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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
1巻第2話

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「ふぅ、やはりオリーの薬膳ティーは絶品です」


 私がそう伝えると、オリーは、はにかむ。


「ミケが美味しいって言ってくれるから、美味しく入れられるんです」


 オリーの表情にドキリとしてしまい、それを誤魔化すためにもう一度ティーを口に含んだ。


 周りを見渡すと、皆が席につき同じ様にティーを楽しんでいる。キリュナが落ち着くのを待つ意味もあって、ベルトの家のダイビングで、オリーの入れたティーをみんなで楽しんでいるのだ。それにしてもオリーのマジックバックの中に、ティーセットが入っているとは。朝食時に使っていたティーセットは、洗って乾かしていた。つまり何セットか持っているということだ。


「オリーちゃんは、良いお嫁さんになるわね」


 いきなり微笑みながらマルタから、そんな言葉をかけられる。素敵なレディではあるが、今ここで言うことでもないような。


「そうじゃな、店を出せるくらいに美味いと思うぞ」


 マルタの言葉に同意するように、ベルトが声を上げる。それに対して、マルタは「もぉ、男っていうのは……ねぇ」とオリーに向かって漏らした。当の本人であるオリーは苦笑いを浮かべるだけである。どういう事だろう。


「私もそう思うわぁ」


 アレクシアも話の流れに乗っかり声を上げる。マルタがそれに反応して「あら、奥さん、わかる?」と少し冗談っぽく言った。


 正直何がなんだかわからないが。話に置いてきぼりになっているとそれを見かねてなのか、マルタが私に向かって口を開く。


「ミケさんはちゃんと気づいてあげなきゃ」


「き、気付く?」


 流石に何のことか分からず、とぼけた声をあげてしまった。それを見て、マルタが「もぉ」と苦笑する。それから今のやり取りについて、説明してくれた。


「オリーちゃんは、ミケさんに合わせてお茶の温度を低めにしてるのよ」


「あ」


 またもやとぼけた声をあげてしまった。そういえば、私はケットシーではあるが、猫である。猫舌なのだ。しかし、今まで熱いと感じたことがない。適温だと感じていた。


 オリーの方に顔を向けると、ネタばらしされてしまったという感じでオリーが、バツの悪そうな笑顔を浮かべている。これはこれでシビリティパーソンとして、レディに恥をかかせてしまった事になる。注いでくれていた愛情に気付けないとは、情けない。


「マルタさん、明かす必要なんて」


 困ったようにオリーがマルタに苦情を口にする。それを聞いたマルタが「男は鈍いから、ちゃんと褒めなさいって言わなくちゃ」といたずらっぽく笑った。

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