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第10話 御神体の囁き
物語はいよいよ結末を迎えます。
社の崩壊は収まり、夜の森は静けさを取り戻した。
悠真は震える手で美咲を抱き上げた。
彼女の髪は半分以上、櫛に奪われていた。
榊原教授は重い声で言った。
「…代償を払わなければ、封印は続かないのだろう」
川村は櫛を布で包み、忌々しげに吐き捨てた。
「こんなもの、存在しちゃいけない……」
木下は青白い顔で首を振った。
「いや……村はまた祀る。祀らなきゃ、もっと恐ろしいことが起こるんや」
森を抜ける頃、悠真は背後からかすかな声を聞いた。
「……ありがとう……」
振り返っても、そこには誰もいなかった。
ただ、包まれた櫛の奥から、かすかな囁きが響いていた。
――御神体は、まだ目を覚ましている。
最後までお読みいただきありがとうございました。
御神体は眠りについたのか、それとも――。




