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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
第二話

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上空からの捜索

 草食の鬼人族を探す為、私達は来た時と同じ形で飛んでいた。空からの捜索がやはり、一番手っ取り早いという結論だ。


「見える限りに、それらしいのは居ませんねぇ」


 アレクシアがキョロキョロとする。ドラゴニュートは何から何まで規格外で、目も良いらしい。今は上空から、平野部分を見てもらっている。草食の鬼人族は自分が討伐対象になったと思っていない可能性があるため、もしかしたら隠れず堂々と歩いているかと思ったのだが。


「そう簡単ではありませんね」


「となると、森に身を隠している可能性ですか」


「今思ったけど、もしかしてぇ、まだあの農場の何処かに隠れてたりしてぇ、無いかなと思って全く見てなかったわぁ」


 オリーとアレクシアが、それぞれの意見を口にする。森に身を隠している方が、可能性は高そうである。ただ農場はそれなりに広い。それに農場の上空を通過したわけだが、アレクシアはもちろん私も、おそらくオリーも農場に気を配っていない。居たとしても、気付けない。


「どっちを選びますか?」


 オリーが唐突に、そんな問いを投げかけてくる。嫌な聞き方をする。なんだか試されているような、そんな聞き方。いや、考え過ぎか。なんだか怖くて、オリーの顔が見えない。というか横から、圧を感じる気がする。振り向かない口実のため、顎に手を当てて、考え込むフリをする。


「森を探しましょう、それで見つからなければ農場を見てみましょうか」


「はい」


 オリーの声が僅かばかりか弾んだ気がした。アレクシアは何でも無いふうに「森の上空を回ってみるわね」と答えた。


「マントを着ていないので、気をつけなければ」


 行きはそれなりの高度で飛んでいたため、鳥に間違われるとか、都合の良い勘違いをしてもらえただろうが、今はそれほど高くない。アレクシアが見える範囲だが、相手側も認識できるかもしれない。


「人間ごときが、視界が狭い森の空を通過した飛行物を、認知できるはず無いわよ」


 ぽわっとした笑顔でそんな事を言うアレクシア。ポワポワ奥様であっても、ドラゴニュートという強者の種族なのだ。少しの危うさを感じつつ、今はそれを脇に置いておく。


「さっき通り過ぎた場所に人が居たわぁ、鬼人族じゃなくて、武装した感じの……装備がバラバラだったから冒険者ねぇ」


 全然見えなかった。視界が狭いのは上空からも同じである。にも関わらず一瞬の通過で、見つけられたのだ。さすが。


「降りましょう、見つからないように話の内容を聞いてみて、情報収集です」

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