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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
ワンニャン国編

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第254話「犬の王と猫の女王」

喧嘩中のゴール様とシル様じゃ。



 そうしてワシらはゴール様とシル様との謁見をするのじゃった。城に着くと息を飲むほどのファンシーさじゃった。

「可愛らしいお城でしょう?」

 薄いピンク色の犬や猫の銅像があちこちにあるのじゃ。当然仲の良い犬や猫の銅像もあり、ほっこりするのじゃ。


 ワシらが銅像を眺めながら中に案内されていくと、王の間に連れていかれたのじゃった。

 じゃが二つの玉座に座る犬の王と猫の女王の間には簡易的な仕切りが立てられていたのじゃ。

 喧嘩継続中ということかのう?


「よくぞまいった。狐の神達よ」

「噂はかねがね聞いてます。魔王を下位の神にして旅をして回っているのですね」

 王と女王にワシらは挨拶をして、早速尋ねるのじゃ。

「喧嘩中ということみたいで、一体何が原因なのか聞きたいのじゃ」


 すると突然、犬の王が立ち上がりワシのところに駆け寄ってこう言うのじゃ。

「聞いてくれるか? 狐の神よ。シル様の奴が何かと猫の利点を話してくるのに、私の犬の話は無視したり、そうですねなんて簡素な受け答えをするのだ。あまりにも酷いものだと思わないか?」


 すると猫の女王が椅子に肘をついて欠伸をしながら答えるのじゃ。

「それはそうでしょう。犬は従順なんですから、猫に従っていればいいのです。それなのに、メス犬に唆されたのか、ゴール様も自慢をするべきだなんて、おかしいじゃありませんか」


 ゴール様はワシの肩を掴み、フルフル振るのじゃ。

「おかしいよな? おかしいと言ってくれ!」

 ワシは男じゃからゴール様の気持ちがわかるのじゃ。じゃが、あえてここは一つ聞くのじゃ。

「ゴール様はシル様が嫌いになったのかのう?」

「え?」

 固まるゴール様じゃ。シル様は笑うのじゃ。

「あら、そうでしたの? でしたら私、女王の座を降りましょうか?」


 ゴール様は冷や汗ダラダラじゃ。きっとそうではないと思ったので、ワシは助け舟を出すのじゃ。

「それともシル様に嫌われたと思っておったのかのう?」

 ここで黙るゴール様じゃったからワシは言ったのじゃ。

「ワシの白主を当てさせてもらうぞい」


 白主を当てると、大粒の涙を流しながらワンワン泣くゴール様じゃ。

「だって、だって! あんなに話聞いてくれたのに、無視したり素っ気なかったりして……嫌われたと思うのは当たり前だろう? どうすればよかったんだ?」


 ゴール様の本音は聞けたのじゃ。次はシル様の番じゃろう? ワシはジーナに目配せしたのじゃ。ジーナは頷いて白主をシル様に当てるのじゃ。するとシル様はため息をついて話し始めるのじゃ。


「それは、だって……犬の女神と仲良さそうに犬の話で盛り上がって、犬の話しかしないで……私の猫の話をしても、犬もこうなんだってばかりでしっかりうけいれてくれないじゃないですか。

 犬も素晴らしいのは本当はわかっています。でも私の話を真に聞かずに、自分の話をするのは反則じゃないですか」


 ワシは腰に手を当てて言うのじゃ。

「犬も猫もどちらの話もしたらよいではないかのう? 犬が猫の話をしても良いし、猫が犬の話をしてもよいのではないかのう?」

 するとゴール様とシル様は首を横に振り、ワシに話すのじゃ。


「私は大の犬好きで、犬に囲まれて前世を生きたせいか、犬の話になると夢中になってしまうんだ。だから、犬の王になったわけだが」

「私は大の猫好きで、猫まみれの前世だったので、猫の話には目がありませんの。ですから猫の女王としていますのよ」


 ではどうしたらよいのじゃろうかのう? お互いの接点はないのじゃろうか?

「お主らはどうして犬と猫の二人で国を建てたのじゃ?」

「それは簡単だ。犬と猫が最も愛される動物だったからだ」

「そして最も近しい存在だったからですわ」


 ならば分かり合えるのではないかのう? ワシとジーナは白主を当てるのじゃ。

「わかってる。私はいつも話のわかる犬の神と話してしまう。それを不満に思っているのも……でも話したいんだ。犬の話を」

「私は猫の神でも異性とはあまり話しませんよ。ゴール様は異性とよく話していますよ?」

 ゴール様の本心は我儘じゃな、対してシル様はそんなゴール様にお怒りのようじゃ。


 人前では異性と話さなくても、隠れて異性と話していると言われるゴール様はドキリとするのじゃ。

 やれやれじゃな。ワシは最後に白主を当てて言うのじゃ。

「シル様も女性じゃ。ゴール様が異性とばかり話しておっては気分が悪いはずじゃよ。自制しないとのう?」


「ううっ、わかった。ただ、話しかけられたり、寂しそうにしてたら……」

「ほどほどにせんかのう?」

 しょぼしょぼと頷くゴール様に満足したのか、シル様も立ち上がり寄ってくるのじゃ。

「さぁ椅子に座って、話を続けましょう。犬と猫の未来を私たちが潰すわけにはいかないですわ」


 シル様も気分を取り戻したのか少し明るくなっていたのじゃ。ワシらは犬や猫について色々話しつつ、夫婦というわけではない二人の話も聞いたのじゃった。

 それぞれ犬ゾーンと猫ゾーンの土地を管理するという立場なだけの二人は、ワシらにワンニャン国の話をしてくれるのじゃった。

仲直りさせて、今度は楽しく話をするのじゃった。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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