第229話「ファリオ森林国での食事」
キノコのスープ、神力でできたそれはとても美味しいのじゃ!
ワシとジーナは元の空間に戻ってきたのじゃ。そしていい時間なので食事しようということになったのじゃった。
ペーガさんの紹介のご飯処に行くと広い場所にいくつもテーブルがあるのじゃ。
大所帯じゃから助かるのじゃ、更に店主は特別メニューを見せてくれたのじゃ。
店主自身は禰宜のようでワシらが見えとるのじゃ。
「ワシらのメニューもあるのう。キノコのスープしか書いとらんがのう……」
皆が注文する中、ワシとジーナはキノコのスープを頼むのじゃ。
暫くして料理が運ばれてくるのじゃ。ワシとジーナの分が運ばれた時、ワシは思わず感嘆したのじゃ。
「おお! これは凄いのじゃ!」
明らかに鼻をくすぐる香り、湯気の立つ薄い色のスープに平らに切られたキノコが染みておるのじゃ。
ジーナも、もう待ちきれんようでスープをゆっくり啜るのじゃ。
「美味しい!」
神力が宿っておるのじゃろうかのう? ワシが疑問に思っておると、ペーガさんが解説するのじゃ。
「この古代木には神力が宿っている。そこに付くキノコは神力を宿すんだ。天然の神力の食物ということだな」
「その説じゃと、大地にも神力にはあるじゃろ? 何故稲や野菜に神力はつかんのじゃ?」
「それは大地が広く神力が薄まっているからだ。更に稲や野菜は育てば収穫する。だから神力が溜まりにくい。
一応食物にもほんの少しは神力があるはずなんだよ。でもこの古代木の上にあるこの場所の場合は違う。ガイア様が作った土地だからだ」
なるほどのう。それなら他にもあってもいいんじゃないかのう?
そう思っておると中から店主が来て説明してくれるのじゃ。
「このキノコは神力の菌という菌から生まれたキノコで、この古代木の場所でしか育たないキノコなんです。
また、ここで湧く水も古代木の影響を受けていまして、神力が通っています。どれも神様に合う絶品となっているんですよ」
勿論皆が食べておる料理も美味しいようじゃが、ワシとジーナも美味しい思いをできたのじゃった。
「スープのおかわりもできますがいかがですか?」
「では頼もうかのう!」
温かいスープを飲んで心も体もホカホカじゃ! ワシらはおなかいっぱいになって店を出たのじゃった。
宿に着くとお腹タプタプでベッドに転がるのじゃ。
「もうワシ寝るわい! 瞼が落ちそうじゃ!」
皆が大風呂に入っていく中、ワシは夢に落ちていったのじゃ。
誰かと手を繋いでおるのじゃ。ワシはその人の右側におって左手が恋人握りされておるのじゃ。それは今旅している誰でもなかったのじゃ。
「大丈夫ですよ、あなた。あなたがいなくてもこちらは何とかやってますから。いつかそちらに行けたら……案内してくださいね?」
ワシは左手の握る手に力を込めたのじゃった。
ワシが目を覚ますと深夜じゃった。ワシが体を起こすとペーガさんが机でなにかメモをしておったのじゃ。
「何をしとるのじゃ?」
「ん? 起こしたか?」
「いや、大丈夫じゃ。たまたまこの時間に目が覚めただけじゃ。中位の神は寝なくても大丈夫なの知っておるじゃろう?」
ワシはペーガさんのメモを見るのじゃ。それは地図の印じゃった。
「感じる方角から、今ある国をリストアップしてたんだ。なにもしないよりは落ち着くだろうと思ってな」
南東と言っておったのう。その方角にある国を調べておったんじゃな。
「ギルドに連絡はしたのかのう?」
「一応な。だがアテにはできない。メデサの武器は神力を見れる人間にしか見えないからな」
確かに神力が込められておって、その上でメデサが死んでないから神力が残っているなら、人の目には見えんじゃろうな。
「メデューサの弓とか言うたのう。どんな武器なんじゃ?」
「弦がメデサの髪の毛で出来ていて神力の矢を放ち撃つ武器だ。神にしか扱えないから盗んだのは邪神か、小心者の神か。使う者によっては強力な武器さ」
遠距離タイプだったんじゃな、メデサは。意外な発見じゃな。
「コンさんの武器も見せてくれないか?」
ワシは二本の刀を見せるのじゃ。一本の強度は低いがもう一本はかなり強力な刀になっていると言って貰えたのじゃった。
そうやって騒いでおるとジーナが起きてきたのじゃ。
「すまんのう、起こしてしもうたかのう?」
「大丈夫。すごく気持ちよかったから」
トロリとした顔をしとるので、ペシと叩くのじゃ。フェニ子も、フェニ子じゃよ。まったくやれやれじゃ。
「ジーナさんの武器も見せて欲しいんだが」
ジーナはペーガさんに拳銃を見せるのじゃ。
「ジーナさんは中距離タイプか」
構造を見ながら構えたりするペーガさんじゃ。
「見せてくれてありがとう。この国には強い武器を作る技術はないからお預けだが、どこかの国で武器を新調できたらいいな」
そうじゃな。魔物も強くなってきておるように感じるのじゃ。武器も新しく強い武器を得るべきじゃろう。
「さて、俺も少しは寝るか。じゃあな」
「うむ、メデサ様の夢でも見ろよのう」
「余計なお世話だ」
ワシも寝直すかのう。するとジーナがこんな事を言ってくるのじゃ。
「続きしよ?」
夢でしてきておくれよのう。
次の日ワシらはファリオ森林国を出発するのじゃった。
改めて、メデサ様の武器を探しに行くのじゃ!
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




