くのじゃ。デカイ大陸じゃから中々回りきれないものはあるものの、回っている内に見えてくるものはあるのじゃ。


「やぁ、君が招集をかけたという神様の、狐依コンかな?」

 それは猫の神様じゃった。

「お主は誰じゃ?」

「直接は会ったことはなかったね。猫依ミィの知り合いの、猫依ジロウだよ」

 ワシらは熱いハグを交わし、情報交換をするのじゃ。ジロウ様は五段階目らしく、ミィ様を残し進んだそうじゃ。


 男神なので巫女もついておるのじゃ。たった一人と一柱というべきじゃろうか?(ワシはいつも神を一人と数えるのじゃが)そんな状況で乗り越えてきたのじゃから、かなりの強者じゃ。

「俺もミィと同じ特性で、キャットウォークを使えるミィの同志なので、それなりに上手くやってるよ。無敵時間、すり抜ける時間は当然俺の方が長いよ。

 とはいえ、コン様は十段階目か、遠いなぁ。俺はここまでかもしれないな」


 ちょっと弱気なジロウ様じゃが、ワシには心強い仲間なので少しの間だけでもと共に行ってもらうのじゃった。

仲間を見つけ、少しホッとするワシじゃった。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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