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猫紳士たるもの、猫じゃらしで遊ばれるなどありえません。  作者: 高岩 唯丑
1巻エピローグ

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冒険者ギルドとは

「おぅっ、様子を見に来たんだ、ついでにミケが絶賛するオリビアの薬膳ティーを飲んでみたくてな」


 何とも上機嫌なロラン公。最近平和だから、気を揉まなくて良かったからだろうか。


 ロラン公をカウンター席に案内すると、いつの間にかオリーがバーカウンター内に戻り、営業スマイルを浮かべていた。何となく怖い気がするが、気のせいだろうか。


「何にいたしますか?」


 オリーがそう問いかけると、ロラン公は「任せる」と頷いた。きっとよく分からないのだろう。


「どうだ、調子は? 困ったことはないか?」


 ロラン公が不意に、そんな事を問いかけてきた。もしかしたら、こうしてこの街にやってきた者たちの様子を見て回っているのかもしれない。そんな事を感じさせる言い慣れた感じの言葉だった。


「調子は良いですよ……冒険者ギルドが見つからないので、それは少し困っていると言えるかもしれません」


 ベルネストをオリーと二人で度々散策しているが、冒険者ギルドが見つからない。オリーの薬膳ティーの材料になる薬草類を取りに行くのに、ついでにクエストを受けたら依頼料ももらえて一石二鳥ではと、話しているのだが。


 私の言葉を聞いたロラン公が、眉をひそめて「知らないか」と呟いた。


「どういう事です?」


 知らないとは、どういう事だろう。それにロラン公のその表情は。ロラン公は少し言い難そうにしてから口を開く。


「冒険者ギルドはな、ヒューマギオン教が管理運営している……皆運営なんて興味ないから、あまり知られてないがな」


「なっ」


 私はつい声を上げてしまった。オリーも動揺した様で、食器をぶつけてしまったかのような音を立てる。


 ヒューマギオン教が作った組織。もしかして、冒険者ギルドは危ない団体なのだろうか。


「考えてもみろ、モンスター討伐を推奨している、クエストとは別のアレだ」


 確かモンスターを討伐すると、その素材を買い取ってくれたはずだ。


「クエストは困っている人からの物だから仕方がないが、素材買取は無闇に狩られる原因になる……言い換えれば、無闇にモンスターが狩られるように仕向けているのだろう」


 考えたこともなかったが、確かにそういう一面もある。ロラン公が目頭をもみながら言葉を続ける。


「しかし、全く悪いことだけではない……冒険者ギルドのおかげで、困っている人と仕事を探している人をつなげることが出来る、仕事にあぶれるやつが減った……人を襲うモンスターが倒されて、人間の生活圏が安全になったのも事実だしな」


 ネガティブなことだけではない。だから冒険者ギルドは受け入れられているのだ。


「冒険者ギルドはなくてはならない物になり始めている、そうやって、ヒューマギオン教は根を広げているんだ、見えないところでな」

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