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第8話 崩れる社
拝殿が崩壊し、全員が追い詰められます。
拝殿全体が震え、壁に貼られていた御札が次々と剥がれ落ちていった。
木の柱が軋み、天井から土埃が舞う。
美咲の髪は櫛に引かれ続け、彼女は苦しげに叫ぶ。
「いやっ……助けて!」
悠真は必死に彼女を抱きしめ、叫んだ。
「離さない! 絶対に!」
榊原教授は震える手で護符を描き、声を張り上げる。
「封じ直すんだ! 影を櫛に戻せば、まだ間に合う!」
川村は測定器を叩き壊すように床へ投げつけ、電源ケーブルを櫛へ巻きつけた。
「こいつを拘束するしかない!」
木下は涙を流しながら震える声で祈った。
「…すまん…すまん……」
その時、影の女が全員の耳に囁いた。
「……わたしを……返せ……」
封印を施すか、全員が取り込まれるか。
次回は決断の時です。