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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
チエノワ国編

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第269話「ドラゴンナイトの魔王」

ドラゴンナイトの魔王、ルーザとの戦いじゃ。



 巨大な火球と火球のぶつかり合いによる爆発じゃ。周囲に熱い空気が流れるのじゃった。これはまさか……ドラゴンの仕業かのう?

 砂煙が巻き上がり視界が悪いのじゃ。当たりが晴れると一匹のドラゴンとそれに乗るドラゴンナイト、更に一人の男がオッソを抱えていたのじゃ。

「やれやれ、死んでもらっては困るのだよ」

「すまん」

 ワシはアーシェの方を見たのじゃ。肩を抱いて震えておったのじゃ。


「ルーザお兄ちゃん……」

 あれがドラゴンナイトの魔王かのう?漆黒のドラゴンに乗ったナイトはかなり強そうじゃ。

「どうしてここに……」

「たまたまだ。出来の悪い妹が、神に(たぶら)かされて敵になったと言うから、様子見がてらさ」

「お主は邪神教なのかのう?」

 ワシがルーザに尋ねるとこちらを向いて嘲笑うのじゃ。


「お前が妹を誑かした狐の神か。そうだ、俺は邪神教という組織の幹部をやらせてもらっている」

「何故邪神を崇めるのじゃ?」

「決まっているだろう? 邪神様だけが俺たち魔王の気持ちをわかってくれる。だからこそ邪神を崇めるべきなんだ」

「ワシの話を聞いてくれんかのう? 今世界は変わりつつあるんじゃ。魔王を迫害しない世界になりつつあるのじゃ。じゃからそれを邪魔する邪神教から抜けてくれんかのう?」


 ワシはこっそり白主を仕込むのじゃ、じゃが尻尾で薙ぎ払われてしまうのじゃ。

「断る! 俺は邪神と魔王に支配された世界を創る! そのためのこの力だ! 思う存分味わえ!」

 ブラックブレスがワシらを襲ってくるのじゃ。魔族のリーレがブレスの魔法で防ぐのじゃが、ドラゴンナイトは溜めたところでもう一発ブレスを放ってくるのじゃ。

 それをリーグが防ぐのじゃがナイトの構えた弓矢が飛んできて襲うのじゃ。


 ワシは慌ててフォックスバイトでその矢を防ぐのじゃ。かなりの威力じゃ。脅威はドラゴンだけでないのじゃ。

 乗っているのは魔族といったところじゃろうかのう? 武装をしていてわからんのじゃがのう。

 やはりドラゴンの魔王と魔族の魔王の息子と言うだけはあるのう。


 それだけ力のある者が敵側にいるのは脅威なのじゃ。できれば引き込みたいところじゃが、きっとドラゴンナイトの上から降りてこんじゃろう。

 白主を当てるのも難しいのじゃ。じゃが疑問に思うことがあるのじゃ。

「どうしてお主は支配域を広げて外から対応せんのじゃ?」

「それはアーシェを見ていたらわかるんじゃないか?」


 なるほどのう、若いからそこまで支配域が大きくないわけじゃな。アーシェは待機時間(クールタイム)が長いわけじゃしのう。

 とにかく、近くにいるのはチャンスじゃ。ワシはまずは引きづり下ろそうとするのじゃ。

 皆も戦う準備はバッチリじゃ。

「クールタイムのある技しか出せないアーシェはもういらないが、俺も馬鹿ではない。オッソを連れ帰ることを優先しよう」


 頭も切れるようじゃな。飛び立ったドラゴンナイトを止める手立てがないのじゃ。

「最後にこれを止められないなら……死んでいけ!」

 最大級の火球をアーシェに向けて吐いて飛び去るルーザじゃ。ワシとジーナは慌てるのじゃ、アーシェのリーレとリーグは、クールタイム中で技が出せないのじゃ。

「ジーナ! 赤主を出すのじゃ!」


 赤主に吸収させて火を小さくしていくのじゃが間に合わんのじゃ。

「ウチに任せて!」

 アカミがフライパンを持って飛び出して、小さくなりつつある火球を拾い上げ、火の加護で弾き飛ばしたのじゃ。

 アーシェはその場にへたりこんでしまったのじゃった。


「ウチのフライパンが壊れちゃった」

「アカミさん、ごめんなさい」

 俯くアーシェをアカミが撫でるのじゃ。

「ウチのフライパンはまた買えばいいよ。命は買えないからね」

 アーシェの手を取り立ち上がらせるアカミは強い子じゃな。じゃがまだ子供なのじゃ。怖かったじゃろう。

 ワシはアカミとアーシェの元に行き、アカミの頭を撫でるのじゃ。


「ありがとうなのじゃ、アカミ。アーシェを守ってくれてのう」

 するとアカミはワシの胸に飛び込んでくるのじゃ。

「上手くいってよかった……」

 アカミは震えておったのじゃ。それだけ危機的状況だったのじゃ。


 とにかくオッソには逃げられたものの、なんとかこちらも生き延びることができたので引き分けじゃろうな。

 段々その規模が見えてくる邪神教の大きさと魔王の関係性じゃ。

「全魔王が邪神教に入信しているわけではないんです。ただ多くの魔王は共感してしまっています」


 アーシェの言葉に、ワシはデス大陸その物が敵になってしまっているように感じたのじゃ。歴史というものは恐ろしいのじゃ。

『何故俺を使わなかった?』

 大太刀のライア様が久々に声をかけてくるのじゃ。


「ワシはまだ殺す気がなかったのじゃ。説得できるのならしたかったからのう」

『甘いな。だがそれがお前の闇なのかもしれないな。ただ、魔王や邪神を殺すと決めたら遠慮なく俺を抜け』

「わかったのじゃ」

 必殺はなるべく使いたくないのう。じゃが使うべき時はくるじゃろう。


 とにかく今はリーゼルさんをチエノワ国の都に

返すことにしたのじゃった。

何とか引き分けですんだのう。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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