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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
ツキノワ大陸編

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第353話「ジーナのおつかい」

ジーナのおつかいじゃ。



 ジーナの依頼を見守るワシらじゃ。ジーナはあたふたしておって見ておれんのじゃ。神ならもっと堂々振る舞えよのう?

 ワシがそう思っておるのがルナに伝わって、ジーナに伝わってしまうのじゃ。

 ルナから指摘があり、ジーナはますます緊張してしまうのじゃ。

 まるでワシが試験官になったようじゃな。


 どうにもできない感情はともかくとして、ただひたすらひたむきに、向き合って欲しいのじゃ。人によって向き不向きとかはあるからのう。それでも負けない努力を大切にじゃ。

 いつだって好きな物をできるわけではないからのう?

 可能性の扉を開くのは大事じゃが、保守的な面も勿論大切じゃ。


 いつだって新しい扉と、今までの過去が大切なのじゃ。それを大切にせねばいけないのじゃ。新しい扉を開くためには沢山の力が必要なのじゃ。

 それは過去の自分には分からない事なのじゃ。未来を切り開くのは自分なのじゃ!

 それがこれまでの旅でもわかってきたのじゃ。未来は確定していることではないのじゃ。

 沢山の道があって、そこから派生した道が自分の道なのじゃ。


 ワシの道を進んでいるのじゃが、間違いもあるのじゃ、じゃが気付きもあるのじゃ。

 必ずしも同じ道を辿って正解ではないのじゃ、移ろう時代に合わせてなのじゃ。

 その道の正解を見つけるのじゃ、この世に絶対はないのじゃ。ワシがそれを皆に言うと頷いておったのじゃ。

 正義は確かにあるのじゃ、じゃがそれも絶対ではないのじゃ。

 それがわかっただけでも幸せになれるのじゃ。今から変えられるのじゃ。


 ワシの思想なんて薄っぺらな物じゃ、じゃが確かにワシの道なのじゃ。ワシが通った道なのじゃ。アーシェは特に頷いておったのじゃ。

 ハフはスイートマジィタをしながら聞いておるのじゃ。それに対してルナは怒るのじゃが、ワシは諌めるのじゃ。

 ハフもまた若いのじゃ、今はゲームに夢中になる時もあるじゃろう。大人ですらハマる(ワシも地味にハマっておる)そんなゲームじゃ。仕方ないのじゃ。


 問題はそのあり方じゃ。どういう思想を持っているかなんじゃ。排他的な思想や攻撃的な思想を持っていたら、他人から遠ざかるのじゃ。誰かと結びつくようなあり方であれば自然と繋がっていくのじゃ。

 ハフはまだまだ若いからのう。これから社交的になればいいじゃろう。


 どんなに言ってもやらない人はやらないのじゃ。やる人はやるのじゃ。牛歩の如くでも前に進むものが勝つのじゃ。

 それさえわかっておればいいのじゃ。ハフに聞こえるように言うワシの言葉はきっと届いておるじゃろう。


「あー、また負けちゃった」

 ゴッドファイトをしておるハフが悩むのじゃ。やはりキャラ性能に難があるのじゃろうか。

「次は負けないぞー」

 ハフの心意気は大切なものじゃ。負けても挫けてはならんのじゃ。

 それは環境のせいかもしれんがのう。自分自身を変えることで、前に進めるのじゃ。

 どごまでいっても自分との戦いなのじゃ。


「ゴッドシューティングしようっと」

 どうやらゲームを切り替えたようじゃ。舌を出しゲームする姿は様になっておるのじゃ。

 そんな中、アオが悩んでおるのじゃ。蛇の使い道じゃ。せっかく受け継いだのに、使い道がないんじゃ。


「コブラの使い道、もうすぐ見つかるかも」

 北から南へ向かう途中、ジーナはそんな事を言うのじゃ。しばらくすると野盗に襲われるのじゃ。

 ジーナは余裕で倒すのじゃが、縛るのにアオのコブラを利用するのじゃ。

「暴れたら噛みつくよ」

 アオが脅すとビビる野盗じゃ。


 満足気なアオを見て思うのじゃが、もっと魔王も活躍する場が欲しいのじゃ。

 じゃがこういった場面でしか難しいじゃろう。魔王の存在意義をかけた戦いが今始まったのじゃ。

 アーシェはリューンから受け継いだ龍を使いこなしながら言うのじゃ。


「私には雷の加護がないから難しいかもしれません」

 ワシはライ子の方を見るのじゃ。ライ子は困ったような顔をして言うのじゃ。

「仕方ないわね」

 雷の加護を付与してくれるライ子に礼を言いながら、どんどん強くなるワシらにもう敵はいないじゃろうと思うのじゃ。

 勿論、ダイダラ達は前に塞がるじゃろうがのう?


 それでも今のワシらに敵う者は中々おらんじゃろう。これ自体は驕りじゃろうがのう。

 どれだけ強くなっても真摯にいないといけないのは辛いのう。闇が大きくなってしまうわい。

 そんな時に頑張るジーナを見ていて勇気を貰うのじゃ。無事依頼をこなしたジーナと共に、次のワノヒ国へ着くのじゃ。


 依頼達成にダブルピースで笑うジーナの頭を撫でてやり、ゲールの手続きで無事全て終えるのじゃ。

「ついでに船の手配もしておきました。明日の朝の便で次の大陸に行きましょう」

 どんどん進んで行くワシらじゃったが、そうも順調にはいかんのじゃ。


 宿に着くと、困ったさんがおったのじゃ。大量の荷物を部屋に運ばせる客じゃ。

 ワシらが手伝いを申し出て、部屋にスライムで運んであげると、そのスライムの買取を客に言われるのじゃ。

「元魔王でしか無理ですよ」

「ではその元魔王さんをメイドとして雇おう」

 こんな調子じゃ。ワシは頭をこねてやりながら、説得するのじゃった。

困ったさんはどこにでもおるよのう?


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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