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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
スイートマジィタ、魔術編

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第293話「褒美」

少年の為に動くのじゃ!



 スイートマジィタをした翌日、ハフが拗ねておるのじゃ。確かにワシがプレイしただけで済ませてしまったからのう。

 実際には大人でも楽しめる物じゃろうし、ハフは子供じゃから余計やりたかったじゃろう。悪いことしてしまったのじゃ。

 そう思って宿から出ると、昨日の子供が立っておったのじゃ。泣き腫らした目でのう。


 どうやらゲームのやりすぎで怒られ取り上げられたらしいのじゃ。昨日帰ってからとにかく、ゴッド様に挑み続けて研究したそうじゃ。

 それで眠れなくなり徹夜して怒られたそうじゃ。今も泣きながら眠そうじゃ。

 一緒に謝って欲しいという、少年にワシは頷きルナに伝えさせるのじゃ。


 少年の家に行くとかなりでかい屋敷じゃ。国の偉いさんがお父さんとお母さんらしく、スイートマジィタは家に二台あるそうじゃ。それだけでテンカがひっくり返っておったわい。

 高級な家に少年の父と母が休みの日なのかお茶して談笑しておるのじゃ。

 少年が父と母にルナを紹介し、ワシが顕現した事で両親はひっくり返ったのじゃ。


 ワシのせいで少年がやりたくなって寝不足になった事を詫びたら、首を横に振り逆に謝られたのじゃ。当然少年が我儘を言ったのじゃとのう。

 何故スイートマジィタが二台あるのかを聞いたら、体の弱い弟君がいて、その子用だそうじゃ。

「息子二人は、神様に勝つと意気込んでしまったのです。ですが勝てる訳ありません。

 それに夜は眠るものです。それはたとえ神様でも反省させないといけませんよね?」


 その通りじゃ。ワシは弟君も眠らなかったのか聞いたのじゃ。すると違うといい、不貞腐れておった少年がこう言うのじゃ。

「弟は眠ってたよ。でも何とか弟に攻略法を教えて、勝たせてやりたかったんだ。病気で外に出れないから」

 ワシは弟君に会わせて貰えないか頼んだのじゃ。


 寝室に入るともう一人の少年がこちらを見たのじゃ。元気そうに手は振るものの、明らかに病に犯されているのがわかるのじゃ。

 髪もない、もしかすると長くないかもしれない、そんな雰囲気じゃ。上半身はまだちゃんと動くらしく、ゲームだけが楽しみなのだそうじゃ。


 ワシはジーナを見るのじゃ。ジーナも頷くのじゃ。ジーナが水の加護で治そうと試みてみるのじゃ。じゃが病気自体は治せなかったのじゃ。

「お父さん……お母さん……」

 少年弟君が言葉を発するのじゃ。弱々しく、やはり、一段階目では難しのかもしれんのう。


「今の私では直すのは無理かも」

「そうじゃな」

 ワシらが落ち込んでおった時じゃった。父親と母親がワシらに涙を流しながら礼を言ってくるのじゃ。

「な、なんじゃ? 治せてはおらんぞい?」

「違うんです……声が出ないところまできていたんです……」

「まさかまた声を聞けるなんて……」


 そういうことかのう! ちょっとだけ治せておったのじゃな。ジーナは笑顔になるのじゃ。ワシはジーナとハイタッチしたのじゃ。

「なにかお礼をしたいです」

 父親がワシらにそんなことを言うのじゃ。ワシは子供の笑顔が見れただけでも満足じゃと言うと父親は困るのじゃ。

「ねぇ、お父さん。コン様達にスイートマジィタを買ってあげてよ」


 兄の少年がそう言うのじゃ。いや、いくら何でもそれは高価すぎるのではないかと思っておると、父親はすぐに購入に走っていったのじゃった。

 購入してくれたのは二つのスイートマジィタとシューティングゲームソフト二つと格ゲーソフト二つじゃった。

「いくら何でもワシらが貰いすぎじゃよ! お主ら生活大丈夫なのかのう?」


「この子の治療費の半分以下の値段です。大きな病気を治すのもお金がかかるんです」

 そんなことを言われてはワシも黙ってしまうのじゃ。

 弟君の病気の進行を遅らせて、少しでも治しただけでもかなりの功績のようじゃな。


「ありがとうございました。是非息子とも遊んであげてください」

「コン様、今度対戦しようね!」

 ワシらは笑顔で別れて行ったのじゃった。魔法ネットワークで繋ぐと少年二人の名前がフレンド登録されておるのじゃ。


 ハフとアカミが早速遊んでおったわい。アーシェとリューンもやりたそうで、交代でスライムの上で遊んでおるのじゃ。

 まさか異世界でネットゲームを体験するとはのう。やはりこの世界に来た、神となった者が流行らせるのじゃろう。魔法ネットワークを上手く活用したこのゲームの仕様に、ワシは感心したのじゃった。


 そして同時にゲームとは、どんな世界でも沼に落としてしまうものなのじゃと改めて痛感させられたのじゃった……翌日、宿でアカミとハフとアーシェとリューンが昼になっても起きてこんのじゃ。

 ゲームのハマりすぎじゃ。テンカとアオとアナが怒るのじゃ。

「じゃあやってみてよ」

 ハフの言葉にテンカとアオとアナが実際にやってみるのじゃ。


 流石にちゃんと管理しておったわい。アカミ達は反省するのじゃ。

「コン様とルナとジーナもしてみてよ」

 ハフが拗ねるのじゃ。ワシはもうクソゲー認定しておるからのう。じゃがワシとジーナでしてみるのじゃ。


 ワールド様とエッセンス様はどうなんじゃろうとゴッドファイトで挑んでみるのじゃ。じゃがやはり勝てないわい。そうして挑んでおると朝になっておったようじゃ。

「コン様? まさか徹夜ですか?」

「いや、まぁ、ワシ神様じゃから大丈夫じゃし……」

 そうしてこってりルナに叱られて、ゲームは一日一人一時間に決められて、ハフが更に拗ねたのじゃった。

ゲームは一日一時間、皆は守れるかのう?


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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