12/13
挟まれたメモ用紙2
献上歌:風邪
我らが蝶
かぜに吹かれて
海岸にゆく
砂浜に咲いた
花の水を啜ると
満潮の波に誘われて
海の中を覗く
ひらひらと漂い
ゆらゆらと揺れて
ぐるぐると沈んでいく
ふわふわした感覚の中
我らが蝶は夢に落ちた
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
献上歌:木
栄華を極めた王の樹木
滴り落ちる文明の樹液
寄りつく虫は雑種にあらず
我らが蝶は羽ばたきをもって
黄金の庭を砂にする
王の樹木は天を貫く
貫く先に宇宙はあらず
我らが蝶は舞い上がる
樹液まみれの害虫を払い落とし
先なき樹木の庭を目指す
進む先に宇宙はいらない
温かい家庭が、ありますように




