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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
第一話

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毒消しの薬草と猫じゃらし

 しばらく森の中を進み、すぐひらけた場所へやってくる。ここに毒消しの薬草が自生しているのだ。記憶が正しければ。


「あっ、あれです! あれ!」


 オリビアが突然、ハイテンションになり、指をさして嬉しそうにこちらに顔を向ける。


「そうですね、ありました」


 私は少し安心しながらそう返す。記憶違いではなくてよかった。


「じゃあすぐに採取してしまいますね!」


 嬉しそうにオリビアが駆けていく。あれで自分の為ではなく、人の為なのだ。何という良いお嬢さん。淑女と言えるだろう。


 これからはお嬢さんではなく、淑女として扱うように心がけよう。


 私が頷いていると、オリビアは必要な量を取り終えたのか、こちらに戻ってくる。まぁ、全部取ってしまったら、ここの辺りの毒消しの薬草が全滅してしまう。


 オリビアが笑顔で近づいてくると、何かを手に持っていた。長細い茎の先にふわっとした魅力的な……。


 ふにゃにゃにゃにゃ! ふにゃ! にゃにゃん! にゃー!


「は! 失礼、取り乱しました……というかおやめなさい!」


 オリビアは所謂、猫じゃらしという植物を持ってきていた。この世界での名前は何なのか分からないが。


「ふふふ、やっぱりお好きでしたか」


 オリビアはいっこうに、猫じゃらしを振るのをやめない。やっやめっ。


 にゃん! にゃーん! にゃにゃん!


「はっ! 失礼、取り乱しました、というか、おやめなさいって!」


 私の静止でやっとオリビアが、猫じゃらしを振るのをやめる。


「ふふふっ、どんどんミケさんの可愛い所が判明していきますね」


 少し意地悪な笑みを浮かべたオリビア。でも何となく楽しそうで、心を開いてくれているように感じる。


「さぁ、用事はこれくらいですよね? 街へ向かいましょう」


 実は結構楽しみにしていたりする。街へ着けば、お気に入りの衣装やレイピアが手に入る。そこからが本番の紳士ムーブである。


 ついついウキウキして、紳士らしくない振る舞いになってしまったかもしれない。少し咳ばらいをすると、オリビアに向かって口を開く。


「街はどちらですか? まずは最初に出会った場所まで戻れば、分かりますか?」


「はい、そこまで案内お願いします、そこからは私はご案内しますね」


「よろしくお願いします」


 私は恭しく頭を下げる。オリビアがそれを見て、同じようなお辞儀を返してきた。


「さぁ行きましょう」


 私は森の中を引き返す様に、歩き始める。

実はゲーム実況をTwitchでやっているのですが、最近作業雑談配信として、小説を書きながら配信しています。まさにこの作品を書いています。興味のある方は遊びに来てください。


https://www.twitch.tv/yuiushi


配信は不定期なので、ブログ・スレッズ等にアップするスケジュールで予定を確認いただけると嬉しいですm(_ _)m


リンクはTwitchのトップにあります。

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