プロローグなんてありません!これは平和の始まりなんです!
猫ちゃん、かわいいですよね。今回の章には出てきませんが。
モフモフ!
2020年 東京オリンピック開催
2021年首都直下型地震発生 被害はその推定を遥かに下回る東京都全体で20%の被害。凡そ40000棟の建物が被害なし
「おいおい。こりゃあねえだろ。」
俺は地面に散らばった瓦礫を退かしながら進む。被害が少なかったとはいえ本格的に被害が出たところは普通に酷かった。特に多摩市と八王子市間はとてつもない被害だった。俺達はその被害を受けた地域の瓦礫の撤去作業に来ていたのだが…
「僕も流石にこれは予測してなかったよ…」
夕立が多少よろめく・それに続くようにアイオワも
「何て言うか、その…いや…」
言葉を濁らせてしまった。
普段何事にも冷静に対応してきた二人でさえ動揺する始末。ここら一帯は何処よりも被害が酷い筈筈なのだが…
一同「「「何だこのお祭りのような活気は…」」」
丸く丸まる水平線
ガヤガヤ…
多くの人で賑わう被災地。これだけ賑やかだと不謹慎じゃないだろうか?と思わず呟いてしまう。自分達が何のために来たのか思わず忘れてしまった。だが俺はあることに気付き、これだけ賑わっていた理由が分かった。夕立とアイオワも分かったらしい。所々に積み上げられた瓦礫の山以外に瓦礫を一切見ない。全てここに来た人達が済ませたのだろう。それで今は感謝祭的なことをしているのだろう自分達が退かしてきた瓦礫はどうやら全てこの多くの人が既に済ませたものらしい。ところで、ここは女性が非常に多い。見渡す限り、見るのは女性女性女性、たまに男性。これは?と首をかしげていると、大きな音の音声アナウンスが流れた。
~霊宿の皆さん!今日は有難う御座いました!後もう少ししたら瓦礫を輸送する自衛隊の車輛が来るみたいです!来る前に終わらせられてよかったです!これだけ速く終わったのは皆さんのお陰です!なので今日はささやかながらお返しをしたいと思いましたので、楽しんでいってくださーい‼~
霊宿…聞いたことがある…というか自分達がまず霊宿だ。霊宿とは船の霊。通称「艇霊」と呼ばれる物を人間に宿したものである。そもそも一般人が連れてこられ、人工的に宿らされたのが始まりだ。その後、自然体も表れ、世間一般の間で一躍有名になった。そもそも霊宿はどれだけ船に詳しい人間でも知り得なかった存在。もとは隠されていた存在だから知らないのも無理はないが。秘密裏に実践投入されていたのである。かつて謎の艦艇軍「オリンピア」に十二分に相手ができる唯一の存在だった俺たちは、現役で活動している霊宿から「英雄」と称されている。過去に最もオリンピアとの戦いが激しかった頃、霊宿は世界中全て合わせて12人しかいなかった。そんな少人数で全線に出ることはすごいと言うことでそう呼ばれているらしいのだが…正直こっぱずかしい。
此所に居る大体の人間が霊宿だとしたら相当増えたものだ。俺たちを除いて123人。俺たちを入れて138人。今俺達は英雄と称された時代と、古くからいたが英雄と称され無かった世代の15人組を作って活動している。自分達の事を知っている霊宿は少なくなく、現在も活動している事を少なくとも知っている霊宿はいる。
そうこの状況。俺たちからするととてつもなく危険な状況だ。
緊張を募らせていると、すぐ近くを通った霊宿の何気ない話が聞こえてきた。
「そ、それは本当かい!?摩耶!今度見せてくれないか!?」
「良いよ。あんな骨董品、滅多に見る機会何て無いからしかとその目に焼き付けて帰りなよ~加古」
ホントに何気ない会話だ。すると油断した瞬間夕立が…
「骨董品ってどんなものなのだい?」
一瞬俺たちも、彼女たちも驚いた。夕立も一歩遅れて、ハッと我に返った。
刹那、会場中が一斉により盛り上がった
全く...と顔に手を当てる俺を見かねて夕立が
「す、すまないね...オタクの血が騒いだんだ...」
「いや...ああ、うん。次からは気を付けてくれよ」
すると今までボケっとしていた摩耶と加古が夕立に
「も、もしかしてあなたもゲームオタクで?」
「そうさ!僕もゲームオタクだ!」
おおっ!と盛り上がり、一瞬で馴染んでいる夕立を前に俺たちは霊宿達に囲まれていた。
するとそこに轟くような声で、叫び、静止を呼びかけ、整列を呼びかける声が響いた
「お前たち!彼らが困っているではないか!熱くなるのはいいことだが、まがいなりにも軍人だ!そのむね、忘れることがあってはならない!総員整列!敬礼!」
するとその声に反応した霊宿全員が、一斉に俺たちから離れ、整列し、見事な敬礼を見せた。その敬礼に反応したのは元陸軍元帥だったIOWAだった。
「ふむ...見事な敬礼だ!海軍とは仲が悪かったが、今一度彼との仲を考え直すのも悪くはない!」
「お前、その男のせいで霊宿になったのを忘れたのか?」
頭一つ抜きんで過ぎた身長(223.33)の日向がIOWAに苦笑いしながら言う。
「過去の事だ!気にしてて飯が食えるか!あーッはッはッはッは!」
その場にいた俺たち古参組は全員苦笑した。すると先ほど静止をかけ敬礼させた霊宿が俺たちの方へ来た
「すまないな。うちの者が。まぁ悪気はないんだ。許してやってくれ。」
「いや、別に気にしてないぞ。寧ろここまで人気があるとむしろ照れるな。昔はあんなにあどけなかったのに、すっかり大人になってしまったな。今のお前も好きだぞ、長門」
俺の何気ない発言に、長門が少しよろめき
「好きとは...そんな簡単に言うものではないのだぞ。扶桑。幼馴染でもそれは...いや、幼馴染だからこそ、揺れて、いくら手を伸ばしても届かぬものにそんなことを言われると、無性に悲しくなる」
長門がの表情が哀色に染まった。俺は長門の考えてることが分からず、首を傾げた。どういうことか聞こうと思い、後ろに振り向くと、古参組のメンバーが、ため息を吐き、その中で東が一言。
「あんた、最低よ」
「ッな...!」
と声を漏らした直後、IOWAに頭をひっぱたかれた。
「ぐお...!さっきから何なんだよ!みんなして!」
その時、俺は初めてみんなの考えていることが分からなくなった。
あぁぁぁっぁぁぁああ!
猫ちゃん可愛すぎんよぉぉぉぉぉおおぉぉおおおおおおおおおお!
あぁぁぁぁぁぁぁ!多摩ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!