無意味なんだね
僕は、よく泣いた
僕は、よく怒った
僕は、よく落ち込んだ
僕は、よく笑った
感情のままに生きてきた
今まで、ずっと
笑って、泣いて、怒って、落ち込んで
そんな風に生きてきた
でも
そんなことしてても
なんにも良いことはなかった
だから、僕は感情を押さえ込むことにした
冷静沈着に生きていこうと思った
そんな時だったかな
バケツをひっくり返したみたいな大雨の中
君がしゃがんで泣いていたのは
「なんで泣いているの?」
『悲しいことがあったの』
「なるほど。じゃあ、僕が笑わせてあげる」
性格を変えるのは得意じゃない
けれど、君のためなら
頑張れる気がしたんだ
泣くことをやめたよ
ぼくちんは、いつも笑ってる
君に笑ってほしいからね
面白い話をするよ
どぉだっていい話を
言って自分でケタケタ笑うね
君も乗って笑えるように
口角を上げて、目尻を下げて笑うんだ
こーんな風に筋肉を緩めてね
なははーって、さ
なんで悲しそうなの?
なんでまだ泣いてるの?
笑ってもらえないのか
はは、そうなんだ
なるほど
笑ってほしいのに笑ってもらえない
君は今度はぼくちんを心配し始める
心配してほしいんじゃないんだ
ただ、笑ってほしいんだ
ああ
ぼくちんが頑張るのは
無意味、なんだね