第370話「海戦」
お尻をシバかれるワシじゃ。
ワシらはどんどん海を進むのじゃが、方角はわかっておるのじゃろうか?
「大丈夫です。導きのままに」
本当に大丈夫かのう? ルナ時々失敗するから心配になってくるわい。
パシンとお尻を叩かれてヒリヒリするのじゃ。わかったわい、信じるわい!
今いるルートはかなり海の部分が長いルートのようじゃ。更に海は荒れておるからのう。
「この波も魔王の仕業でしゅ」
海の魔王達は手強いようじゃ。
「ほほほ、この程度でへっぴり腰にならないですわよね? 我が殿よ」
オカリナが到着したようじゃ。これで一気に盛り返すのじゃ。
「ジーナとワシは海の魔王を説得して回るぞい! ジーナは無理せぬようにのう」
次々に襲い来る魔物を倒しながら、魔王たちに迫るのじゃ。
「くそ! こちらの全戦力を当てろ! なんで、オカリナ様が敵なんだ!」
「ほほほ、さぁ、皆よ、こちらにきなさい」
人魚に引き摺られながら、魔王がこちらに来るのを白主を当てて、頭を柔らかくしていくのじゃ。
「ここまでか……もうこうなりゃヤケだ! おれは狐の軍団に加わるぞ!」
「やばいぞ! 狐に引き込まれる!」
海の上はパニックじゃ。じゃがまだ戦況はひっくり返らないのじゃ。
「きゃあ!」
「む! ザアメ、下がるのじゃ!」
巨大な鯨の群れじゃ。鯨の魔王が現れたようじゃな。
「全員オラの後ろに下がれ! オラが奴らを蹴散らす!」
「マズイですわ、あれは妾には無理ですわ」
オカリナは着物の袖を手に当てて笑うのじゃ。さては、ワシを試しておるのう?
オカリナは着物の帯が魔王の証となったようじゃ。脱ぐときどうするんじゃろう?
そんな事より鯨相手じゃ。それならばと、ワシとジーナは巨大な鯨に狐の黒主を変化させるんじゃが、鯨の重量には勝てないのじゃ。
「わはは! 実際の重量が重くなったわけでもあるまいし! 狐の化かし合いには付き合わないぞ?」
ならばとワシは紫主を人魚に変化させ鯨に抱きつかせるのじゃ。
「アーシェ、頼むのじゃ!」
アーシェが受け継いだ龍の雷の加護で、電撃じゃ。周りも含めてノックダウンじゃ。
じゃが、鯨の魔王は中々しぶといのじゃ。痺れを切らして突撃してくるのじゃ。
それこそがワシらの好機じゃ。
「ジーナ! 合わせるのじゃ!」
狐依ニーキックのダブル合わせ技じゃ! 一撃でひっくり返すのじゃ。
とはいえ、まだ様子見のようじゃからのう。纏めてくる事はないのじゃ。
それならば遠距離砲じゃ。ジーナと狐依ラブ砲で一体ずつ焼いていくのじゃ。
更にアーシェのリーレとリーグの魔法も炸裂じゃ、この場ならいくらでも焼けるじゃろう。
そうして最後の鯨の魔王が乗っている奴が残ってワシは言うのじゃ。
「降伏するなら今じゃぞ?」
そうして鯨の魔王も説得して攻略して、残りは何じゃろうと思っておると小さな青いドラゴンが飛んでくるのじゃ。
「ウードじゃな、久しぶりじゃのう」
「コン様久しぶり。こちらはかなり根強い邪神教の教えで苦戦してます。そちらから来てくれて有難いです。このまま進んだ先の港で会いましょう」
「わかったのじゃ。そこまで道案内はしてくれるのかのう?」
「こちらもかなり危うい状況となってますので、できるだけ早く来てくれるのなら案内します」
ワシらは急ぐのじゃ。魔王を傘下に加えながら進んでいくと、デス大陸が見えてくるのじゃ。
船を港に寄せて行くとウードが手を振っておるのじゃ。
「本当に久しぶりじゃのう? 元気にしておったかのう?」
「ええ。ですが状況はかなりまずいですよ」
ウードは大体の構図を話してくれるのじゃ。それはワシがブラックドラゴンの主アーザ、アーシェとルーザの父じゃな、彼を殺したことがかなり反感を呼んでおるようじゃ。
それを纏めているのがルーザのようじゃ。後悔するなよと言う言葉は本物だったようじゃな。
その全力を受け止めようなのじゃ。ワシは海の魔王にこの場を任せて先に進むことにしたのじゃ。
外大陸と呼ばれる外側の大陸を除いて、デス大陸が一番デカイという話じゃが、それは地図を見せて貰ったら一目瞭然なのじゃ。
何故かワシはコアラのいる国を思い出したのじゃが、内緒じゃぞ。
デカデカとふんぞり返るように存在するデス大陸に、どう攻略していこうか迷っておると、ウードが進言するのじゃ。
「周りから攻めていって欲しいです。僕一人では説得しきれなかった弱者たちがいます」
なるほどのう。奥に直接行く手もあるわけじゃが、そのまま行かず、ぐるっと回るわけじゃな?
「弱者とは言いましたが、どれも反乱したら手強いもの達が待ち構えています。それらさえ攻略したら、後は大きな里が四面楚歌だと思います」
ウードも中々策士になってきたのう。ワシとルナとジーナとゲールは頷き合い、皆と確認してルートを決めたのじゃった。
まずはスライムとゴブリンの里じゃ。これは簡単じゃろうと踏んでしまえば痛い目に合う、ワシらはわかっておるからのう。
スライムとシーフを従えるワシらはその脅威も知っておるのじゃ。こんなところで躓かないように気をつけようと言い合ったのじゃった。
いよいよデス大陸攻略に向かうぞい!
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




