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我が家の愛猫・ショコラ

作者: 桐原まどか



彼女がうちに来たのは、やっと乳離れした頃でした。

猫なのに何故か毛繕いをせず(本当に!)母とこの子は大丈夫だろうか…?と心配しました。母猫と早くに離しすぎたのだろうか…。

しかし、本能。そのうち、ショコラは毛繕いするようになり、綺麗な毛並みを我々に披露してくれました。


ショコラ。どんな名前にするか?

どんつきに突き当たった我々が半ばやけくそでつけた〈可愛い〉名前。

に、(飼い主の欲目かもしれませんが)似合う美人さんになってくれた。

ここで奇妙なお話をひとつ。

私の記憶では、ある日「猫、来たぞー」ニャー、なんですが。

母曰く。「何言ってんだ?選んだの、お前だろ?『この子がいい』って」

???

えー…。

でもショコラは可愛いのでOKです。にしても…この記憶の食い違い、なにー?


ところで、子猫の頃のショコラはぶちゃいくでした。

彼女はアメリカンショートヘアとノラネコの間に出来た子だったのですが、目の縁真っ黒け、口の縁、真っ黒け、肉球真っ黒け、要は黒かったんです。で精一杯考えた結果が〈ショコラ〉なる名前なんですね。


さて、元気に駆け回る子猫時代。

初雪が降った日、母が冗談で「ショコラ、外行ってみるか」

雪の上にショコラをのせると…ぽてぽてぽて。歩いていってしまったので、慌てて捕まえる、という(我々が)間抜けな一幕がありました。

初雪に点々と残る可愛いあんよの跡。懐かしいな。


ぶちゃいくだったはずのショコラですが段々と…キレイになったんですよ!

足をぴったりと揃え、尻尾をくるんと添えるのが決めポーズ。

そんな愛らしいショコラですが、一個だけ困ったのが…どうも私の足をかじってもいい、と認識してたらしく、飛びかかってくる。はむ、と噛んでくる。見かねた母が止めると、ちょっと大人しくなる。

ショコラの中ではどうも母が序列一位だったようです。


猫らしいエピソード。ある日、我が家は深刻なムードに包まれていました。「困ったな…」「困ったね…」

なんと…ネズミが出たのです!

そうしてうちの母は大のネズミ嫌い。どれくらいかというと、某国民的青い猫型ロボットレベル。

知ってます?彼、野○家の玄関先でネズミに遭遇した時、「地球はかいばくだんを…」本気で地球飛ばそうとしたんですよ。たまたま帰ってきた○び太くんが止めてましたがね。

なんでそんな物騒な物、入ってるんだ、あのポケット。

話が脱線しましたね。

さて、我々の視線は、のんびり毛繕いしてるショコラに向けられました。

母「ショコラ」「にゃあ」

名前を呼ばれると返答するショコラ。「お前には…重大な使命がある…」

結果、見事ネズミを仕留めたショコラは褒めちぎられ、いつもならお正月だけの高級な牛肉の缶詰を開けて貰い、喉をゴロゴロ言わせていました。愛いやつ。


やがて、ショコラも老いてきました。もう私の足に飛びついてきません。

撫でてあげると喜んで、膝に乗ってくるので、気が済むまで寝かせてあげました。足が痺れようが、トイレ行きたかろうが、我慢。

ごはんを食べて、陽だまりでうつらうつらしてる。でもたまに、猫じゃらし見せると、元気な猫パンチを見せてくれました。

「ずーっといていいからね」

そう言って頭を撫でてました。でも。

やっぱりお別れは来てしまいました…。

真夏の事で、食欲が落ち、ぐたっとしてる。

私は仕事だったのですが、母が病院に連れて行ったところ

「老衰だね。輸液すれば、あと2、3日は…どうします?」その問いに悩んだ末、母はショコラをうちに連れて帰ってきました。

少しでも、と、子猫用のミルクを買ってスポイトで少しづつ、あげました。

ショコラが息を引き取ったのは、秋の虫の声が聞こえ始めた、でも、まだ夏の残り香がある頃でした。

母と二人で「バイバイだよ、ショコラ」と声をかけました。

ショコラは優しくてキレイな良い子だったから、天国にいます。

きっと今頃も堂々と天国の花畑を闊歩し、ゴロゴロ転がり、毛繕いし…美味しいごはんを食べて、幸せふくふくなのです。


ペット霊園で火葬してもらって、お骨になったショコラ。

ちゅーるやお水、カリカリ(ドライフード)、などを供えてあげています。

ショコラは我が家の家族であり、世界一の美人さんなのです。

そろそろ、換毛期かなぁ?

天国の冬は暖かいと良いなぁ、と毎年、思うのです。

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