獣人について
だいぶ遅くなってすみませんm(_ _)m
「獣人……納得してもらえますか?」
「ミケさんは大きいですし、ギリ獣人でいけると思うんです」
オリビアは少しごまかす様に笑う。命に係わる事だから一か八かは嫌なんだが。それにしても、この世界の獣人はどういう姿なのだろう。そして、私のサイズは大きいらしい。
「オリビア嬢を疑う訳ではありませんが、獣人という方々はどの様な容姿をしておられるのですか?」
「意外と様々です、人間に動物の尻尾や耳や角がついているだけの方や、全身体毛に覆われた四つ足動物が二足歩行している姿の方……と言っても後者の方はかなりレアですが」
レアではあるが、後者の方と言い張れば私も獣人として認識されるかもしれない。意外と一か八かの賭けではないかも。
「ただ、ミケさんは身長が獣人にしては小さいんです」
「なるほど、それで」
オリビアは最初に私を目にした時、すぐにケットシーだと気づいた。つまりはそういう事なのだろう。獣人にしては小さい、つまりケットシーだと。
「……ですがそれだと、小柄な獣人はモンスターと間違われてしまうのでは?」
「はい、そうです……正直獣人の方たちは差別に苦しんでいます……人間を食べる事を好む獣人もいますし」
オリビアは悲しそうな表情を浮かべる。話を聞く限り、なかなか複雑な世界かもしれない。
「というか、まぁ……エルフやドワーフも、差別があるんです……もちろん私も」
暗い顔をさせまいと話を避けてきたが、もしかしたら話を聞いてほしいのかもしれない。街へ行き、そこで生活をしようとしている私は、ある意味差別を受ける可能性がある同志である。ずっと誰かに話を聞いてほしかったが、同じ境遇でなければ話せないと思わされるほどつらい思いをしているのかも。
「よろしければ聞かせていただけませんか? オリビア嬢の話を、贖罪の為という事、耳を隠せるためシスターの格好をしていると、その意味を」
「……はい」
オリビアは話し始める。ぽつりぽつりと。