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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
ホウオウ帝国編

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第162話「セイリュウ街」

とうとうセイリュウ街じゃ!



 休んだ翌日に元気よく出発したワシらじゃ! シェイさんの案内もあり、ぐんぐん進むのじゃ。

 西へ行きながら、やや北に上がっていくワシらは休憩を挟みつつ、セイリュウ街までやってきたのじゃった。


 セイリュウ街の兵に身分証を見せて、シェイさんの案内で進んでゆくと、スザク街はキラキラしていたのに対し、セイリュウ街は落ち着いた雰囲気の街だったのじゃ。

 龍の銅像が所々にあるが、静かな雰囲気の街じゃ。


「セイリュウ街は特に大きくスザク街の五倍はあります。ここが東との交流が盛んな理由は商人の多さにあります」

 龍商団という、龍のマークを着けた商人が活動しとる拠点のようじゃ。あちこちに店があるのじゃが、そのどの看板にも商談可能と書かれておるのじゃ。


 よく見るとシェイさんの服にも龍の刺繍がしてあるのはそういうことかのう?

「娘さんも龍商団なんですか?」

 ルナが聞くと頷くシェイさんじゃ。

「東門近くにこの国から東に行った先の国との取引をしている『龍の絆』という店があります。私が出資した大きな店ですが、娘夫婦が一生懸命盛り上げた店ですよ」


 シェイさん自身は何をしとるのじゃろうかのう?

「私ですか? 私はもう引退した身ですが、武器防具を売ってました。北の戦地には魔物も出ます。

 剣や槍、銃や弓、杖やロッドなどの武器と、それぞれに合った防具を作るのが私の役目でした。今は息子に任せています」


 なるほどのう。ちなみに子供は何人おるんじゃ?

「三人です。武器防具を継がせた長男、東の国との交流を目指す長女、戦争に向かう兵のための食糧調達を行う次男です」

 つまり困っとるのは次男と次女じゃな?


「そうなんです。戦争に勝つためにも食糧難は回避しなければいけないのに、東からの支援品が盗まれたり、壊されたりするんです。見れば分かります、酷いもんですよ」

 それは困ったもんじゃな。神も頼れんのじゃな?


「はい……神様も戦地に向かっているので頼れません。帝王様にお願いしたのですが、警備に割いてもらっても、被害は減らないんです」

 これは邪神教が絡んでおるかもしれんのう。つまり神の仕業かもしれんということじゃ。


 ワシらは西門に向けて出発したのじゃが、シェイさんが寄り道しようと言うのじゃ。

「急ぎたいところですが、皆さんの装備を一新しましょう」

 そう言って北に向かうのじゃ。セイリュウ街の中心にシェイさんの長男のやっている、武器防具屋を訪ねるのじゃ。


「いらっしゃ……って親父じゃねぇか!」

「ロン、こちらはなんともないか?」

「ああ、俺のところのは硬いせいか壊しに来ない。だがリンリンの方は酷いようだよ。そちらは?」

「護衛に雇った人たちだ」


「女子供じゃないか! どういうことだよ!」

「そういうな、これでも神様が二人ついている」

「神様が二人も!? そいつは心強い。で、要件は?」

「この子達の武器と防具を作ってあげて欲しい」


 ルナがワシとジーナの毛を抜くのじゃ。相変わらず痛いわい。

「これが二人の神様の毛です。これで神様の武器か防具を作ってください」

「代金は依頼料ってことでいいですよね?」


 シェイさん何気に交渉上手いのう。それでよいぞ。

「良いと言ってますよ。じゃあ私たちのもお願いします」

「まず防具を作っていこう。女性店員も呼ぶから採寸に付き合ってくれ」


 こうして防具を注文するのじゃった。ジーザスには動きやすいシャツと長ズボンと靴じゃ。それらそのままに丈夫な薄い金属で練り合わせた後、触り心地のよい布包むのじゃ。

 そうすることで強度の強いシャツの出来上がりじゃ。


 ここは北の大陸のためまだまだ寒いからのう。上着は補修するだけで済ませるのじゃ。長ズボンもシャツ同様の作り方で、肌に触れる部分は優しい布で、外側は革じゃ。

 靴も革の長靴にしたのじゃ。


 グーシャとアカミはそれぞれワンピース風ドレスじゃ。ルナは白色、グーシャは薄緑、アカミは紅色じゃ。これもジーザスのシャツと同じ要領で作られておるのじゃ。

 靴もそれぞれ革のブーツにするのじゃ。


 ルナは巫女服の新調をしておったのじゃ。強度もばっちりじゃ。

 最後にワシとジーナじゃ。ワシらは着物を仕立てて貰ったのじゃ。ワシは黄色ベースの着物、ジーナは水色ベースの着物じゃ。どちらも日月紋様の帯じゃ。


 履物は草履じゃ。履いた瞬間自分の足のようにフィットしたので自由に走り回れるのじゃ。

 神の毛を混ぜて作られておるので、かなり丈夫なようじゃし、装備したらそう簡単に外れんのじゃ。


「薄着のようで暖かいね!」

 グーシャがぴょんぴょん跳ねるのじゃ。可愛らしいのう。

「ウチ、こんなヒラヒラしたの落ち着かないよ」

 アカミはワンピース風ドレスに慣れるまで辛抱じゃのう。


「私はこの服が落ち着きますね」

 ルナはやはり巫女なのじゃろうのう。そして、次は武器じゃ。

 と言っても非力なルナ達に振るえる武器は少ないのじゃ。護身用や補助じゃのう。


 ルナは杖を新調して魔法の補助を、グーシャはメリケンサックを、ジーザスは短刀を、アカミはなんでも扱えるそうでロングソードを作ってもらったのじゃった。

 ワシは当然、刀なのじゃ。ジーナはと言うとまた迷っておったのじゃ。


「それならこんなのはどうかな?」

 シェイさんの息子さんのロンさんはライフルを見せてくるのじゃ。

「遠距離に特化してみるのもよいかもしれんぞい」

 ワシがそう言うと、頷いたジーナはスナイパーライフルをスコープ付きで作ってもらったのじゃった。


「ここまでしてもらったのじゃからキチンと応えようなのじゃ!」

 ワシの言葉に頷いたルナ達は、今後について話し合うために、まずはシェイさんの娘さんリンリンさんの所へと向かうのじゃった。

装備を整えたワシらじゃ!


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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