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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
1巻第3話

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襲撃について

「暴力沙汰っていうのが、二か月前後で起き始めた」


「なるほど、その段階ではまだ、それだけだったということですか」


 私の言葉にロラン公が頷く。そこにアレクシアが「ちょっといい?」と言葉を挟んでくる。


「なんだろうか?」


 ロラン公が促すと、アレクシアが笑顔で口を開く。


「じつは、私も襲撃されたんだけど」


「な?!」


 ロラン公が驚いたように立ち上がった。聞いていなかった様だ。その様子を見てもアレクシアは悪びれることはない。


「アレクシアさん、聞いてないぞ」


「大した話じゃなかったし、トニーに心配かけたくなかったからぁ」


 フアフアとした笑顔で、アレクシアがそう返す。諦めたようにロラン公が椅子に腰を下ろすと「まぁ、いい」と呟いた。


「それで、思い出したんだけどぉ、襲撃してきた人は白い服着てたのよねぇ……宗教っぽくない?」


 なぜだか面白そうにそんな事を言う。本当に虫にまとわり付かれたくらいにしか、思っていなさそうな言動である。


「……ヒューマギオン教は白を着る物なのですか?」


 良くわからずに、皆に問いかけると、ロラン公が頷いた。


「あぁ、信徒のほとんどが白色の服を身につけている」


 いよいよ、嫌な予想が的中している嫌な感じである。


「……ベルネストを目の敵にしているヒューマギオン教は、信徒を使って日々攻撃をしていたが、全く効果がなかった、それで軍隊を連れてうちに向かって進軍を始めた……という所か」


 ため息交じりにロラン公が予想を口にする。概ねそんな予想が立つ。時系列的にも説明がつきそうだ。ベルトが街で噂を聞かなかったのは、まだ軍隊を送ると決まっておらず具体的に動いていなかったという事だろう。


「しかし、腑に落ちないところもある、キリュナの情報が入ってきた時に、そんな大きな話があったら一緒に報告してきてもおかしくないはずだが」


 ロラン公の話に、その場の皆が「あぁ」と声を上げる。確かにそうだ。情報として入ってきてもおかしくない内容だが、ロラン公の反応を見るにそれはなかったようだ。


「情報収集してる人が、集めるように指示された情報じゃないし、まぁいいかってなったんじゃないのかしらぁ」


 面白そうにそんな事を言うアレクシア。流石にないだろう。ロラン公もわざわざ否定するまでもないと考えたのか、反応しなかった。


 何の反応もなかったことが気に入らなかったのか、アレクシアが少し膨れてソファから立ち上がる。


「もういいわよねぇ……私は早く愛しのトニーに会いに……」


「ロラン様!」


 そんな叫び声のような声とともに、アレクシアの言葉を遮って、執務室のドアが勢い良く開かれ兵士が一人、入ってくる。


「なんだ! 来客中だぞ! 余程の用件でなければ刑罰物だぞ」


 虫の居所が悪かったらしいロラン公が、厳しさを込めた声をあげた。それでも怖がることもなく、兵士が更に声を上げる。ロラン公の厳つい声に怯む事も忘れてしまうくらいに、マズイ事が起こったらしかった。

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