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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
1巻第3話

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物騒な話

「さぁ、もう夜だ、今日はゆっくりベルネストの夜を楽しめ」


 ニッコリとロラン公が笑う。ベルネストの夜。確かに気にはなる。しかし、ここで話を終わらせる事は残念ながらできない。


「そういう訳にもいかなくてぇ」


 アレクシアがそう声を上げる。そう、その話がある。物騒な話になるかもと耳打ちされたのだ。


「なにかあったのか?」


 無意識に表情を曇らせてしまったのかもしれない。空気を察したロラン公の表情が、少し険しくなる。


「とりあえず、座りましょ」


 変わらずアレクシアが声を上げると、私達は言われるがまま、もともと座っていた場所に戻る。


「さて、まずはミケさん……キリュナさんを助けた時に偶然聞いた話をお願い」


 アレクシアからバトンタッチされて、それを頷いて受け取る。アレクシアの気づいたことも気になるが、ロラン公にはまず状況を一から話さなければならないだろう。自分の中で整理する意味も込めて、状況を語ることにする。


「キリュナ様を保護に行ったわけですが、その際に冒険者を見かけました、その冒険者の話を盗み聞きさせていただいたのですが、ヒューマギオン教が軍隊を連れてこの辺りを通るらしいと、話していました」


「ヒューマギオン教が」


 一気に表情が険しくなるロラン公。加えて机の上に置かれていた両の拳に、力が入ったのがわかる。頑丈そうな事務机がギシリと軋む音が聞こえたのだ。


「さらに、農家を営む老夫婦と知り合ったのですが、その主人が二か月前に街へ行った時はその様な噂はなかったとの事でした」


 何処から出発するのか分からないが、行軍するにも時間がかかる。軍隊というからには兵を集める時間もいるだろう。二か月前に街で噂になっていなかったのなら、まだ猶予はありそうだが。


「私からは以上ですが」


 それほど情報は多くない。だが一応状況はわかるだろう。私はアレクシアを見る。


「ありがとぉ、それをふまえて私の話をするけど、ロラン様はその話についてもしかしたら察しがついてるかも?」


「あぁ、おそらくは」


 ロラン公は、眉間にシワを寄せて深く頷く。


「俺が話そう……違う部分があったらアレクシアさんの考えも聞きたい、補足してもらえるだろうか」


「わかったわぁ」


 自分で話す手間が省けたのが嬉しかったのか、アレクシアの声はわずかに声が弾んでいる。


 一度目頭の辺りをもんだ後、ロラン公が口を開く。


「この街で、暴力沙汰が起きてるって話をしたのを覚えているか?」


 そういう事か。ロラン公の言葉で、色々と嫌な予想が降ってきてしまった。この街に住み、暴力沙汰の当事者である二人はそれに素早く気がついたという事だ。

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