第11話「添い寝」
アレはせんぞ。
「コン様」
その声はジーナのものじゃった。ルナを起こさんように小声じゃった。
「一緒に寝ませんか?」
床に寝ようとしとるワシに対して言っとったのじゃ。ワシは起き上がってジーナのおるベッドまで行ったのじゃ。
「眠れんのかのう?」
「うん……」
ジーナは布団を握りしめて丸まっとったのじゃ。
「コン様」
「なんじゃ?」
「私……コン様となら……アレも……」
「それはなしじゃ。ワシはお主にそういう事をしたくはないのじゃ」
ワシは一応神様じゃからのう。まぁ日本の神様は子供を産んだりしとるし、案外そういうのもありかもしれんが……ワシはなしじゃ。
少なくとも今はのう。こんな状態の少女を犯したところで何にもなりはせん。
じゃから隣で寝転んであげたワシは、ジーナに仰向けになるように言ったのじゃ。
「どうして?」
「いいからいいから。さっさと仰向けにならんかのう?」
そして仰向けになったジーナのお腹を軽くポン、ポンと叩いてあげたのじゃ。
それを続けながら頭を撫でてやったのじゃ。するとジーナは眠ってくれたのじゃった。
「さて、ワシも寝るかのう」
今度こそ床で寝ようとしたら腕を掴まれたのじゃ。ジーナが寝ながら強く掴んできたようじゃった。
「……言い訳は明日の朝考えるかのう」
ワシは仕方なくジーナのベッドで寝たのじゃ。
朝は壮絶じゃった。ルナの悲鳴で目が覚めたのじゃ。
「なんじゃなんじゃ!?」
「なんでコン様とジーナが抱き合って寝てるんですか!?」
気づいたらワシ、ジーナに抱きつかれとったのじゃ。
「不潔です!」
「ご、誤解じゃ! ワシ添い寝してあげただけで、やましい事は何もしとらん!」
ワシは添い寝をした理由を述べたのじゃ。するとルナはワナワナと震えてこう言ったのじゃ。
「それなら明日からは大きなベッド一つにしましょう。皆で寝れば怖くないですよ」
何でそうなるのじゃ? まぁルナとジーナがそれでよいならよいが……。
「私もそれでいいよ」
いつの間にか起きとったジーナが承諾して話は済んだのじゃ。
とりあえず朝食を摂って今後のことを話し合ったのじゃ。
なんでもこの辺りにはゴブリンという魔物が出るらしいのじゃ。
ワシはルナの方を見ると、ルナは頷いたのじゃ。
「マザーの街を滅ぼしたのはゴブリンの魔王なんです。この街には恐らく居ませんが、この街の近くのどこかの街に潜んでいるはずです」
そのゴブリンの魔王から生まれたゴブリンがここまでやってきて人を襲っとるようなのじゃ。
とはいえ、どの街に潜んでいるかはわからんらしいのじゃ。ここから西に進むとエフ街という滅んだ街があるらしいのじゃ。
そこには恐らくおらんじゃろうということじゃ。人の居なくなった廃墟とかした街には何もおらんらしいのう。
ここから東へ進むとシー街という街があるらしいのじゃ。そして北東に進むとディー街、北に進み少し西へ行くとイー街があるらしいのう。
ワシらはとりあえず身なりを整える事にしたのじゃ。
エー町ではあまりいい服がなかったからのう。このビー街で少しでも身なりを整えて、戦いに挑むのじゃ。
とはいえ武器などは意味を持たん。ルナは祈りのポーズで魔法が使えるし、ジーナはネックレスからスライムが出て戦うのじゃ。
ワシはステゴロじゃのう。
じゃから防具を身につける事にしたのじゃ。とはいえ重いものは意味がないのじゃ。
「肌着はこれにしましょう」
それは一件布のような肌着じゃった。じゃが店主が刃物を持ってきて刺しても破けんかったのじゃ。
「不思議なものがあるのじゃのう」
「これを当分は私とジーナは着ます。後は普段の服を上から着たらいいでしょう」
ルナとジーナの分を二枚ずつ、合計四枚買ったのじゃ。
そして試着室で着替えた二人は、古い肌着を防具屋に売ったのじゃった。
「ワシ思ったのじゃがのう?」
「何ですか? コン様」
「頭も守った方がよくないかのう?」
「確かに……」
するとジーナが帽子のある方へと走っていったのじゃ。
ルナとジーナは気に入った帽子を被って見せたのじゃ。どれも似合っとったのう。
やがてルナはピンクの帽子を、ジーナは水色の帽子を選んで買ったのじゃった。
巫女服のルナはピンクの帽子が合うか悩んどったのじゃが、そんな事気にせんでよいわい。
ワシが大丈夫と言ったら大丈夫なのじゃ!
ワンピースのジーナは水色の帽子がよく似合っとったのう。
そうして防具を揃えた後、金を使ったのじゃから稼がねばならんとギルドに向かったのじゃ。
ギルドには役員さんがおって困り事に対する依頼などを受け付けとったのじゃ。
ルナはギルドの役員さんに何か良い依頼がないか尋ねたのじゃった。
服装について今後でたり出なかったりじゃ!
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!