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第10話 感染

 ガキンッ !

 

 二人の剣が音を立てて、激しくぶつかる。

 

 先ほどまで中級騎士たちと話をしていた場所に目をやると、三人が倒れている。


(なんで)


 私は急いで倒れた三人のところに戻り、傍に駆け寄ると、騎士二人は「う……うぅ……」と声にならない声を発している。


「おい! おい!! 私の声、聞こえるっ!!!」


 倒れた三人の両肩を一人ずつ順番に叩きながら、意識と体の状態を確認する。

 三人とも見たところ出血はなく、剣で斬られた様子はない。

 素手で殴られたか、蹴られたかして倒された可能性が高い。

 

 騎士二人はうめき声をあげているから意識はある。

 晴魔術士は意識を失っているものの 、胸部が規則的に上下しているので呼吸はできている。

おそらく死んではいないだろう。


「うぅ……」

 晴魔術士を護っていた騎士がうつ伏せの体をわずかに起こす。


「神子様、ご無事で……」


「待って! 無理に動かないで、そのまま!!」

 私は騎士の傍に行き、ゆっくりとうつ伏せになっている体を横向きの体制に変える。

 警察学校時代に叩き込まれた救急法。意外と覚えているものだ。


「痛いところはどこ! 話はできる?」

「はい……。腹を強く殴られたのですが、怪我はないと思います……」 


 晴魔術士が気を失っている以上、今、治癒魔法をお願いすることはできない。

「後で必ず治癒魔法をかけてもらって」


「……はい」

 力ない声だ。


「戦えそうに ないね」

「申し訳ありません……」

「せめて、身を隠さないと!」

 とは言うものの、下手に動かすことは避けたい。

 外傷がないから無傷という判断をしてはいけない、内臓や脳にダメージを受けている可能性があるからだ。


 辺りの様子をうかがうと、姿は見えないが剣を交える金属音はまだ近い。

 とてもじゃないが、私の力では彼らを守ることはできない。何とか戦っている二人をこの三人から遠ざけなければ。


 しかし、なんであの中級騎士がカラと戦っているんだ?

「なんで あの二人が戦ってるの!?」

 自ら体を動かし、仰向けの体制になった騎士に尋ねる。


「発症……したのです。我々……騎士も人間です」

「感染したってこと!?」


「そうです。騎士は……穢れ人と対峙します。ゆえに感染のリスクが……常にあるのです」

 苦しそうにしながらも、騎士は話を続ける。


「特に、中級以上の騎士は我々初級とは違い……中度以上の穢れ人の対応を行っています。強い穢れにさらされる機会が……多いのです」


 ゴホッと彼が咳き込んだ。


「もういいっ!! 喋らなくていい!!」


「神子……様」

 別の方向から声がする。

 声のする方を向くと、もう一人の騎士が頭を押さえながら四つん這いになっている。


「横になってて!! 起き上がらなくていい!!」

 頭を押さえているということは、頭を殴られたということか。

 ただでさえ鍛えられている上に、筋力強化された状態の人間に殴られて、よく頭が割れなかったものだ。


「大丈夫! 足払いをされ頭を強打しただけです」

 

(頭殴られたんとちゃうんかーーい!!)

 思わず心の中でツッコミを入れる。


 彼はゆっくりと立ち上がると、頭をさすりながら傍に寄ってきた。


「頭、大丈夫?」

「ちょっと痛くて軽くめまいもするけど、大丈夫だと思います」

「あなたも 後で治癒魔法をかけてもらって」


 頭は特に注意が必要だ。頭痛や嘔吐があったら、くも膜下出血などの恐れが多分にある。

 晴魔術士の意識が戻り、治癒魔法をかけてもらうまでは二人とも油断はできない。


「はい、ありがとうございます」


「ところで、彼は……初なの?」

「はい。 初めての発症です。だけど 一般人とは違って、普段から鍛錬をしているから身体能力が高いんです。中度の奴より厄介だと思います」

「さっきの男といい、元が筋肉ムキムキは厄介なんだなぁ」


 カラに加勢したいが、とても私が手に負える相手ではない。どうしたものか……。


(そうだ!!)

 漫画のように頭の上で電球がピカーンっと光った。


「あなた魔法が使えるでしょ! それでカラに加勢しよう!」

「確かに俺は風の魔法を使えますけど…… 」

「風ならカラと一緒じゃない! あいつは風を球体にして穢れ人を地面に押しつけてた! それやって!」


「無理、無理!! そんな高度な魔法は無理ですっ!!」

「え? カラは簡単に使ってたよ」


「レイーニア副団長は身体、戦闘、魔法とすべての能力において王宮騎士団内でダントツトップなんですよ!!」

「えええっ!? あいつが!!」

「神子様、驚きすぎです……」


 だけど、なんとなく納得はできる。

 最初の戦闘 やさっきの戦闘、いずれもカラは大きな怪我を負っていない。それどころか的確に攻撃をくらわせ確実にダメージを与えているように見える。


 何よりも、素早く危険を察知したカラに私は助けられた。

騎士というか戦士として培われた能力なのか、単なる勘なのかはわからないが、カラが 突き飛ばしてくれなかったら、中級騎士に剣で真っ二つにされていただろう。


 カラは今日、三戦目だ。さすがに疲れが出てきてもおかしくない。しかも相手は今日一番の強敵。


「なにか、私にできること……できること……」


 腕を組んで「うーーーん」とうなりながら、天を仰ぎ見ていたら、ふわっと潮の香りが鼻先をかすめた。


(そうだ!!)

 再び電球ピカーン。


(水中なら、私でもなんとかなるかも)


私は周囲の気配を探るように耳をすます。戦っている二人とはかなり距離が開いたようで、金属音は微かに聞こえる程度になっていた。

ならば彼らをここに残しても問題はないだろう。


「カラに加勢してくる! あなたはここで待ってて!!」

「え、ちょと、神子様!」

「チホ! 私はチホ! 神子って呼ばない!!」

「はい!」


「じゃあ、行ってくる!! 二人のことは任せたからね!」

「わかりました」


 走り出そうとして騎士に背を向けたが、「そうだ」と思うことがあり、くるりと体を反転させ


「これ、持ってて」


 慌てて警棒や無線機、拳銃などがついた帯革(たいかく)を外し、警察手帳とスマホの入った制服の上着も脱ぎ、騎士に渡そうとしたが__


(待て。水中に飛び込んだ後、どうする? 私が浄化をしたら相手の意識はなくなる。意識の無い大人の男を女一人で陸にあげるのは不可能だ)


 帯革と脱いだ上着を手に持ったまま、自分の考えに立ち尽くす。

(何か、浄化も救助もできるいい方法はないか!?)


自分の能力の無さが悔しくて仕方がない。

(考えろ! 必ず策はある!)

 うつむき、瞳を固く閉ざし考えを巡らすが、考えれば考えるほど頭の中がこんがらがってくる。

 焦るなと言い聞かせたとて、焦りは加速するばかりだ。


「チホ様?」

 不意に声を掛けられて我に返り、 騎士の顔を見た。すると、彼の背後にあるロープが目に飛び込んできた。


「あれだ!!」

 急いでロープに駆け寄る。

 太くもなく細くもない、丁度いい太さのロープ。長さも優に20メートルはあるだろう。強度も文句なしだ。

(これさえあれば、いける!)


 手にしていた荷物を地面に置くと私はロープの先に輪を作り、 続いて帯革に装備されている手錠ケースから手錠を出し、折り紙の輪飾りの要領でロープで作った輪に片方だけ手錠をかける。


「よしっ!」


 ロープに繋がれていな方の手錠をズボンのポケットに入れ、残りのロープを担ぎ、再び帯革と制服を持って騎士の所まで戻ると

「これ、持ってて!! 後で取りに来るから!」

唯一立ち上がっている騎士に 倒れた二人と私の装備品と制服を押し付けて、微かに聞こえる金属音を頼りに、腰にぶら下がった手錠をカチャカチャと鳴らしながら、二人が戦っている場所へと急いだ。



 市場の出口が近づくにつれ、 聞こえてくる金属音は大きくなっている。

(もうすぐだ!)


 市場を出ると大きく視界がひらけた。

 係留された漁船、誰もいない港。

(どこだ?)

 頭を左右に振り、二人の姿を探して視線をめぐらせる。


(いた!!)


 港の端にある突堤で剣を交える二人がいた。

 距離にして50メートルほどだろう。


(よしっ!)

 気合を入れて、猛ダッシュ!

 さすがに全速力に近いスピードで走ると心臓が暴れる。

 短距離走やダッシュは本当に苦手だ。

 

 息を切らしながら、なんとか邪魔にならない位置までたどり着いた。

 カラたちとの距離は、10メートル弱ってところか。

 大きく深呼吸をして荒ぶる心臓を整えながら、ロープをおろし、履いている靴を脱ぐ。

 

 幸いにして突堤には柵などは設置されていない、これなら海に突っ込める!

 二人の戦いを目で追いながら、海に突っ込める位置とタイミングを計る。


 中級騎士の攻撃は力任せに剣を振るっているようにしか見えない。

 対してカラは 、ガキッ! ガキィン!と音をたて一太刀、一太刀を見事にさばきながらも、巧みに蹴りや剣の柄などで攻撃を加えている。

 

 さっきの騎士が言っていた言葉が 脳裏をよぎる。


『レイーニア副団長は身体、戦闘、魔法とすべての能力において王宮騎士団内でダントツトップなんですよ!』

 

 中級騎士に全く押される様子はない。 それどころかカラの方が優勢だ。

 一般人とは違い、騎士相手だからか全く容赦していないということもあるだろう。


「カラ! 足! 足を狙って攻撃してっ!!」


 声を張って指示を飛ばす。

 カラはチラリと視線だけを私に向け、すぐに中級騎士に戻した。


 中級騎士が大きく振り下ろしてきた剣をガキーンッ!! という音を響かせカラの剣が受け止める。

 騎士が剣を振り下す力を緩めないでいると、カラは真横に構えていた剣の先を少しだけ下に向けると同時に、自らの右足を後ろに引く。

 すると、中級騎士の剣は誘われるようにカラの剣の先へと滑り落ちて行き、騎士の体もまたカラ目がけてつんのめってきた。

 カラは崩れ落ちる騎士の体を避け側面から、右膝裏に強烈な蹴りをぶち込んだ。

 

 蹴りをくらった方の足からガクンと力が抜け、バランスを失った中級騎士の体がふらつく。


(今だっ!!!)

 

 私は渾身の力を込めて再び猛ダッシュし、ふらつく中級騎士の腰を目がけて猛然とタックルをぶちかます。

 連日観戦していたラグビーワールドカップの見様見真似なんだけど、やってみるものだ。


 片足の力を失っている上、不意をつかれた騎士は完全にバランスを崩し


 ザッパーーーーーンッ!!!


と、大きな水飛沫をあげ、私とともに海へダイブ!


 海中で騎士は私を体から離そうと激しく暴れるが、やはり思うようには動けない。

 予想どおり水中では陸上のような速さや強さはないらしい。


(いける!!)


 両腕をしっかりと騎士の体に密着させ、気持ちを落ち着け意識を集中する 。

右腕が光を纏ったと同時に、騎士の体に浄化の力を注ぎ込む。


 「カハッ!」と騎士が大きく口を開けた瞬間、騎士の体から黄金の粒子が飛び出した。

 まるで金色の夜光虫が私たちを取り囲んでいるかのように辺り一面が金色の光の粒で覆いつくされる。

(よし! 浄化完了。ここからが勝負だ!)


 騎士の体が沈まぬように左手で騎士の服を掴み、右手でポケットから素早く手錠を抜き取って、再び騎士の腰に手を回す。

 手錠が左手に触れたところで、左手は服を掴みながらも人差し指を手錠にひっかけた。

手錠が左手に渡ったと同時に右手は手錠を放し、服を掴む。


(よし!)


手錠を持った左手を前に持ってくると、陸へと延びるロープに手錠をかける。


(よっしゃ!)


無事、騎士の体にロープが巻けた。

後は引き上げる時の態勢を考慮して手錠部分を背中に回し、私は海上へと急ぐ。

 

「ぷっはぁーーーっ!!!」

 勢いよく海上に顔を出し、突堤の方を向くと、両手でしっかりとロープを握っているカラの姿があった。

 よかった。カラだったらロープの意味を必ず分かってくれるって信じてたよ!

「カラ、急いでロープ引いて!!」

「そうだろうと思った」


 カラが腰を落としてロープを引くが、ほとんど動く気配がない。

 なぜ!? これならば、すぐに引き上げられると思ったのに。

 浄化もできたし、救助す るための準備もすべて整えたと思ったのに。

(カラの力だけじゃダメなのか!)


 現実の厳しさに目の前が真っ暗になりそうなったところ__


「レイーニア副団長~、チホ様~」

 この声は、さっき私が荷物を押し付けた騎士の声! これぞ天の助け!


「おーーいっ! こっちっ! こっちーーっ!!」

 

 声を張り上げながら、バシャバシャと海水を狼煙のごとく空に向かって掬っては飛ばしを繰り返したところ、すぐに私の荷物を抱えた騎士が残りの二人とともに突堤に姿を現した。

「荷物、その辺に置いていいから、すぐにカラと一緒にロープを引いてっ!」


 面食らった顔をしながらも、すぐさま荷物を置き、三人はカラと一緒にロープを引っぱり出した。

 ロープは皆の力でぐいぐい引かれ、たちまち 中級騎士の体が海上にあらわれた。

 最後はカラと荷物を持っていた騎士の二人がそれぞれ中級騎士の脇に手を入れて陸上へと引っ張り上げた。

 

「カラ! 彼、意識ないから心臓マッサージと人工呼吸、お願い!」

「はぁっ!?」 

 うわ、ものすごく嫌そうな顔をしてる。

 それでも、やってもらわないと死んじゃう!


「早く! 早く!! 人命救助は時間との戦いなんだから!」


 男同士のキスシーンが見たくて急かしているのではない。本当に人命救助は時間との戦いなのだ。

 突堤につかまりながら、彼を急かすが一向に動こうとしない。


(あれ、もしかしてこの世界では心臓マッサージとか人工呼吸ってないのか? でも、さっきの嫌そうな顔は知ってるってことだよねぇ。ささっと腹を括ってくれ!)


「大丈夫です。僕が助けますから」

 遅れて駆け付けた晴 魔術士 が疲れた表情で言った。


「あなた、大丈夫なの!? 怪我は!?」

「怪我はありません。僕は自らに魔法をかけ、倒れたフリをしていただけですから。ただ、縄を引くのが 少々きつかったですが」

 晴魔術師は希少だから生き延びるためには死んだふりも必要なのだろうが、一人だけ痛い思いをしていないなんて、少々腹が立つ。


「神子さまの声はしっかり聞こえていましたから 、騎士のお二人にも治癒魔法をかけておきました」

「ありがとう。それと、私の事はチホって呼ぶ!!」

「そうでした。チホ様」

 そう言うと、ニコリと可愛らしい笑顔を向けてくれた。


「こちらの騎士は意識を失った状態なので、異常回復魔法が良さそうですね」

「そうだな」

「それでは」

 先ほどと同様に手のひらをかざす。


「リカバリ」

 

 オレンジの光が中級騎士の体全体を覆い、体内へと吸い込まれていく。


「がはっ!」

 騎士は口から大量の海水を吐き出すと同時に目を覚ました。


「ここは?」

 ゆっくりと上半身を起こした騎士は、不思議そうに辺りを見回している。


 自力で突堤を登りながら様子をうかがっていたが、中級騎士が無事に意識を取り戻したことに安堵し、ようやく私自身も陸に上がり、上がると同時に自分の状態に気が付いた。

(うっわ、完全にビチャビチャ……)

 

「チホ様、お預かりしていたものをお返しします」

 帯革を包んだ制服を私の前に差し出す。

「ありがとう」

 騎士から荷物を受け取る。

(あ、手錠、手錠っと)


 中級騎士の傍に駆け寄って、ロープに繋がったままの手錠を手に取り、鍵を差し込んでロープから外した 瞬間、ハッと気がついた。


(あーーー! ヤバイ! 海水に濡らしてしまった!)

 海水に濡れた手錠を手に、(やっちまった)と思いガクンと肩を落とす。


(まぁ、アルミだから錆びはしないだろうけど……)

 少し落ち込みながらも 制服の上着で手錠を拭く。

 ひとまずはこれでいい。後で水で洗 えば問題ないだろう、多分。


「チホ、こいつらにも浄化の力を注いでやれ。感染の可能性を完全に消した方がいい」

 靴下を脱いでいる私にカラが言う。

「わかったー」

 私は急いで靴を履き、騎士二人の元に小走りに走り寄る。

「二人とも手を出してくれる」


「「はい」」


 私は一人ずつ、右手で彼らの手を握り、静かに浄化の力を注ぐ。

 幸いにして、どちらの騎士の体からも金色の粒子は飛び出してこなかった。


「あなたも浄化しておくわ」


 私は晴魔術士の手を握り、同じように浄化の力を注ぎ込む。

 すると、彼の体から少しだけ金色の粒子が飛び出した。


「この光は?」


 自分の体から出た金色の粒子を不思議そうに眺めている。


「穢れを浄化した時に出る光の粒。あなたの体にあった穢れが浄化されたのよ」

「感染していたということだ。幸い発症するほどではなかったようだ が晴魔術士も穢れ人対応をしているから、穢れを受けるのは当然のことだ」


「カラ、あんたにもやっておかないとね。今日は三連戦だったでしょ。あんたが穢れ人になったら シャレにならない」

「俺はいい!」

「よくない!」

 

 私は無理矢理、カラの腕を掴み浄化の力を注ぎ込んだが、彼の体から金色の粒子は飛び出なかった。


「問題ないようだな」

「そうみたいね」

 彼は当然だと言わんばかりの自信に満ちた顔を私に向けると、すぐに顔を引き締め騎士たちの方を向いて声を飛ばした。


「俺たちは先に王宮に帰る。今回の報告は俺からしておく。お前たちは奥で倒れてる奴の面倒を見てやってくれ」

「承知いたしました」

 四人が並んで直立不動の姿勢で応じる。


「みんな、よくやってくれた」

「お疲れ様」


(本当にみんなが無事でよかった)

 これで私もホッと一安心だ。


「早く来い。先に行くぞ 」

 いつの間にか、カラの姿が随分と先にある。


「ちょっと待ってよ! 私はあんたの馬に乗せてもらわないと王宮に帰れないんだから! 待ってって!!」

 慌ててその背中を 追いかける。


 日暮れ近い空に目を向けると、一羽の黒い鳥が西の方へと飛び去って行った。



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