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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
大きな力編

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第132話「仕組み」

ポン様と別れ、巫女サーミさんから話を聞くのじゃ。



 ポン様はバクト街から南に進むとナイ村という村があるが、この街の仲介をする人間がいるだけでギルドもない事を言うのじゃ。

 じゃから南東に進めば良いと言われるのじゃ。南東にあるのはホウジョウ街という名前の街だそうじゃ。

 道はないそうなので草むら掻き分けるしかないよのう。


 ワシらはポン様に礼を言って、バクト街から出ようとしたのじゃ。するとサーミさんに声をかけられたのじゃ。

「名前を変えたくなったらまたいつでも来てください。そういう人もいつか出てくるでしょうから」

「ちなみにワシの名前も変えられるのかのう?」

 サーミさんは驚いたのじゃ。

「変えたいのですか?」


「そういう訳ではないのじゃが、変えられるのか聞きたかっただけじゃ」

「神様の名前は上位の神様に決められているので変えることはできません。人の名前だけ、変えたい名前に身分証をこの水晶に込めて魔法ネットワークに流すことで変えられるのです」

 サーミさんの言葉は変じゃった。それはギルドでも出来るのではないのかのう?


「ギルドでは改名を許可されていません。私たちのやっている事は違法行為です。それでも許されているのは、この街がポン様の支配下だからです」

 そういえば身分証のシステムがよくわからんのじゃ。


「身分証のシステムですか? それは街で生まれたり住んでいるだけでは貰えません。ギルドや教会の承認等を得て作られる特殊なカードなんです。主に旅に立つ人が持ちます。その場にいるだけなら顔見知りで済みますからね」


 ルナとジーナは確かに旅に立つまで持っとらんかった。グーシャは商人の娘じゃから街の間を移動しとったのじゃろう。

 ジーザスも施設を移動する上で必要だったのかもしれんのう。アカミは才能の修行に村から出ることも多かったそうじゃ、そして村に戻った時に襲われたんじゃな。


「身分証は大人でも持ってない人もいます。ですが店を構えたり冒険をする上では欠かせません。コン様が接する人の多くは身分証を持った人達でしょうけどね」

「例えば働く上では身分証が必要な場合はないのかのう?」

「ありません。給料は手渡しの場合が多いです。顔を覚えていたら身分証なんて見せなくてもわかりますから」


 ワシはガチガチに管理された世界から来たからのう。不思議な気分じゃ。

「とはいえ、街の外に出たら身分証を見せるように言われますし、見せなかったらギルドに連れて行かれ、その人が誰かを聞かれます。

 水晶で見れば、その人が誰なのかを調べられますので。それを上書きするのが私たちなんですよ」


 ワシはもっと詳しく聞くのじゃ。かなり興味深い話じゃ。

「まず世界に人が生まれた時、その血で名前を書きます。それが世界に刻まれます。例えば名前を親が決めなかった場合、神様から名前が送られてくるそうです。

 それを魔法ネットワークが拾うのですが、ポン様の神力で上書きしてしまうんですよ。それが改名です。この街は賭博の街として有名ですが、改名の街としても有名なんです。

 わざわざポン様に会わなくても、水晶で改名させる事ができます。水晶に溜まった改名をポン様がその日のうちに飛ばすだけなので」


 なるほどのう。色々と仕組みがわかったのじゃ。名前は人の体と身分証に染み付いとる感じかのう? それを強制的に変えてしまうんじゃな。

 じゃがそれを望むものおってそれを利用したのがニャルたちだったわけじゃな。

 罪人の名前をとでも言っておけばいいわけじゃしのう。


 ワシ、もう一個疑問点あるんじゃ。もしやと思うのじゃが聞いてみるのじゃ。

「この国は奴隷制が大きく使われとるのかのう?」

「そうですね。優秀な人材は魔法使いの奴隷として首輪を付けられます。自分では外せませんし、奴隷の首輪の付いてる人間は逃げられません」


 グーシャがワシの手を握るのじゃ。

「大丈夫じゃ、ワシはグーシャをそんな風に扱ったりせんわい」

 それを聞いたアカミがグーシャは奴隷なのかを聞いてくるのじゃ。

 それに頷いたグーシャを見たアカミは、自分もワシの奴隷にして欲しいと頼むのじゃ。


「自分から奴隷になりにくるとはまた、じゃが扱いは同じじゃぞ? よいな?」

「うん、気分の問題だよ。コン様の奴隷だという事が、ウチがコン様のために尽くす理由になるよ。頑張って尽くすね」


 やれやれ、まぁ人を殺しまわってしまったグーシャとアカミは、奴隷扱いするくらいせねば世界も本人も納得せんじゃろう。

 しかし、ミカ村の人たちが奴隷になっとるのは、早く何とかしてあげねばならんのう。


 ワシはジーナの方を見て言ったのじゃ。

「最悪お金で買い奪うくらいせねばならんかもしれんのう」

「その役に立てるなら私はそれでいいよ」

 そこにサーミさんが割り込むのじゃ。

「これが今回の換金額です。お受け取りください」


 このお金も役に立てばいいがのう。ワシらはホウジョウ街に向けて出発したのじゃった。

 草を掻き分けるシーフの後ろにスライムに乗りながら並び魔物を倒していくワシらじゃ。


 暫く夜も徹夜でスライムで進みながらホウジョウ街へと進むのじゃ。そうして道が見えてきて、道に入り、そのままスライムを急がせホウジョウ街に着いたのじゃった。

さて次は情報集めからじゃぞ。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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― 新着の感想 ―
この世界の名前のシステムは面白いですね! 水晶でバレてしまうなら、確かに罪人には逃げ場がなさそうです。 何処へ行っても身分を尋ねられた瞬間に罪までバレてしまうとなると、 何もさせてもらえないのではと。…
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