第198話「ジーナの日記⑤」
邪神との戦いに挑んだようじゃな。
「すいません、私はもう……」
「ううん、ありがとう、ルナ! ゆっくり休んでて!」
ルナは私を見えるようにするので一杯で限界だったの。
だけどここからは神の戦い、大丈夫。洗脳魔法対策もしっかりしてるしね。
相手も戦う準備は万端みたい。言っておくけど一人で戦うつもりはないからね?
「ふん、どうせここにいるということは二段階目の神だろう? 俺は三段階目だ。恐れて逃げるか?」
マダラと同じ、どんな力を持っているかもわからない。そんな人が相手だなんて……本当は怖い。
逃げ出したくなる。でも負けたくない! 今回は皆で戦うからきっと大丈夫!
私が尻込みしないことを見て鼻で笑う邪神ヌイは入ってきたの。
「悪いが小細工が苦手でね。潰させてもらうよ?」
私は白主を展開したの。狐依ラブ砲はコン様がいないと撃てないから。
黒主で対応してくるヌイさんはどんどん迫ってくるの。どうすべきか迷っているとアオさんが魔鮫を出してくれたよ。恐れず突撃するアオさんにアナさんも続く。ハフちゃんが私の元に来て守ってくれたよ。
「恐れないでジーナ! あたしたちもいる!」
テンカが魔鳥を展開しながら私の前に立ったの。
キツ様は後ろに立ってこう言うの。
「後ろは任せてください。存分に暴れてください」
でも私だけの神一人の力で倒せるのかな?
(どのタイミングかであなたが考えている新技を披露してください)
ルナがそんな事を念話で話してくるの。
わかったよ、私も全力で挑んでみる。魔鮫が襲いかかるのを阻止しながら来るヌイさんは叫ぶの。
「魔王如きに俺が止められるか!」
アオさんは苦戦してた。アナさんも必死に援護するんだけど、難しいの。ハフちゃんは私の元から動けない。テンカは……私を待ってる。
「行こう、皆。全員の力を合わせれば勝てるよ」
バラバラだと勝てないよ。力を合わせて一気に!
アオさんが特攻して、隙を作るの。魔鮫は凶悪だから先鋒に向いてるよ。
「ぬるい!」
だけど突破される。その間も魔鮫を出し続けるアオさんに続いてアナさんが巨大な魔蛇の噛みつきを食らわせられたの。
怯むヌイさんに私は全力で青主と緑主と紫主を走らせたの。そして白主をガードしながらくぐり抜けさせた後、ハフちゃんが魔クラゲの毒でひるませてくれたよ。
テンカも魔鳥を飛ばし私を援護してくれて、白主を当てようとしたの。
「遠距離からちょこまかと!」
ヌイさんは犬かきをしてカマイタチを飛ばしてきたの。凄い威力で私たちは怯んだんだけど負けずに頑張ったよ。
「くっ! 鮫が真っ二つに!」
「蛇も殺されます!」
「私に任せて!」
ハフちゃんが魔クラゲを暴走させて、毒で弱らせるの。猛毒みたいで、触手が伸びていって触れる度にヌイさんを弱らせるの。
「行こうジーナ!」
風の加護を受けたテンカが本気で魔鳥たちを飛ばしてカマイタチを返したら、ヌイさんのカマイタチも数には勝てなかったよ。
ここだと思ったの! 私は白主を当てたの。
「くっ、なんだ? なぜ後悔が……」
ヌイさんの頬を涙が伝った時、私は白主をもう一度当てたの。
「どうしてこんな事をするの?」
「俺の動機か? そんなもの決まっているだろう。邪神教にいるヤツらの目的は色々だが、俺は世界を支配するためだ」
「支配?」
私には分からない感覚だった。支配して何になるんだろう? 全世界なんて支配もできないくせに。
「分からないって顔してるな。いいんだぞ? 理解者は少なくてもいい。ただそれでも、ワビクの幸せには手を出させん!」
多分ワビクさんの幸せを願うためにねじ曲がったんだと思う。
「ワビクさんは王族に憧れたんだね」
「正確には裕福な暮らしにだ。そしてこの国を狙った。俺がバックにいれば、誰も手出しできない……はずだったのに」
ヌイさんは苦い顔する。私はもう一度白主を当てると、尋ねるの。
「後悔できるならやり直せないの?」
ヌイさんは首を横に振り、呟いたよ。
「もう無理だ……どこまでも堕ちるのみ! お前を殺してでもな!」
犬依ヌイとしての高火力のパンチが私に襲いかかるから、私は必死に狐依パンチを連打したよ。
「狐依連連連連連続パンチ! 連連連連連……」
私はパンチを繰り返しながら白主を当て続けたの。白主は後悔でパンチを鈍らせ、取り戻せない悲しみで威力を下げさせ、私のパンチを届かせる。
「あたし達も続くぞ! アオ、アナ、ハフ、援護して!」
テンカが風のカマイタチでヌイさんを削り、魔鮫が噛みつき、魔蛇も噛みつき、魔クラゲはまとわりつくの。
ポコスカと殴る私の狐依連連連連連続パンチはヌイさんの体を抉り、叩きのめして吹き飛ばしたの。
「ヌイ様!」
ワビクさんが駆け寄ってきて言うの。
「ヌイ様を助けてください。改心します。私たちが悪かったです」
私は白主をワビクさんに当てたの。それで本心が出るでしょう?
「ああ……お願いします。どうか私の子だけでもお見逃しください。子は悪くないんです」
「政治からは抜けるね?」
「はい……」
「ルナ、多分もう見えなくしてるよね?」
「ええ、ちょっと限界です」
「なら王に伝えて、政治を変えること、ワビクさんとその子供は追放すること」
「殺さないのかい?」
テンカが聞いてきた時言ったの。
「ヌイさんは殺すよ。次戦ったら勝てるか分からないし信用できない。でもワビクさんとその子供は殺す意味がないよ」
頷いたテンカは烈風でワビクさんとヌイさんを引き離したの。
「ヌイ様!」
「すまないワビク……」
私は狐依連連連連連続パンチで卓球の壁打ちをするようにヌイさんを叩き始めたよ。
その命消えるまで叩き続けた後、最後に全力狐依パンチを食らわせてその心臓を止めさせたの。
ヌイさんはサラサラと消えていったんだ。
厳しい判断をしたのじゃ。それにしても、とにかく連打するパンチ見てみたいわい!
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




