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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
1巻エピローグ

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別のシステム

 思わぬ内容に、しばらく言葉が見つからなかった。まだほとんど利用していないが、ヒューマギオン教の手助けをしていたとなると、少しお腹の底が重たくなるのを感じる。私はオリーに視線を向けた。オリーは相当冒険者ギルドを利用していたただろう。責任を感じたりしていないだろうか。薬草採取がメインだったはずだが、それでも活動を助ける一助ではあった。


「……私は大丈夫ですよ、ミケ」


 こちらの視線に気づいたオリーが微笑む。それから自分の手元に視線を移して、気にしていない様な口ぶりで続けた。


「困っている人を助けていたというのは確かですし、それに、冒険者ギルドに関わっていたのはここ数年ですし、私の人生の中で言えば本当に一瞬……気になりません」


「そう、ですか」


 本人がそういうのなら。私は話を戻すように、ロラン公に視線を戻す。


「そういう訳で、我が領には冒険者ギルドはない」


「わかりました」


 一石二鳥ができないのはしょうがない。私が諦めた気持ちでティーに口をつけると、ロラン公が口を開く。


「だがな、冒険者ギルドは良い所もあると言っただろ」


 確かに、困っている人を助けるのは、良い部分である。雇用の創出もだ。


「人間と亜人以外を誰彼構わず狩りまくる様な流れにしなければ良いんだ……だからうちの領では独自のシステムを取っている……領主側の都合でしかないが、冒険者がいると、正規騎士団の数も減らせるから人件費がおさえられるしな」


 なんというかそういう狙いもあり、独自のシステムを作り出しているのか。


「どの様なシステムで?」


「クラン認可制だ……こっちで認可を出したクランに、困りごとや頼みたいことを直接依頼する形だ」


 ロラン公が認めた者だけが、依頼を受けられる。差別や友好的な種族に危害を加えない者に、依頼を受けるかどうか一任しているという事か。


「結構良いだろう? こっちも運営する手間も省けるし」


 ニカリ笑うロラン公。そっちが本命のように感じるが、追求する必要はないだろう。


「このシステムは結構上手くいってると思うぞ、例えば肉屋が専属のクランを持っていて、食用になるモンスターを狩ってくる、そのクランは俺の考えにキチンと賛同しているから、生活圏に危険が及ぶ可能性のある野獣を狩る事しかしない、おかげで我が領はかなり獣害が少ない、その上、食も豊富だ」


 ウンウンと頷きながら、ロラン公は満足げにしている。


「それは良いですね」


 私はオリーに視線を送る。冒険者ギルドでやろうとしていた事を、クランでもやれるかもしれない。

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