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※タグにも追加しますが、この話には少し残酷な表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。

 



「ミリアン!大丈夫かい?」


「は、はい……私は大丈夫ですディズ様」


「……セレス、どうしてこんなことをしたんだっ?!」


「あ……わた、し……っ」




 青い顔をして駆け寄ってきたディズは、ミリアンさんの方を起こしに行き――私には、今まで見たことがない怒りの表情を浮かべながら叫んだ。


 その剣幕に気圧され私は言葉を紡ぐことさえできず、血の気が引きただガタガタと身を震わせる事しかできない。


 どう考えてみても、この状況は私にとって分が悪い上に――何かを言ったところで言い訳にしかならないと思う。




「君がそんな子だったなんて思いもしなかったよ……二度と俺の前に姿を見せる…なっ?!」


「きゃあっ!!ディズ様っ?!」




 私が何も答えられず俯いていたら、ミリアンさんの悲鳴に反射的に顔を上げ――視界に映る光景に我が目を疑った。



 ディズの腕に、デイズが食らいついている……家にいる筈のデイズが、どうしてここに?




「くっ…離れろ!!」



「っ?!デイズッ!!」




 ディズの腕に食らいついていたデイズが、彼によって地面に勢い良く叩きつけられる。グシャッと嫌な音がして、私は慌ててデイズの元に駆け寄りその身体を抱き上げた。


 ヒュウヒュウと、か細いながらも息をしているけど――多分もうデイズは助からない。



「ディズ様に怪我をさせるなんて、随分野蛮なモノを飼われてるのね。しかも似たような名前まで付けて……無礼にも程があるのではなくて?」


「ミリアン、良い。もうこの者に構うな……行くぞ」


「っ……許さない」


「何か仰いまして?」




 デイズを殺した事に対してまるでそこらの小石を蹴った程度の二人の反応に、私の心は一気に冷え切ってゆく。




 許‥さない……許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないゆるさないゆるさないユルサナイユルサナイ!!!




 怒りに身を任せて、高ぶった魔力が私の体内から一気に放出されると共に――辺りが真っ白な光に包まれる。



 自分でも何の魔法を使ってしまったのかは分からないけれど……ディズやミリアンさんの姿だけでなく、私の身体も見えなくなっていく。




 自分という存在を見失ったところで――私の意識は遠退いていった。




短い文字数ではありますが、予定通り次回で完結となります。ただ、明日投稿できるかは未定ですf^^;

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