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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
大きな力編

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第131話「狸依ポン様」

ポン様の、ポン様なりのやり方を聞くのじゃ。



 ワシはこの狸の神に興味を持ったのじゃ。狐と狸、何か縁があるかもしれんからのう。

「のう、ポン様? お主は何故こんなところで街を作って賭博の街なんて運営しとるんじゃ?」

 するとポン様はニヤリと笑って言うのじゃ。


「賭け事は楽しい。負けると悔しいが、またやりたくなる。儂は前世ではギャンブラーだった。

 借金を背負って返しきれず友達を裏切って借金を背負わせた。そしてその友が自殺して自分の罪を背負った。

 儂はせめて今世では楽しくギャンブルをしたいと思い、この街を作ったのだ」


「ギャンブルをすれば必ず不幸なものが現れるのではないかのう?」

「当然そう思うわなぁ? だが儂が管理してるからな。ここに来る富豪から少しづつ搾っていって、貧しくなってきた人には分け与えていく。

 お前さんがしたように、幸運を与えたり盗ったりしてるのさ」


「それはギャンブルとしてはつまらんのではないかのう?」

「まぁ操作されるのは普通の賭博場でもよくあることさ。大勝ちすれば大負けする、ちょっとずつ勝ったと思ったら負ける、負けたと思ったら突然勝つ。その繰り返しの中で長くギャンブルをできるように儂が神として安定させるのさ」


 街の運営も大変じゃろうが、そういうのも含めて人を幸せにするように仕組みを作っとるポン様じゃ。

 ギャンブルは本来、人を狂わせる力を持っとるからのう。そんな人にも楽しくギャンブルをしてもらう為の街なのじゃろう。


 イカサマ臭がするが目を瞑ろうかのう。ワシもしたしのう? ギャンブルで生活するバクト街じゃ。

 ポン様はここで巫女を変えて生きておるのじゃろうか?

「巫女か? ワハハ、そうだな。巫女の中にはギャンブルが好きな者も少なくない。ちなみに、神ができるギャンブルも作らせてある。行ってみるか?」


 ポン様に連れらていったのはトランプのある台だった。

「儂の神力で作ったトランプだ。もしワシにトランプで勝てたら一つ、有益な情報をやろう」

「ワシの勝利条件はなんじゃ?」

「儂とポーカーをして一回勝負で、ワシに勝てたらそれでいい」

「運を分け与えて貰うのはいいのかのう?」

「勿論だぞ、儂もサーミからもらうからなぁ?」


 ワシは椅子に座り、ポン様と相対するのじゃ。ワシはルナとジーナから運を分け与えてもらうのじゃ。

 ジーナの肩に乗っとったフェニ子も飛んできてワシに力を与えるのじゃ。

「あたいも応援してるわよ! 勝ちなさいな!」


 サーミさんが配ったカードを見るワシは直感で、ある役を狙ったのじゃ。三枚捨て、引く。ワシはその後何の役が出来たのかを見んまま伏せたのじゃ。

「あまりに酷い役でやり直したいなら仕切り直しでも良いぞ」

「構わん。ワシには確信があるのじゃ」


 伏せたままにしとるワシに不敵に笑ったポン様は、勝負と言ってカードを出したのじゃ。

「5のファイブカードだ」

 ジョーカーは一枚あると言っておったからのう。じゃがワシの勝ちは決まっておる。伏せておっても分かるのじゃ。


 神力で出来たトランプは幸運で光るようじゃ。じゃからワシに幸運をもたらせてくれるはずなのじゃ。

 実際ポン様が引き直した時も光ったし、ワシが引き直した時も光ったからのう。

 光り輝くカードを表に返すとそこにはある役があったのじゃ。


「ハートのロイヤルストレートフラッシュか。幸運で且つハートであるのが重要だな。その道を進むといい」

 そしてワシが勝った証にある情報をくれるのじゃ。

「これは名前を変えていった、魔王と思われる人間のリストだ。討伐用として置いてあるリストだが、お前さんなら上手く活用するだろう。


 ワシは何故その場で討伐せんかったのか聞いたのじゃ。

「お前さんと同じさ、同情したんだ。何とか助けたかったが、名前を変え終わったらすぐに去る彼らを止められんかった。

 そして討伐するために置いてあると言ったが、討伐する気でいる奴には渡す気はなかった。それなら儂がやっとるわってな!

 そこへやって来たのがお前さんだ。お前さんなら救えるかもしれんのじゃないか?」


 ワシは考えながらエンジの事を話したのじゃ。エンジのような者もおるじゃろう。いくら説得しても死なねば報われない者がのう。

 ポン様はそれを聞いて、ワシに近づき肩を叩くのじゃ。


「救えぬ者もおるのはわかった。だが救える者は救ってくれるんだろう?」

「当然じゃ! ワシはできる限りをするわい!」

「ならいい。お前さんに任す! 頼んだぞ!」

 魔王の改名リストを受け取ったルナを見ながら、ワシは尋ねるのじゃ。


「じゃが何故改名をわざわざするのじゃ? 制御できんなら改名しても街では生きられんじゃろう?」

 するとポン様はある話をするのじゃ。

「時間が経つとある程度なら魔物を制御できるようになる者もおるようだ。それらは改名をし、ギルドに偽名で登録することで、生計を立てとるらしいぞ。とはいえ、バレたら殺しにくるだろうがな」


 そうじゃったのか。そう言えば以前ポッポー様が相手をしていると言ったオーガの魔王もまたそういう制御したタイプかもしれんのじゃ。

 ワシはなったばかりの魔王ばかり相手してきたからのう。生き残りの魔王の情報は有益じゃ。

 そやつらを救えるかどうかはわからんが、ワシの力の限り救ってみせるとポン様に誓ったのじゃった。

魔王の情報は凄く役に立ちそうじゃった。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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― 新着の感想 ―
1度は罪を犯した人達の更生を信じて手を貸すポン様とは、やり方は違えど分かり合える部分は多そうですね。 託されたリストは、ただのリストではなくて、ポン様の思いも沢山乗っているんだろうなぁと想像しました。…
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