9/13
8
黒炎の病が
少女の体を灰にする
君の宿敵が
少女の命を灰にする
優しい2人が懇願する
治してほしいと縋り付く
君の宿敵が不敵に笑う
治してみろと舌を出す
君は無理だと口にして
罪禍の家を飛び出した
ごめんなさい
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
君はどこ?
どこにいるの?
雷鳴轟く麦畑を
耳を塞いで駆け回る
行かないで!
お願い助けて!
優しい2人の叫びを
心を塞いで聞かないように
無力な詩人は
無力な医者を探してる
道の向こうに小さな影
自惚れの雨を背負いながら
雷を怖がる子供がいた
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私と子供は出会う
無力な私たちは見つめ合う
子供は何かを叫ぶけど
塞いだ耳では聞こえない
私は何かを言いかけるけど
塞いだ心に堰き止められる
受け止めなければならない
私も、子供だということを
腕を下ろし
心を開き
じっと
聴く
嫌
怖い
苦しい
恐ろしい
無力なのが
言い訳となって風が吹く
だけど私は
飛ばされない
震える鼓膜に
動じない
目の前の子供に
言ってやろう
臆病な君に
言ってやろう
「私は今から大人になる」
「だから君も、大人になって」




