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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
第二話

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ウサギの獣人とドラゴニュート

 館の正面玄関を出ると、何人かの兵士とともに、ウサ耳を生やした男性と羽と所々に鱗がある女性が立っていた。ドラゴニュートということだから、アレクシアは女性の方だろう。では男性の方はだれだろうか。


 オリーも同じ事を思ったのか、不思議そうにしている。しかし、すぐに何かを思いついたようにして、笑顔になった。


「どうしたのです?」


 問いかけるとオリーが「ミケはまだまだお子ちゃまですね」と微笑む。私が口を開こうとした所で、オリーが歩き出し、私の言葉は宙に浮いてしまった。


「ありがとうございます、アレクシアさん」


 ロラン公が丁寧な言葉づかいで、頭を下げる。そんな事が出来るタイプだったのかと、少し驚きつつ、オリーとロラン公に並ぶ。


「トニーさんも、よく承諾してくださいました」


 ロラン公が男性に顔を向ける。ウサ耳の男性はトニーというらしい。


「僕も受け入れてもらった身なので、協力はしたいですが、しかし妻を危ない目に合わせないと約束していただきますよ」


「もぉ、トニーったら、心配性なんだから」


 アレクシアはふわふわとした印象で微笑む。およそドラゴニュートのイメージからかけ離れた、ポワポワ奥様という感じだ。


 ロラン公の守ってほしいというのは、こういう事だったらしい。


「ミケも理解できましたか?」


 オリーが膝を曲げて耳打ちしてくる。先程の反応は、この事を二人の様子を見ただけで理解したという事か。


「お見逸れしました、お姉様」


 冗談っぽくそう返しておく。満足そうに顔を緩ませると、オリーが立ち上がりアレクシアに挨拶をした。


「はじめまして、オリビアです……こちらが……」


 そこまで言うと、オリーがこちらに視線を向ける。よろしい。シビリティパーソンとして、スマートに挨拶させてもらいましょうか。


「この様な格好で失礼いたします……私は、ミケ・ミャン・キャットフィールドと申します」


 傘は左手に持ち腰の方へ、右手をお腹の辺りに当てて恭しく頭を下げる。それから顔を上げると、アレクシアとトニーに向かって口を開く。


「どうぞご安心ください、このミケがアレクシア様をお守り致します、そして無事にトニー様の元へお連れする事をお約束させていただきます」


 決まった。そして最後に微笑みを……あれ、視界の端に何かが。


 うにゃうにゃうにゃっ。


「にゃっ、にゃにゃにゃっ」


 うにゃっ。うにゃっ。うにゃあぁ。


「はっ、失礼、取り乱しました」


 私は今何を。足元に視線を送ると、ボールが転がっている。周りを見回すと、傘がなくなっていた。まさか。

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