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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
第一話

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12/78

川に到着

 しばらく歩いて、川までたどり着くことができた。他のモンスターに出くわすことなくここまで来ることができたのは運がいい。


「到着しました、オリビア嬢……お嬢さんにこのような険しい道を歩かせて申し訳ありません」


 可能な限り、緩やかな道を選んで進んできたが、それでも森の中だ。楽な道ではなかった。


「いえ、そんな! それより荷物を持たせてしまってすみません」


 何度かオリビアからは荷物をいくつか持つと申し出があったが、すべて断っていた。お嬢さんに荷物を持たせるなど、紳士にあるまじき行為なのである。


「心遣いは嬉しく思います……では洗いましょうか」


 これ以上話を長引かせない様に、区切ってしまう。オリビアは少し不服そうな表情を浮かべたが、すぐにそれをやめて川辺に近づいた。


「キレイな水です……こんな場所があったなんて、私が来ている街の方向からだと森の反対側になるから、気づかなかったんですね」


 オリビアが靴を脱ぎながらそんな事を言った。そうして、微笑みながらこちらを振り向く。


「さて、洗いましょうか……ここからは私がやりますよ」


「いえ、お嬢さんにその様な事は……させ」


 私はオリビアの申し出をやんわり断りながら、水辺に近づこうとする。しかし何だろう。水が……水が。


 うにゃにゃにゃにゃ! しゃー!


「はっ! 失礼、取り乱しました」


 私は気が付くと、持っていたものをすべて放り投げて、川から少し離れた場所に飛び退いていた。川の流れによって、水のしぶきが飛んできたからだ。


 なんだこの根源的な恐れの感覚は。体を濡らしてはいけないと、心の底から本能が叫んでいる様な。


「やっぱり、ミケさんは猫ちゃんですね……弱点もちゃんとあるんだ、ちょっと安心しました」


 オリビアが少し嬉しそうにそんなことを呟く。それから私が落とした荷物を拾い上げて、川へと移動していった。


「あっ、そのような労働をお嬢さんにさせるわけには」


「えい!」


 にゃん?! しゃー!


「は! 失礼……というかおやめなさい!」


 オリビアは毛皮と牙を水に落とした後、水をこちらにかけてきたのだ。それを避けたがつい毛を逆立てて、威嚇してしまった。


「これぐらい私にやらせてくださいよ、ミケさんは水に入れそうにないですし」


 勝ち誇ったという程ではないが、オリビアが少し得意げな表情でそう言った。


 ぐぬぬぬぬ。確かにオリビアの言うとおり、私には水が無理である。


「……お願いいたします」


 こればかりは仕方がない。

実はゲーム実況をTwitchでやっているのですが、最近作業雑談配信として、小説を書きながら配信しています。まさにこの作品を書いています。興味のある方は遊びに来てください。


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配信は不定期なので、ブログ・スレッズ等にアップするスケジュールで予定を確認いただけると嬉しいですm(_ _)m


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