川に到着
しばらく歩いて、川までたどり着くことができた。他のモンスターに出くわすことなくここまで来ることができたのは運がいい。
「到着しました、オリビア嬢……お嬢さんにこのような険しい道を歩かせて申し訳ありません」
可能な限り、緩やかな道を選んで進んできたが、それでも森の中だ。楽な道ではなかった。
「いえ、そんな! それより荷物を持たせてしまってすみません」
何度かオリビアからは荷物をいくつか持つと申し出があったが、すべて断っていた。お嬢さんに荷物を持たせるなど、紳士にあるまじき行為なのである。
「心遣いは嬉しく思います……では洗いましょうか」
これ以上話を長引かせない様に、区切ってしまう。オリビアは少し不服そうな表情を浮かべたが、すぐにそれをやめて川辺に近づいた。
「キレイな水です……こんな場所があったなんて、私が来ている街の方向からだと森の反対側になるから、気づかなかったんですね」
オリビアが靴を脱ぎながらそんな事を言った。そうして、微笑みながらこちらを振り向く。
「さて、洗いましょうか……ここからは私がやりますよ」
「いえ、お嬢さんにその様な事は……させ」
私はオリビアの申し出をやんわり断りながら、水辺に近づこうとする。しかし何だろう。水が……水が。
うにゃにゃにゃにゃ! しゃー!
「はっ! 失礼、取り乱しました」
私は気が付くと、持っていたものをすべて放り投げて、川から少し離れた場所に飛び退いていた。川の流れによって、水のしぶきが飛んできたからだ。
なんだこの根源的な恐れの感覚は。体を濡らしてはいけないと、心の底から本能が叫んでいる様な。
「やっぱり、ミケさんは猫ちゃんですね……弱点もちゃんとあるんだ、ちょっと安心しました」
オリビアが少し嬉しそうにそんなことを呟く。それから私が落とした荷物を拾い上げて、川へと移動していった。
「あっ、そのような労働をお嬢さんにさせるわけには」
「えい!」
にゃん?! しゃー!
「は! 失礼……というかおやめなさい!」
オリビアは毛皮と牙を水に落とした後、水をこちらにかけてきたのだ。それを避けたがつい毛を逆立てて、威嚇してしまった。
「これぐらい私にやらせてくださいよ、ミケさんは水に入れそうにないですし」
勝ち誇ったという程ではないが、オリビアが少し得意げな表情でそう言った。
ぐぬぬぬぬ。確かにオリビアの言うとおり、私には水が無理である。
「……お願いいたします」
こればかりは仕方がない。
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