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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
マホエン王国編

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第289話「ウンディーネ様に会う」

ウンディーネ様に会うのじゃ!



 ワシらがウンディーネ様の聖域を探しておると、スイ子が導いてくれるのじゃ。西に向かったところに海岸があり、そこに扉があったのじゃった。

「また土産を忘れたのう……」

 ワシがそう呟くと、皆笑うのじゃ。

「ウンディーネ様はシルフ様のように大食いじゃないから大丈夫よ」

 そんな風にスイ子が言うのじゃ。


 ワシとジーナは皆を待たせて中に入ったのじゃった。するとまるで海の中に飛び込んだような空間に浮かんだのじゃ。

「綺麗」

 ジーナがそう呟いたのと同時じゃった。向こう側から勢いよくこちらへとやってきた人魚のようなウンディーネ様は、ワシらに向けて笑顔になったのじゃ。


「よく来ましたね。あなた達のことはスイチョウから聞いています」

「ウンディーネ様、ワシあなたに聞きたいことがあるのじゃ」

「なんですか?」

 ワシは先日までに起こったことを話すのじゃ。毒や病気などじゃ。


「お主の加護でそれらは治すか良好にすることはできるじゃろうか?」

「勿論できますよ。限度はありますが、私の水の力は浄化の力でもあります」

 段階を踏んでいく必要はあるのじゃが、治せる範囲は広がっていくというのじゃ。


「力を与えましょうか?」

「ワシは大地の力を上げて欲しいのじゃ」

「私はウンディーネ様の力が欲しいです」

 まずはウンディーネ様がワシの力を上げてくれるのじゃ。

「これでどうなったのじゃ?」

「地面に足の着く、ある程度の範囲の相手に、地響きの動揺を誘えます」


 次にジーナに水の力を与えてくれるウンディーネ様じゃ。それは浄化の力じゃ。回復力を高める水と解毒の水を出せるようにしてくれたのじゃ。

 ジーナにピッタリの癒しの水じゃな。

「他になにか質問があるという顔ですね」

 ウンディーネ様はワシの疑問に答えてくれるじゃろうか?


「本来ならワールド様に聞くべきことじゃろうが、あえて今ウンディーネ様の意見を聞きたいのじゃ。邪神ダイダラについてじゃ」

 その名を聞いた時、ウンディーネ様は明らかに顔をしかめたのじゃ。

「あれは本当に堕ちてはいけない神でした。あそこまで強くなった上で堕ちた後、更なる上を目指して自分のために芽を摘み始めた。最悪というより、災厄という存在です」


 ウンディーネ様は事情を知っておるようじゃった。ワシは深く聞いてみることにしたのじゃ。

「何故堕ちたのじゃ?」

「単純な話です。力に溺れたんです。闇に支配された。あなたと同じ、闇の力を手にした後、闇に溺れ止まれなくなった。

 もっと強く、もっともっと、そうやって上位の神を超えたいという思いが強まり、強さのみを追求したのです。結果として止めに入った禰宜も殺しましたしね」


 それは壮絶な話じゃった。力に溺れる、それはもしかするとのう?

「上位の神は越えられるのかのう?」

「おそらく不可能です。というより比べ方が分かりません。例えば私を超えようとします、するとこの領域で戦うことになりますね?

 ここは私に有利な場所です。倒そうと思ったら、力は倍は必要でしょう。

 私の二倍の力を得ようと思ったら、いくつ魂を犠牲にしないといけないでしょうか?」


 逆に聞かれて困るのじゃ。どう答えるのがいいか基準がわからんのじゃ。

 じゃが、その魂が膨大なことはわかるのじゃ。

「これからワールド様は更に魂を喚ぶでしょう。それを食って大きくなったところで上位の神は超えられないがワールド様の創った世界は壊せるかもしれない」

 ウンディーネ様は祈るようなポーズでワシとジーナに頼むのじゃ。


「私たちはここから祈る事しか許されていない。たとえ水が怒ったところで人にしか害にならない。だからあなた達、中位の神に頼むしかない」

「何故上位の神を外に出さないのじゃ? ワールド様たちはのう」

 ワシは世界を創れる力があるならそれくらいできるのではと思うのじゃ。


「上位の神がもしも堕ちたら世界は確実に沈むから。そして上位の神同士の戦争が起きて、世界は終わるから」

「出したら封じられないのじゃな?」

「それができるならきっとワールド様は邪神になった者を封じていると思うわ」

 なるほどのう。全知全能の神というわけでもないわけじゃ。それぞれ弱点があって、ワールド様は送り出すことしかできんということじゃな。


「つまり希望を送り出すしかできんと言うことじゃな」

「そういうことです。あなた達が堕ちない事を願います」

 ワシとジーナは礼を言って、ウンディーネ様の領域から出たのじゃった。


 ルナと目を合わせ頷いたワシは背負っている大太刀に話しかけるのじゃ。

「何故黙っておったのじゃ?」

『語る必要がないからだ』

「ウンディーネ様とじゃな?」

『そういうことだ。俺が面識がないわけではないが、だからこそ俺が語るにはもう体はない』

「聞き忘れたことがあったのじゃ。お主はなぜ死んだのじゃ?」


 それはあまりに自然な流れで聞き忘れた事じゃった。神が死ぬ、それは殺されるということじゃろう。でないと寿命がないのじゃから死ぬはずがないのじゃ。

 じゃがライア様の答えは違ったのじゃ。

『俺は自分で死んだ。闇に堕ちてしまう前に』


 それはワシの辿る未来を示しておるようじゃった。

ライア様の選択を、ワシもする事になるんじゃろうか?


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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