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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
ストーンビーンズ国編

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第234話「魔族の魔王」

デス大陸の状況について話を聞くワシらじゃ。



 決着がついて、ワシらは一息いれた後、アーシェに話を聞くのじゃ。

「詳しく話を聞かせてくれるかのう?」

「はい……まず、私はドラゴンの魔王の父と、魔族の魔王の母の、娘です」

 交わったわけじゃな。そして生まれたのがアーシェかのう。


「私には兄がいます。ドラゴンナイトの魔王、ルーザという名です。兄と比べて力の弱い私は戦いに参加しなかったのですが、先程言った通り、外から帰った魔王の話を聞いた時に、もっと世界を見るべきだと思ったのです。

 魔王だからと殻に閉じこもっていてはいけないと思うのです。そして飛び出したら連れ戻しに父のドラゴンが追いかけてきて、今に至るわけです」


 もう下位の神に変えられたから今更じゃが良い子じゃな。もっと広い視野で魔王の境遇を変えたいと願ってくれたわけじゃ。

 頭カチコチの彼女の両親は連れ戻したかったわけじゃな。

「ドラゴンの魔王は支配がそんなに届くのかのう?」


「当代のドラゴンの魔王である父はデス大陸の中心から、この大陸の端まで支配が届くそうです」

 やはり化け物じゃな。そして当代ということは……のう?

「お察しの通り歴代のドラゴンの魔王はデス大陸の各地にいます」

 かなり魔境になっておるのじゃな。ちなみに現在最強はアーシェの兄のルーザだそうじゃ。


 アーシェ自身も強いそうじゃが、やはり数を出せないのが痛いのう。魔族の魔王は十四歳の大人になると出せる頻度が上がっていくそうじゃが、アーシェはまだ十三歳で、半日に一人しか出せんのじゃ。

 一度引っこめることができるか確かめてもらうと、魔族も魔物と同じ扱いのようで引っ込めることができたのじゃ。


 銀の王冠を得た彼女は心強い味方じゃ。皆興味津々でデス大陸のことを聞いておるのじゃ。

 ワシは念の為今更じゃがこっそり白主を当ててみるのじゃ。

 彼女の魂は柔らかいのじゃ。ワシはデス大陸におっても彼女のように新しい世代は人を恨んではないのではないかと思ったのじゃった。


「まさか、魔族の魔王を仲間に引き入れるとはな。それも出せるのは竜人のようだ。まだ出し切れてないようだが、かなり強いだろう」

 ワシらはアーシェを仲間に加え、予定通りストーンビーンズ国に行くことにしたのじゃ。

「ドラゴンが追ってきませんか?」

 ルナがそう言うとペーガさんがある仮説を話すのじゃ。


「恐らく探すにしても時間を要するはずだ。追跡がないとは言わないが、すぐにはこないだろう。こちらもゆっくり休まないといけない。

 まずはストーンビーンズ国に行ってギルドに寄り、事情を話すべきだろうな」


 ワシらの行き先は変わらずじゃ。アーシェにそれでよいか尋ねると頷くのじゃ。

 そうして進むうちに次の国、ストーンビーンズ国が見えてきたのじゃった。

 周囲に気を配りつつ、ストーンビーンズ国へと入ろうとするのじゃが、アーシェの身分証がないのじゃ。


「身分を証明できるものを作れるのなら作った方がいいな」

 ペーガさんの口利きで、兵士たちに納得してもらえ、中に入ることができたワシらはギルドに向かうのじゃ。

 旅の中で半日は経っておったので、ギルドの役員さんの前で魔族を出すアーシェに、役員さんは大慌てじゃ。


 役員さんが魔族の研究をさせてくれないかと言うので、アーシェは困るのじゃ。魔族は彼女にとって家族のようなものじゃ。

 ワシはルナに姿を見えるようにして欲しいと頼み、役員さんに話をしたのじゃった。

「あまり困らせないで欲しいのじゃ。折角下位の神になってくれたのに、邪神になってしまっては元も子もないじゃろう?」


 ワシがそう言うと、役員さんも謝ってきたのじゃ。大変な事態なのはわかるのじゃがのう。ワシらの意思を尊重してもらわねばならんからのう。

 アーシェも協力はできるだけしてもいいと言うのじゃが、ワシは無理はせんでよいと言うたのじゃ。


 結局お偉いさんと話をして欲しいということで後日になったのじゃ。

 宿をとって休む時、皆遠慮しておるのじゃ。どうしたんじゃ? と思っておると、ルナがワシとアーシェに言うのじゃ。

「ではアーシェさんはコン様の洗礼を受けてください」

「え?」

 焦るアーシェじゃ。


「うむ、大丈夫じゃ。悪いことはせんわい。ただ……そうじゃな。ここまで仲間も失い頑張って生き抜いたお主の頭を撫でてあげようかのう?」

 ワシはベッドに寝転んでアーシェを待つのじゃ。おずおずとゆっくり横に寝たアーシェを胸に寄せ、頭を撫でるワシじゃ。


「お父さんとお母さんはこんな事してくれませんでした……」

 魔王となった者は心まで死んでおるのじゃろうかのう?

 優しく撫でてあげておると安心したのかゆっくり眠るアーシェじゃ。


 他の者が別々で眠る中、グーシャがワシの後ろに抱きついてきたのじゃ。

「寂しいのかのう? グーシャよ」

「うん……今日はこうさせて」

 ワシの腰に手を回すグーシャの手を握ってあげて、ワシも眠りについたのじゃった。

アーシェも安心させることができたのじゃ!グーシャは寂しいようじゃな。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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