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街歩きは旅の基本
君は仕事で私は暇です
耳を澄ませば水が沸き
目を凝らせば火花が見える
蒸気機関で動く街
彼の歯軋りが音楽を奏でる
傲慢な私は指揮台に立つ
奇怪の目こそが私の聴衆
機械の街こそが私の楽器
指揮する指先に水滴が宿る
汗と蒸気が混ざり合い
生まれた楽譜を指でなぞる
音符が私の指に纏う
指を振る度に音が鳴る
遠くの方にも奇怪の目
リズムに合わせて君が来る
何やってるんだと君が問う
仕事終わりの君が問う
指揮棒振り上げ私は言う
頬をつついて私は言う
「これにて閉幕。お疲れさま」




