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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
ワイロード大陸編

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第327話「ルナの体」

ルナの異変じゃ。



 夜、皆が寝静まった頃、ワシはルナの体を診たのじゃ。主に背中をじゃ。

 熱を発しているように熱いのじゃ。ルナは一体どうしたというのじゃ?

 ワシが不安に思っておると、ジーナがこっそり話しかけてくるのじゃ。


「ルナ、ちょっと前から熱あったんだよ」

 なんじゃと? ワシは全く気づかなかったのじゃ。何故ルナは言ってくれなかったのじゃ?

「ルナは、コン様に心配かけたくなかったんじゃないかな?」

「それは駄目じゃろう。ワシに心配かけたくないせいで倒れては元も子もないのじゃ」


 ワシは眠っているルナを起こさないように、頭を撫でるのじゃ。何故こんなことになったのかさえ分かればのう。

「多分だけど、五段階目になってからだよ」

 ジーナが言うのじゃ。力の負担が大きすぎたんじゃろうか。


「ルナ、起きてるんでしょう? ちゃんと話しなよ」

 ジーナがそう言うので、ワシが首筋にキスをするとルナは悲鳴をあげるのじゃ。

「コン様、セクハラですよ?」

「起きておったなら何とか言えよのう」


 ルナはワシに背を向けた後、語るのじゃ。

「コン様には言いたくありません」

「何故じゃ? ジーナには話したのじゃな?」

「心当たりありませんか?」

 ワシが何かをしたのじゃろうか? ルナは徐ろに服を脱ぐのじゃ。その背中には狐の印の痕が写されているのじゃが、一部黒くなっていたのじゃ。


「そういう事かのう。ならば早く言うてくれたらよかったのじゃ」

「どうにもできないことでしょう?」

「そうじゃな、ワシの選択を共に受け継いでくれたせいで力が大きくなる度に闇に囚われるのじゃな」

「そして、五段階目で確実にコン様と結びつきました」


 ワシが死ぬ以外にもうルナはこの闇から逃れられないのじゃ。ワシは涙を流して喜んだのじゃ!

「ルナ、ありがとうなのじゃ!」

「コン様……?」

 訝しげに見てくるルナにワシは語るのじゃ。

「ワシだって闇に負けそうになる事くらい、いくらでもあるわい。じゃが共に悩んでくれるんじゃろう?」


 それを聞いたジーナが改めてワシに怒るのじゃ。

「三段階目のあの時、光を選んでいればこんな事にはならなかったんだよ!」

「そうじゃな。じゃが光は簡単に闇に堕ちるのじゃ」

 ワシは説明するのじゃ。光が強ければ強いほど闇に堕ちる理由をのう。


「ワシは一度堕ちかけた事があるのじゃ。覚えておらんかのう?」

 ルナとジーナは首を捻るのじゃ。

「ジーナはあの時死んでおったから分からんじゃろうのう」

 それはメデサ様と相対して、グーシャとジーナが殺された時じゃ。ワシはメデサ様にキレて堕ちかけたのじゃ。


「でもあの時は……」

「メデサ様が折れてくれて、下位の神としてジーナとグーシャを生き返らせる方法を教えてくれたから、持ちこたえたんじゃ」

 二人は黙るのじゃ。そしてワシは言うのじゃ。

「光は闇になるのじゃ。じゃが闇も光になるのじゃ。そうやってバランスを保つ方が、ワシにはいいのじゃ」


 じゃがルナはそれには合わないのじゃ。何故ならルナは聖なる巫女だからじゃ。

「ルナよ、改めてワシの闇を半分受け止める覚悟を決めるのじゃ」

 ルナは覚悟はできていると言うのじゃ。

「愛しておるぞい。愛しのルナよ」

 ワシとジーナがルナの背中に触れると光るのじゃ。


 そしてルナの狐の印の痕は半分白く光り、半分黒く光ったのじゃ。

「陰陽印のようになったのう」

 光あるところに影ありじゃ。ワシはルナに言うのじゃ。

「ワシはお主の最期まで、お主と共におるぞい」

「絶対ですよ?」

 ワシは小指を出すのじゃ。


「なんですか?」

「小指を出すのじゃ」

 指切りげんまんの約束を教えるのじゃ。ジーナもやりたがるので、ワシはジーナとも指切りげんまんをして三人で結ばれるのじゃ。

 ワシの左手小指にルナの左手小指が、ワシの右手小指にジーナの右手小指が、ルナの右手とジーナの左手は交差して合わせて握るのじゃ。


 それはまるで契約じゃった。ワシらの新しい契約じゃったのかもしれんのう。

 ルナの熱はもう引いておるらしいのじゃ。元気になったルナをベッドに寝かしつけて、ワシも休むのじゃ。


 次の日、全員で集まるのじゃが、ザアメとアオがおらんのじゃ。

「テンカ!」

 ワシが言うとすぐにテンカは探るのじゃ。ワシらはタイオト国のトップに詰め寄るのじゃ。

「我々ではないです! ですが侵入者があったのは事実のようです……」


 狙いはザアメかもしれんのう。アオがおるなら心配いらんじゃろうが、二人のことが気になるのじゃ。

「見つけたよ、行こう!」

 テンカの案内でワシらはアオとザアメを探しに向かうのじゃ。


 廃墟の中に入っていくと、戦闘しているような音が聞こえるのじゃ。銃撃音と衝突音が響く中、ワシらはアオとザアメを助けに向かうのじゃ。

「アオさん!」

 アナが思わず飛び出して、アオの盾になるのじゃ。巨大な蛇が盾となるのじゃ。


「私はいいの! ザアメを!」

 二人とも縛られているのじゃが、興奮しているザアメは暴れているのじゃ。

 アカミのケルベロスの牙で縄を切り解放すると、ザアメは少しだけ落ち着いたのじゃった。

ザアメとアオは狙われたのじゃ。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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